と~っても忙しい人に、まんがでお届けするFX。
今回おさえておきたいネタはこれだ!
目次
為替介入って、誰が何のためにやるの?
なぜ、いま為替介入が意識されるの?
実は珍しい円買い介入
為替介入って、誰が何のためにやるの?
- 最近、「為替介入があるかも?」って話をよく聞きます!
- 先日も日米財務相会談で「為替介入について話し合われたとか、いないとか」話題になっていたのだ。
- ところで…為替介入って何のことでしょうか?ピザちゃんが知らない言葉なので何が起こるのか怖くて取引もままならないのです…
- それは外為どっとコム総研の小俣(おまた)さんに聞いてみるのだ~
- ベレーちゃん、ピザちゃんこんにちは。
- 小俣さん…か、為替介入ってどんなことをするのでしょうか?ピザちゃんは食べられちゃうのでしょうか?
- 為替介入(外国為替市場介入)は、正式には「外国為替平衡操作(がいこくかわせへいこうそうさ)」と言って、通貨当局が相場に影響を与えるために、通貨間の売買を行うことです。
- 通貨当局?相場に影響?ピザちゃん、ますます分からなくなってきました…
- 通貨当局というのは、日本だと日本銀行、アメリカはFRB(連邦準備理事会)、ヨーロッパではECB(欧州中央銀行)とかですね。
- それなら聞いたことがあります!
- 相場に影響を与えるためにというのは、日本なら円安や円高が一気に進みすぎてしまって、経済に悪影響を与えるのを防ぐために行ったりします。
- ということは…
- 日本の場合は、日銀が財務大臣の指示に基づき、急速に円安、円高が進んだときに、急激な変動を抑えるために実施するのだ!
なぜ、いま為替介入が意識されるの?
- 少しわかってきた気がします。
なぜ今、為替介入が意識されているのでしょうか? - 2020年以降、世界で新型コロナウイルスが流行して世界経済は大混乱となりました。そのため、各国は自国経済を支えるために、大規模な金融緩和を行いました。
- ピザちゃんもコロナが怖くて震え上がった記憶があります。
- その大規模緩和の甲斐もあって、経済の減速は止まりました。
そして、経済の回復期に入り、旺盛な資源需要により物価が上昇するようになったのです。 - 景気の回復が強まってきたから、2021年後半頃から金融緩和を終了する国や、さらにその先の金融引き締めを意識する国が出てきたのだ。
- 金融緩和で経済を回すために中央銀行が出したお金を回収することを考え始めたのです。
- 経済の減速が止まって、経済が回復しているんですよね?良いことではないのでしょうか…?
- ところが!主要国では日本だけが金融緩和を続けているのだ!
- 日銀は「日本経済はまだ回復途中で、金融緩和を続けたほうが良い」と判断したのです。
- しかも、黒田日銀総裁が「必要があれば、追加的な金融緩和措置を講じる」と発言したのだ。
- 日本だけ金融緩和を続けると何か良くないことがあるのですか?
- 金融緩和を続ける日本と金融引き締めを始めた主要国では、政策金利の差が徐々に開いていってしまいます。
そこが意識されるようになって、金利の安い日本円を売って金利の上がりそうな通貨に投資する取引が活発になったわけです。 - 金利差ということは、スワップポイントとかにも影響しますか?
- そうですね。FX取引においてスワップポイントに影響がありますね。みんなが金利が安い日本円を売って金利の高い外国の通貨を買えば、日本円の価値がどんどん下がってしまいますよね。
- そういえば最近、物の値段が上がっているというニュースをよく見ますが、この円安の影響があるのでしょうか?
- そうなのだ!急速に円安が進んで、しかもウクライナ情勢の悪化から原油価格などの資源価格が上がってしまったので、ガソリン価格などが飛躍的に上昇してしまい家計へのダメージが懸念されているのだ。
- 「悪い円安」とも言われていますね。
- あ、聞いたことあります!この前の「まんが!週刊FX」に書いてありました!
- だから日本政府が「これ以上円安が進んだら、為替介入をして円安を止めたい」と考え始めているのでは?という思惑に繋がったのだ。
- 為替介入をすると、為替相場はどんなことがおこるのでしょうか?
- 今回の場合は、もし為替介入が起きたとすると円安を止めたいはずなので「円買い介入」となるのだ。つまり「強制的に円安を止める」のだ。
- 円安の流れを止めることを目的に日銀は円買い介入をします。
市場参加者は中央銀行の動きに逆らっても勝てる可能性が低いので今まで持っていた円売りポジションを手仕舞いしたり、新たな流れに乗っていこうと円買いポジションを買ったりします。 - なら、為替介入が実施されたタイミングで円を買えば良いのですね!
- そんなに簡単なものではないのだ!
- 為替介入はあらかじめ実施する日時の公表はされないので、実施されるタイミングを予知するのは難しいのです。
また、介入をしたからと言って必ずしも狙い通りの効果が得られるとも限らないのです。 - では、ピザちゃんはいつあるかわからない為替介入にずっと怯えていないといけないのでしょうか…?
- そうとも言えないのだ!
- 為替介入をする水準が近くなってくると、財務大臣や日銀総裁と言った当局者の発言が変わってきます。例えば、それまで「介入についてはコメントしない」と言っていたのが、「あらゆる措置を排除しない」という具合に。
- わ、わかりやすいですね。
- 金融当局者も投資家を敵とみなしているわけではないので、ヒントをあたえてくれるのです。
- それならピザちゃんも安心して為替介入を待てますね。
- 為替介入は、そんなに簡単なことじゃないのだ。
- 為替介入をするということは…自国だけでなく、他の国の通貨にも影響を与えてしまいます。
例えば、円を買って、米ドルを売るとなれば、米ドルの価値が下がるということだから、相手国や他の国にも為替介入を行うことに対して理解をしてもらわないといけないのです。 - 自国の経済状況だけを改善しようとする為替介入はほかの国から理解してもらえないのだ。
- 確かにそうですね。ほかの国に理解してもらわないとなかなか為替介入は出来なさそうですね。
- 今まで以上に円安が進んで、資源価格が高止まりしていれば、もしかしたら円買い介入が実施されるかもしれないですよ。
- では、円安が進んでいる今は要人発言に注目ですね!
実は珍しい円買い介入
- 今回、為替介入が話題になっていますが、実は実施されるとかなり珍しい為替介入になるんですよ。
- 円買い介入なのだ!
- 円買い介入?
- 簡単に為替介入といっても
・円高を止める円売り介入と
・円安を止める円買い介入
2種類の介入があるのだ。 - 円安を止めて円高に誘導する円買い介入は1998年6月17日を最後にやっていないのです。
- なぜでしょうか?
- 日本は基本的には輸出国なので、自国通貨が安い方が輸出企業にとってプラスと考えられています。なので日本政府は円高よりも円安を好むんです。
- でも今回は円安を嫌がっているんですよね?
- 悪い円安…
- そうか!円安のほかにも資源価格が上がって、物価が上昇しているから、この円安の流れを止めたいんですね!
- ただ、為替介入を待つよりも、どんな種類の為替介入がどう為替相場に影響するか理解して、要人発言の変化を見ると良いのだ!
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