動画配信期間:2022/6/2~
銀行ディーラー時代の輝かしい実績を持つ「マット今井」こと今井雅人氏による恒例の経済・為替相場の解説セミナーです。
各通貨の具体的な展開を今井節で明快に解説します。
(00:18頃から)
私は昨年末より円安を予想しており、非常に理屈通り動いたといえます。131円から126への下押しは調整・底打ちとみており、その後反発すると予想していました。
(02:52頃から)
一番の円安要因は「日本だけ金利が上がらない」ことです。
日銀の金融政策は「直近のCPIが安定的に年率2%程度の上昇が適切」としています。
日銀が出している消費者物価指数(CPI)は
(1)総合
(2)生鮮食品を除く総合(コア)
(3)生鮮食品およびエネルギーを除く総合(コアコア)
の3つがあります。日銀は以前は(1)を使っていましたが、いつの間にか(2)になっています。
(2)と(3)を比べると明らかですが、日銀は足元のインフレの大部分はエネルギーの上昇と言っています。
(06:26頃から)
インフレ率が上昇しているなら金融緩和をやめる議論が出ても不思議ではないのですが、日銀の見通しはそうではありません。
四半期に1回公表される展望レポートでは、CPI(除く生鮮)で、中央値はほぼ2%。1月時点より上方修正されています。しかし、23年度は+0.9~+1.3%を予想しており、22年の物価上昇は一時的と見ていることが読み取れます。これが、日銀が金融引き締めを行わない理由です。
(11:28頃から)
「円安はマイナス」という意見が出てきたが、日銀はそう考えていない様子です。
同じく展望レポートからですが、円安のメリットは「価格競争力改善による輸出の拡大」「円でもらえるお金が増える」「海外に投資した配当が増える」など、輸入コストの上昇などでメリットがあるものの全体的には円安はプラスとみていることがうかがえます。
直近の日銀関係者の発言からは、日銀は為替相場に直接コミットしないとの見方が示されたほか、金融政策は為替相場を誘導するために行っているものではないとの見方も示されています。
(16:52頃から)
通常は金利の上げ下げは0.25%だが、今回FRBが行った0.50%はアメリカでは異例です。今後のついて、6・7月それぞれ0.50%の利上げが織り込まれています。また、一部メンバーは9月0.50%利上げへの言及も聞かれます。急速に利上げを行う理由は、FRBがインフレ加速する中で金融引き締めが遅れたからです。
(29:57頃から)
実は、メキシコペソが一番安定しています。その理由として、アメリカより速いペースで利上げを行ったことが挙げられます。メキシコ中銀はほかの国より早く(21年6月)利上げを開始し、今年2月から0.50%利上げとFRBよりも利上げペースが加速していることが挙げられます。
(34:41頃から)
「どこまで円安が進むか」の問いに対しては「数値で予想するのが難しいのでわからない」と答えています。
ただし、「どういう状態なら円安が続くか」や「どうなったらこの流れが止まるか」はわかります。ドル/円の目処として、一応、当面は135円、長期は150円と見ています。
どんな相場も必ず終わりが来るので、そこをうまく捉えられるかが勝負です。戦争など特殊要因がなければ、現在の円安要因が変われば変化が来ると考えられます。たとえば、米国を始めとして各国のインフレ率が鈍化した時や、日本が金融引き締めに転じたときは、一つの目安になるでしょう。
今井雅人 氏
1962年生まれ、岐阜県下呂市出身。上智大学卒業後、1985年に三和銀行入行、1987年よりディーリングの世界に入る。1989年から5年間シカゴに赴任、その間多くの著名トレーダーと出会う。日本に戻ってからは為替部門に従事。2004年3月までUFJ銀行の為替部門の統括次長兼チーフディーラーを勤めていたが、同年4月に独立。内外の投資家にも太いパイプを持ち、業界を代表するトレーダーとして活躍するが、2009年8月第45回衆議院選挙に立候補し、初当選。現在は、経済アナリスト活動など多忙な毎日を送る。元東京外為市場委員会委員、東京フォレックスクラブ理事歴任。株式会社マットキャピタルマネージメント代表取締役。
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