豪ドルのFXデイトレードを行ううえで、インプットしておきたいトレードシナリオなどをギュッとまとめました。
執筆:外為どっとコム総合研究所 中村 勉
Twitter:@gaitamesk_naka
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目次
今日の豪ドル トレードシナリオ
ここまでの相場
・WTI原油価格は反発。強い米雇用統計の結果を受けて米国の景気減速懸念が和らぐ。一時1バレル=105ドル台まで上昇。(7月8日)。
・7月5日の豪準備銀行(RBA)理事会で政策金利を市場予想(0.25%~0.50%)通り0.50%の利上げを実施。声明は概ね前回と同じ内容で、経済指標次第では次回以降も大幅利上げの可能性を残した。
・中国では上海のほかに北京や西安でも新型コロナオミクロン株の別系統「BA.5」感染者が確認された。上海では大規模な検査が行われるなど、当局が再び警戒を強めている(7月6日)。
・5月分の豪雇用者数は6.06万人増と予想の2.5万人増を大幅に上回る。失業率は前月と同じ3.9%に留まったが、労働参加率が66.7%(前月66.3%)へ上昇。過去最高となった(6月16日)。
・2022年1‐3月期の豪賃金指数(前年比)は+2.4%と前期(+2.3%)を上回る。しかしRBAの目標とする3%には届かず。6月15日に公正労働委員会が最低賃金の5.2%引き上げを発表。これにより賃金指数の伸びも加速しそうだ。
・4月27日発表の豪2022年1‐3月期 消費者物価指数(CPI)は前年比+3.7%(トリム平均)とRBAの目標レンジ(2~3%)を突破。市場の予想(+3.4%)を大きく上回る結果となった。
今日のメインシナリオ
豪ドル/円は底堅い?参院選の結果は、円安継続を示唆か
金曜日(7月8日)に発表された、米6月雇用統計が予想を上回る強い結果となり、米国の経済後退懸念が和らいでいる。一方で、欧州では天然ガスをはじめとしたエネルギー逼迫懸念が根強く、ユーロは対米ドルで売られやすい。ユーロ/米ドルは世界一取引高のある通貨ペアのため、ユーロ/米ドルの下落(米ドル買い)は豪ドル/米ドルの下落の一因となり得る。市場では、ユーロ/米ドルが近々パリティ(1ユーロ=1米ドル)を目指すと予想されていることから、この動きには豪ドルにとってもネガティブな材料となりそうだ。オーストラリアについて、自国経済は堅調だが、米国の利上げペースが早すぎるために対米ドルで豪ドルが売られやすいという一面はある。他方で、週末に行われた本邦参議院選挙で自民党が圧勝したことから、政権からの円安けん制発言が弱まる可能性がある。米ドル/円での米ドル高・円安基調が継続することで豪ドル/円の下値は支えられることとなりそうだ。
個別の想定シナリオ
■本邦参院選での自民党大勝
⇒有権者が円安を受け入れたと「円安けん制発言」が弱まる可能性
⇒ドル/円は上値模索
⇒豪ドル/円は底堅い
チャート分析
今後の注目材料
ユーロ/米ドルの動き
米ドル/円の動き
「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」
外為どっとコムのテクニカル分析ツール「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」では豪ドル/円は雨、豪ドル/米ドルは曇り空に雨がぱらつく。7/9の朝4時に豪ドル/円のRSIで売りシグナルが点灯。
【情報提供:外為どっとコム】
<「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」 詳細はこちら>
- ※ 「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」とは、選択した通貨ペア・足種に対して、複数のテクニカル分析を行った結果をパネル形式で一覧表示することにより、直感的に相場状況を把握することができるツールのことを指します。
- ※また、高機能チャート(パソコン版)/(スマホ版)では「取引分析」 を選択することで、外為どっとコムの『外貨ネクストネオ』でお取引をされているお客さまの指値やストップ注文の状況をチャート上に表示が可能です(「外為注文情報」)。
- ※ なお「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」や、「外為注文情報」は情報提供を目的としており、投資の最終判断は投資家ご自身でなさるようお願い致します。
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中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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