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FX「リラ高、株安、長期金利低下。新資本規制導入の初期反応」トルコリラ見通し

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総括

FX「リラ高、株安、長期金利低下。新資本規制導入の初期反応」トルコリラ見通し

(通貨最下位、株価首位)
予想レンジ トルコリラ/円 7.6-8.6

(ポイント)
*外貨預金の取引制限策を打ち出しリラが先週から急騰
*直近の資本規制策でリラ高、株安、長期金利低下
*政策金利は14%で据え置き 5月インフレは73.5%
*トルコは国内リラ預金より外貨預金が多い国(日本と逆)
*ロシアへの経済制裁に加わらない
*日足の5日線が20日線を上抜く
*エルドアン大統領の支持率が上昇(NATO問題で)
*トルコの不満はEUに入れずNATOに利用されていることか
**住宅価格上昇はロシア人の住宅購入によるもの
*観光収入は増える
*S&Pは格下げを実施
*トルコ実業界はリラの対ドルレートを9から14の間で推移することを望む

(先週末にリラが急騰)
 先週末にリラが急騰した。対円で7.77あたりから一時8.14へ上昇、先週終値は8.0あたり。今週も上伸し8.17へ。上昇の理由は銀行規制当局が、銀行に1500万リラ以上の外貨現金資産を持つ企業にリラローンを供与させないとしたことや会社の外貨現金資産が総資産の10%を超えると、リラローンを受けられないとしたことだ。これによって資本流出によるリラ安を防止する。昨年12月の為替損ヘッジ付きリラ特別預金から、数多くの資本流出政策が打ち出されている。いわゆるリラ化政策(リラリゼーション)だ。70%を超える高インフレでも金融引き締めを許さない大統領がいるので、資本規制が続いている。


(トルコは国内リラ預金より外貨預金が多い国)
トルコはリラ預金よりも外貨預金の多い国、また金の輸入が多い国だ。国民が経済政策やリラを信頼していないので国民の自衛策と言える。強権で資本流出を抑制できるかどうかは疑問だ。
 リラ安の根本の原因は経常・貿易赤字で、コロナ禍やロシアのウクライナ侵略で原油輸入が急増、また観光収入が減少し、さらに赤字が膨らんでいる。コロナ禍は収まったが、ウクライナ危機はどうなるかわからない。先週の政策金利は大統領の意向でいつも通り14%に据え置かれた。

(日本はどうか)
 ちなみに、日本の家計では1088兆円の現金・預金に対して僅か7兆円の外貨預金である。

(さあNATO首脳会議)
エルドアン大統領は、NATO首脳会議を前にスウェーデン、フィンランド、およびNATO首脳らと6月28日に一連の会談を予定している。

(ロシアへの制裁に加わらず)
財務省はロシアへの経済制裁に加わらないとした。理由はトルコへの経済的打撃が大きからだ。

テクニカル分析(トルコリラ/円)

ボリバン2σ下限から急反発し3σ上限を上抜く、一時雲の上に出る

 日足、ボリバン2σ下限から急反発し一時3σ上限を上抜く、一時雲の上にも出る。6月24日-27日、21日-24日の上昇ラインがサポート。5月10日-6月27日の下降ラインが上値抵抗。5日線が20日線を上抜く。5日、20日線上向き。
 週足、ボリバン2σ下限から小反発。4月25日週-5月9日週の下降ラインが上値抵抗。21年12月20日週-22年6月20日週の上昇ラインがサポート。
 月足、3月、4月の底堅さも5月は維持できなかった。3月-4月の上昇ラインを下抜く。21年11月-22年5月の下降ラインが上値抵抗。
年足、7年連続陰線。22年は一時寄り引き同時に近づいたが、また円に引き離される。18年-21年の下降ラインが上値抵抗。



メルハバ

トルコの昨年12月からのリラ安対策、資本規制など

22年6月24日
*トルコの銀行規制当局は、銀行は1500万リラ以上の外貨現金資産を持つ企業にリラローンを供与しない
*会社の外貨現金資産が総資産または収入の10%を超えると、リラローンを受けられない

6月14日
*外貨預金を顧客に提供するために少なくとも5年満期の証券を保有する必要がある
*リラを強化するための新しい収益指数付き債券を発表

6月10日
*リラ資産の貯蓄を促進するために国営企業の収益にインデックス付けされた国内債券を発行し、中央銀行はリラ商業現金ローンに必要な準備率を引き上げ、銀行ウォッチドッグは消費者ローンの満期制限を微調整する

4月
*国内の法人や個人の不動産と、自動車を除く全ての動産(製品)の売買の際に、通貨トルコ・リラをベースに支払うことが義務付けられた。

3月
*トルコでEU域外国からの商業目的でない物品の関税が30%に引き上げ

21年12月
*為替差損ヘッジ付きリラ預金の発行


情報提供元:FX湘南投資グループ
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