主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2022年9月16日9時00分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼15日(木)の為替相場
(1):本邦貿易収支は過去最大の赤字
(2):豪雇用統計発表
(3):米経済指標は好悪まちまち
(4):世銀がリセッションの可能性を指摘
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:米利上げ期待のドル買いが優位/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
15日(木)の為替相場
期間:15日(木)午前6時10分~16日(金)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):本邦貿易収支は過去最大の赤字
日本8月貿易統計(通関ベース)は2兆8173億の赤字となり、過去最大の赤字となった。資源価格の高騰や円安が輸入コストを押し上げていることが背景にある。
(2):豪雇用統計発表
豪8月雇用統計は、新規雇用者数が3.35万人増と予想(3.50万人増)をやや下回ったが、フルタイムの正規雇用者が5.88万人の大幅な増加となった(非常勤2.53万人減)。失業率は3.5%と予想(3.4%)を上回り48年ぶりの低水準だった前月(3.4%)からわずかに上昇したが、労働参加率が66.6%に上昇(前月66.4%)したことによるもので「良い失業率上昇」とみなされた。
(3):米経済指標は好悪まちまち
米8月小売売上高は前月比+0.3%と予想(-0.1%)に反して増加。一方、変動の大きい自動車を除いた売上高は前月比-0.3%と予想(±0.0%)を下回った。ガソリン価格の値下がりと自動車販売価格の上昇で、消費動向が見えにくい強弱入り混じる結果となった。同時に発表された新規失業保険申請件数は21.3万件と予想(22.7万件)を下回り、5週連続の減少となった。なお、その後に発表された米8月鉱工業生産は前月比-0.2%と予想(±0.0%)を下回った。
(4):世銀がリセッションの可能性を指摘
世界銀行は「各国中銀が持続的なインフレ対応に向けて同時に利上げを実施しているため、世界全体がリセッション(景気後退)に向かっている可能性がある」と発表。世界三大経済圏である米国、中国、ユーロ圏が急激に減速しているとの警戒感を示した。
15日(木)の株・債券・商品市場
外為注文情報
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本日の見通し
ドル/円の見通し:米利上げ期待のドル買いが優位
昨日のドル/円は前日比約0.2%の小幅高で取引を終えた。東京市場で142.79円前後まで弱含む場面もあったが、米長期金利の上昇を受けて海外市場では143.80円前後まで持ち直した。政府・日銀による円安けん制への警戒感と、米連邦公開市場委員会(FOMC)の大幅利上げ観測で売買が交錯した。
ただ、市場には政府・日銀が円買いの実弾介入を行うのは困難との見方が多く、米利上げ期待を背景とするドル買いのほうがやや優勢だった。来週のFOMCでは100bp(1.00%)の超大幅利上げが行われる可能性も捨てきれないだけに、ドル/円は本日も堅調推移が見込まれる。特に、本邦通貨当局が円安をけん制しにくい海外市場ではドルが買われやすくなりそうだ。
注目の経済指標
注目のイベント
※時間は日本時間での表示になります。
※「注目の経済指標」「注目のイベント」は注目度が高い順に「◎」「○」「無印」で表示しております。
※発表時刻は予告なく変更される場合があります。また、予定一覧は信憑性の高いと思われる情報を元にまとめておりますが、内容の正確性を保証するものではございませんので、事前にご留意くださいますようお願いいたします。
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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