総括
FX「20.749円、年初来高値更新、8月貿易取引伸び悩みは世界景気の減速へ」人民元見通し
(通貨7位(7位)、株価9位(9位))
予想レンジ 人民元/円 20.4-20.9
(ポイント)
*対円で年初来高値更新 20.749
*8月貿易収支、輸出入伸びが鈍化、世界の景気減速へ、原油下落
*今週は8月消費者物価の発表あり
*工業利益や製造業PMIが悪化
*米国は中国からの輸入品に対する制裁関税措置を継続
*中国共産党が5年に一度の党大会開催
*9月に中露首脳会談
*人民銀行は利下げに踏み切った
*共産党大会、10月16日から開催
*台湾海峡緊張続く
*中国原油輸入、ロシア産が増加
*世界はQUADやIPEFで中国を切り離す
*米銀が2022年の成長見通しを下方修正 中国は5.5%目標堅持
(対円で年初来高値を更新)
12通貨中、7位と安定している。景気減速でドルよりやや弱く操作している。ただ円が弱いので対円では昨日年初来高値の20.749をつけた。
(8月貿易収支、輸出入伸びが鈍化)
8月の貿易統計は、輸出がドル建てで前年比7.1%増となり、7月の18.0%増から伸びが鈍化した。輸入は0.3%増加。伸び率は7月の2.3%から鈍化した。
輸出は7月まで最大の輸出相手国だった米国向けは4%減少し、20年5月以来のマイナスを記録した。米国向けを上回ったEU向けは11%伸びたが、2割超増えた7月からは鈍化した。輸入は新型コロナウイルスの感染封じ込めを狙う「ゼロコロナ」政策に伴う厳しい移動制限で、内需の停滞が長期化し伸びが鈍化している。中国貿易の縮小は世界景気の減速に繋がる。原油価格下落にも繋がる。
(人民銀行が外貨預金準備率引き下げ 元安ペース抑制)
人民銀行は9月5日、銀行の外貨預金準備率を2%引き下げ6%にすると発表した。
人民元安のペースを抑制することが狙いとみられる。外貨預金準備率は4月にも1%下げられていた。
人民銀は声明で、引き下げは「金融機関の外貨資本活用能力」の向上が目的と説明した。
人民元は今年対ドルで8%下落。9月5日にはドル高や中国経済減速を背景に約2年ぶり安値を付けた。
準備率の引き下げはドル流動性を高めることになる。7月末時点の外貨準備高は9537億ドル。準備率の引き下げで約190億ドルが市中にとどまると見込まれる。
(景気減速)
8月の財新サービス部門PMIは55.0で、1年3カ月ぶり高水準だった7月の55.5から低下した。
1-7月の工業部門企業利益は、前年同期比1.1%減少した。新型コロナウイルス対策の新たな規制が需要を抑制し、利益率が圧迫された。熱波による電力不足で生産も脅かされた。8月の財新製造業PMIは49.5と前月の50.4から低下し、景況改善・悪化の分岐点となる50を3カ月ぶりに割り込んだ。政府版の製造業PMIは49.4と、分岐点となる50を2カ月連続で割り込んだ。
(米国は中国からの輸入品に対する制裁関税措置を継続)
ペロシ訪台以降、米中間の関係が悪化し、米国は中国からの輸入品に対する制裁関税措置を続けると発表した。バイデン政権はインフレ対策として関税引き下げを検討してきたが、措置の見直しをいったん延長。産業界の要請を踏まえ、対象品目の再構成が必要か判断する。ただでさえコロナ感染で景気減速が進む中、争いごとはさらに不安感を高めるだろう。
テクニカル分析(人民元/円)
「ボリバン3σ下限下抜きから3σ上限へ。驚異の短期的急上昇」
「ボリバン3σ下限下抜きから3σ上限へ。驚異の短期的急上昇」
日足、ボリバン3σ下限下抜きから3σ上限へ上昇。雲の上に出る。9月6日-7日の上昇ラインがサポート。5日線、20日線上向き。年初来高値更新20.749
週足、7月11日週-8月22日週の下降ラインを上抜く。ボリバン2σ上限へ。8月22日週-29日週の上昇ラインがサポート。
月足、7月は年初来高値から下落し陰線。8月は陽線。今月は7月-8月の下降ラインを上抜く。6月-8月の上昇ラインがサポート。
年足、21年は大陽線。20年-21年の上昇ラインがサポート。15年-21年の下降ラインを上抜いて22年スタート、ここまで陽線。
チーファンラマ
「習国家主席とプーチン大統領がSCOで会談」
プーチン大統領は9月15-16日にウズベキスタンのサマルカンドで開く上海協力機構(SCO)首脳会議に合わせて中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席と会談する計画だと明らかにした。両首脳の会談は2月の北京五輪開会式へのプーチン氏の出席時以来で、ウクライナ侵攻後は初めてとなる。会談では米国に対抗して両国の結束を訴える見通し。
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