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FX/為替予想「メキシコ中銀のタカ派的スタンスでペソは堅調に、一方で地政学的リスクによる新興国売りも」メキシコペソ/円 3月見通し YEN蔵

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▼メキシコはリセッション入り
▼物価上昇が加速
▼メキシコ中銀は予想通り利上げ
▼メキシコペソは堅調な流れが継続、しかし地政学的リスクにも注意が必要

メキシコはリセッション入り

1月31日に発表された2021年第4四半期のGDPは前期比0.1%減少し2四半期連続で経済が縮小しました。2四半期連続のマイナス成長でテクニカルリセッション入りとなりました。
農業など第1次産業が0.3%増加、製造業など第2次産業は0.4%増加、サービス産業など第3次産業は0.7%減少しました。
前年同期比では1.0%の増加となりました。
2月18日に発表された1月のGDP速報値は前月比0.1%減少、前年比で0.7%増加となりました。
OECD(経済開発協力機構)が21日の発表では、メキシコ経済は第3四半期までにコロナ感染拡大前の水準まで回復する予想を出しました。2022年のGDP予想を2.3%、23年のGDP予想を2.6%としました。輸出が米国の活発な経済活動の恩恵を受け、消費もワクチン接種率の上昇と労働市場の緩やかな改善によって伸びるだろうと分析しています。

物価上昇が加速

2月9日に発表された1月の消費者物価指数は前年比7.07%と12月の7.36%からは鈍化しましたが依然として高い水準です。変動の大きいエネルギーと食品を除くコアインフレ率は6.21%と12月の5.94%を上回りました。コアインフレ率が6%台に上昇するのは2001年9月以来です。
総合CPIの低下はコモディティ価格の下落の影響を受けています。

メキシコ中銀は予想通り利上げ

2月10日にメキシコ中銀は予想通り政策金利を0.50%引き上げて6.00%としました。ロドリゲス新総裁を含む4人が0.5%の利上げに賛成、1人が0.25%の利上げに賛成しました。利上げは6会合連続でしたが、新総裁もこの路線を継続する決定をしました。
声明ではインフレ圧力は予想以上に大きく長期化していると述べ、インフレ率が高止まりする中でFRBの利上げも開始されることで、メキシコ中銀はタカ派的なスタンスを維持し引き締めサイクルが続けることを予想します。一部には0.5%の利上げを3回行い政策金利を7.5%まで引き上げる予想が出ています。
引き締めサイクルを継続することでペソのサポート材料になるでしょう。

メキシコペソは堅調な流れが継続、しかし地政学的リスクにも注意が必要

ドルメキシコぺソは1月の20.28ペソまでドル安ペソ高になった後に20.91ペソまでペソ安となりました。21ペソ付近がレジスタンスになった後は下落し、一目均衡表の雲の下限が位置する20.70ペソ付近がレジスタンスとなり1月の安値20.28ペソを下抜けして20.1572ペソ付近までドル安ペソ高がすすみました。
しかし2月24日にロシア軍がウクライナに侵攻するとリスク回避のドル高で20.45ペソ付近までドル高ペソ安になっています。
一目均衡表の基準線の位置する20.55ペソ付近が短期的なレジスタンスと予想します。ここが抜けなければ2021年10月の安値20.11ペソ、節目の20ペソ付近への下落を予想します。一方で20.55ペソ付近を上抜けした場合は20.80ペソ付近への反発を予想します。
ペソ円は1月に5.693円まで上昇後に5.499円まで下落しましたが、その後は堅調に推移し5.706円まで上昇しました。しかし地政学的リスクで5.6円付近へ下落しています。
一目均衡表の基準線が位置する5.6円、雲の上限が位置する5.58円付近が短期的なサポートとなり、ここが維持できれば再度5.7円付近を試しに行く展開を予想します。
一方で5.58円付近を下抜けした場合は、1月の安値5.5円付近への下落を予想します。

MXN/JPY 日足

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新興国に分類される国々は概して政治リスクや財政リスクが先進国よりも高く、したがってその経済的信用度は相対的に低い水準にあります。こうした条件下では海外投資家の資金を呼び寄せられず、経済発展の支障となるため、金利を上げたり税金を安くしたりすることで、信用度の低さを補いうる投資環境を構築しようとします。そのため新興国通貨は一般に先進国通貨よりも高金利となる傾向にありますが、前述したように各種リスクが高い水準にあることから、長期的には先進国通貨に比べて価値が下がる(=通貨が下落する)条件を備えているともいえます。
YEN蔵
株式会社ADVANCE代表取締役 米系のシティバンク、英系のスタンダード・チャータード銀行で、20年以上にわたり、為替ディーラーとして活躍。現在は投資情報配信を主業務とする株式会社ADVANCE代表取締役。ドル、ユーロなどメジャー通貨のみならず、アジア通貨をはじめとするエマージング通貨でのディーリングについても造詣が深い。また、海外のトレーダー、ファンド関係者との親交も深い。ブログ「YEN蔵のFX投資術」、メルマガ「YEN蔵の市場便り」で個人投資家に対して為替に関する情報を発信しており、人気を博している。
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