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FX/為替見通し「『短期は有事、中長期は物価』がテーマ! 議長は0.5%利上げへのシグナル送るか ?」週刊為替レポート ハロンズ ドル/円 2022年02月26日

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目次

▼02月21日週のドル/円は乱高下
▼FRB議長の利上げ幅言及は0.5%へのシグナル?
▼ウクライナ情勢が引き続きリスク回避の火種に
▼ボリンジャーバンドの両端で逆張り
▼02/28週のイベント
▼一言コメント

執筆日時 2022年02月25日 15時00分

 『短期は有事、中長期は物価』がテーマ! 議長は0.5%利上げへのシグナル送るか ?

02月21日週のドル/円は乱高下

ウクライナの地政学リスクを嫌気して114.501円まで売りが先行しました。その後は、米景況感の改善を示唆する経済指標を受けた安堵感によるショートカバーから、一時115.243円まで反発したかと思えば、今度はロシア軍が首都キエフから北に130キロメートルあまり離れたチェルノブイリ原発跡地周辺に侵入したとのニュースに、114.410円まで急落。しかもそこでは終わらず、今度は月末関連フローで急速にドル高にふれて、115.691円レベルまで急反発するなど、東欧の政情不安と米物価動向に振り回され疲れる相場展開でした。

FRB議長の利上げ幅言及は0.5%へのシグナル?

来週は3月1日の米 2月ISM製造業景況指数を皮切りに、同2日のパウエルFRB議長の議会証言、同3日の2月ISM非製造業景況指数、同4日の雇用統計と重要イベントが続きます。米国の3月利上げが織り込まれるなかで、利上げ幅を巡ってはまだ流動的な部分が残っており、これらの指標結果や議長の発言内容からその幅を推測していく格好になりそうです。オミクロン株の影響が和らぎつつある中で、製造業・非製造業の景況感が持ち直してくる兆しが見られれば、米景気の過熱感が高まり引き締めスピードの加速を後押しする可能性はあるでしょう。
また、3月15-16日開催のFOMC前の最後の公共の場での発言となる、パウエルFRB議長の議会証言も注意したいです。慎重な議長ですので利上げ幅への言及は極力控えると考えますが、市場への何らかしらのメッセージを送る危険もあり注意は怠れません。ロシア軍によるウクライナ侵攻が始まった矢先の不安定な時期に、あえて利上げ幅に言及するのですからそれは恐らく0.5%利上げへの言質と受け止められそうです。裏を返せば、0.5%の利上げへのヒントがなければ、それは3月0.25%利上げへ実施の期待を高めると言えるでしょう。

ウクライナ情勢が引き続きリスク回避の火種に

とはいえ、目先はウクライナのロシア侵攻がどのように発展していくかが最大の焦点です。戦火が拡大するのかどうかは分かりませんが、ロシアへの経済制裁が世界的に強化されるのは間違いなく、世界経済へのインパクトも相応にあると考えます。市場では今回のウクライナ侵攻で、ECBとBOEのタカ派化が後退するのではとの見方も出ています。それだけならまだしも、米大手行は3月の米利上げ幅予想を0.5%から0.25%へ引き下げるなど、今回の有事の影響が各方面に波及しそうでドル/円の見通しは単純にはいかないでしょう。市場のテーマは『短期は有事、中長期は物価動向』といったところでしょうか。もっとも、リスク回避のときはドル高・円高でドル円の下値が限られやすく、逆なら円安・ドル安で上値が抑えられやすい構図に変化はなく、ドル円は限られたレンジで不安定な値動きが続きそうです。

ボリンジャーバンドの両端で逆張り

21日移動平均線が横ばいで明確なトレンドは出ていません。ボリンジャーバンド(BB)も、収束期に入っており、ボックス相場が続きそうな雰囲気です。BBプラス3σが116.304円付近(執筆時点)にあるため、115.80円付近からは戻り売りが被さってきそうです。かたや、下方向は2月2日安値(114.174円)やテクニカルな節目の114.00円アラウンドでは押し目買いが入りそうで、114円半ば以下のレベルは下支えされそうです。

【ドル円チャート 日足(上)、6/9日RCI(順位相関指数、下)】

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ドル/円(USD/JPY)チャート 日足

出所:外為どっとコム「外貨ネクストネオ」
予想レンジ:
USD/JPY:113.80-116.30

02/28週のイベント:

02/28 (月) 08:50 日本 1月 鉱工業生産・速報値
03/01 (火) 24:00 米国 2月 ISM製造業景況指数
03/02 (水) - OPECプラス、閣僚会合
03/02 (水) 08:50 日本 10-12月期 四半期法人企業統計調査・ソフトウェア含む全産業設備投資額
03/02 (水) 22:15 米国 2月 ADP雇用統計(前月比)
03/02 (水) 24:00 米国 パウエルFRB議長、議会証言
03/02 (水) 28:00 米国 米地区連銀経済報告(ベージュブック)
03/03 (木) 22:30 米国 新規失業保険申請件数
03/03 (木) 24:00 米国 パウエルFRB議長、議会証言
03/03 (木) 24:00 米国 2月 ISM非製造業景況指数(総合)
03/04 (金) - 中国 北京パラリンピック、開幕
03/04 (金) 08:30 日本 1月失業率
03/04 (金) 08:30 日本 1月 有効求人倍率
03/04 (金) 22:30 米国 2月 非農業部門雇用者数変化
03/04 (金) 22:30 米国 2月 失業率
03/04 (金) 22:30 米国 2月 平均時給

(執筆:小野 直人)

一言コメント:

3月4日からパラアスリートの祭典が北京で開幕します。さすがにロシアも中国のメンツをつぶしてまで、強引に戦火を拡大させるようなまねはしないだろうと思いたいのですが・・・。少しはのんびりとテレビを見させてください。

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