高金利通貨であるメキシコペソについて、中長期にわたり買いポジションを保有する視点で、現在を分析します。
執筆:外為どっとコム総合研究所 中村 勉
Twitter:@gaitamesk_naka
メキシコペソ/円 上昇・下落のパワーバランス
メキシコペソ/円をトレードするうえで重要となる経済指標やイベントを個別に点検します。
2021年7月以降の連続低下は5カ月連続でストップも、3%台後半の失業率はコロナ前の水準。次回発表は3月30日。
本日3月24日(25日朝4時)発表!
2021年6月以降6会合連続で合計2.00%の利上げを実施もインフレ率は高止まり。メキシコ中銀は高インフレ率抑制のために、更なる金融引き締めを示唆。市場では本日の会合で0.50%の利上げを予想している。
3月9日に発表されたメキシコの2月消費者物価指数は前年比+7.28%と前回(同+7.07%)若干減速したインフレ率は再加速となっている。ウクライナ情勢を巡る資源価格の高騰が原因。高インフレは利上げの可能性を高めるものの…
ロシアのウクライナ侵攻によって原油や穀物をはじめとしたコモディティ価格の上昇が止まらない。コモディティ価格の上昇はメキシコペソにとっては支援材料となる一方で、国内のインフレを加速させる可能性も秘めている。
メキシコのロペスオブラドール大統領が提出した2021年10月1日に電力再国有化に向けた憲法改正案について、下院エネルギー委員会で、本会議で採決にかけるための憲法改正の最終案が作成される見通しとなっている。この法案が可決されると米国との貿易関係にも影響を及ぼすため、引き続き警戒すべき点。
パワーバランス まとめ
メキシコ中銀政策金利を6.00%まで利上げしたが、インフレ率は中銀目標の遥か上。ウクライナ情勢の悪化による資源価格の高騰からメキシコ消費者物価指数は前年比+7.28%と前月(前年比+7.07%)から加速。本日のメキシコ中銀金融政策会合は0.50%利上げが予想されている。
メキシコペソ/円、いまが買いどき?
国内の高インフレからメキシコ中銀は利上げサイクルを継続している。国内経済の回復が進めば理想的な展開となる。本日予想通り0.50%の利上げが実施されると、材料出尽くしから一旦ペソ売りが入る可能性も考えられるが、対円では日銀が大規模緩和政策を維持していることからメキシコペソ円は下がったところでは買い場となりそうだ。
経済指標予定
24日 21:00 1月小売売上高
25日 04:00 メキシコ中銀政策金利発表
28日 21:00 2月貿易収支
30日 21:00 2月失業率
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当社取扱通貨のうち、いわゆる新興国通貨に分類されるトルコリラ・南アフリカランドおよびメキシコペソ(MXN)はインターバンク(銀行間為替市場)における流動性が主要国通貨に比べ相対的に低く、経済指標発表のみならず金融政策変更やその他政治的要因、さらには地政学的リスク等の要因による突発的な相場急変動が起こりやすい環境下にございます。また、こうした急変動時には実勢インターバンクレートのスプレッド(BidとAskの差)も平常時に比べ大幅に拡大する傾向にあり、その場合には当社でもやむなく提示スプレッドを一時的に拡大することがございます。あわせて、相場状況により「ダイレクトカバーの対象となる注文」の基準Lot数(最低数量)を一時的に変更する場合がございますので、あらかじめご承知おきくださいますようお願いいたします。これら新興国通貨のお取引、およびこれらを対象とするキャンペーンへのご参加に際しては、以上につきあらかじめご留意のうえ、ポジション保有時、特に法人会員様の高レバレッジ取引における口座管理には十分ご注意くださいますようお願い申し上げます。以上の新興国通貨それぞれのリスク、および直近時点でのリスクレポートにつきましては、こちらのページをご参照願います。
新興国通貨が高金利である理由について
新興国に分類される国々は概して政治リスクや財政リスクが先進国よりも高く、したがってその経済的信用度は相対的に低い水準にあります。こうした条件下では海外投資家の資金を呼び寄せられず、経済発展の支障となるため、金利を上げたり税金を安くしたりすることで、信用度の低さを補いうる投資環境を構築しようとします。そのため新興国通貨は一般に先進国通貨よりも高金利となる傾向にありますが、前述したように各種リスクが高い水準にあることから、長期的には先進国通貨に比べて価値が下がる(=通貨が下落する)条件を備えているともいえます。
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