目次
▼今週の振り返り
▼ウクライナ情勢は引き続き警戒も…
▼RBA理事会は無風？
▼テクニカル的には…
▼2/28 週のイベント
▼一言コメント
豪ドルを支える資源価格。対円以外では弱含む？
今週の振り返り
前週金曜日に米ロ外相会談の開催が決まったことに続き、月曜日にはフランスのマクロン大統領の介入を経てバイデン米大統領とプーチン露大統領の首脳会談がロシアが侵攻しなければとの条件付きで開催されると発表されました。これにより緊張緩和への期待が膨らみましたが、後にロシア側が「まだ具体的な計画はない」とのコメントを発表したことや、ウクライナ東部の親露派が実効支配する2地区の独立を承認したこと、それに対する欧米諸国の対露制裁の決定が市場のリスク心理を冷やすこととなりました。そして24日についにロシアがウクライナへの侵攻を開始したことで市場は全面的にリスクオフとなりました、24日NY時間には各国の制裁も出そろい材料出尽くし感からリスク回避の姿勢も長続きはしませんでした。豪ドル円は82円台半ばで週初を迎え、NZ準備銀行（RBNZ）の利上げとタカ派的な姿勢に対してNZドルが買われた影響に連れて83.84円まで上値を伸ばしました。ただ24日のリスクオフの局面では82.01円まで大きく値を下げ、83.00円付近まで買い戻されました。
ウクライナ情勢は引き続き警戒も…
ウクライナを情勢には引き続き警戒が必要です。ただ、ロシアが侵攻をエスカレートさせる、NATO軍との戦争が勃発するなどと状況が大きく悪化しない限りは、リスク要因として意識はされますが豪ドル売りの材料にはならなそうです。一方で、ロシアからの欧州への天然ガス供給が停止する懸念や、原油ひっ迫懸念（ロシアは世界2位の石油輸出国）によるエネルギー価格の上昇、ロシアはプラチナやニッケルなどの鉱物の産出、小麦やトウモロコシと言った穀物の生産・輸出量でも世界有数となっているため、一連のコモディティ価格も上昇しています。コモディティ価格の上昇は豪ドルの支えとなるほか、ロシア、ウクライナからは距離も離れているため豪ドルは嗜好されやすそうです。
RBA理事会は無風？
3月1日（火）には豪準備銀行（RBA）金融政策会合が予定されています。前回（2月1日）の会合では政策金利を0.10%据え置き、週40億豪ドルの債券購入プログラムについては予定通り2月半ば（2月10日の買い入れを最後）に終了することを決定しました。そしてその債券購入プログラムで購入した債券の償還に伴う再投資については5月に決定することになりました。
23日に発表されました豪2021年10-12月期四半期賃金指数で賃金上昇が前年比+3%を超えてくれば、RBAも少しはタカ派に傾き始めるかな。と微かに期待していたのですが、結果は前年比+2.3%（前回:同+2.2%）とわずかな伸びに止まりました。ロウRBA総裁も利上げの判断には「あと2回は四半期消費者物価指数（CPI）の結果を見たい」と発言していますので、利上げの可能性はほぼないと考えてよいでしょう。
他方で、隣国のニュージーランド準備銀行（RBNZ）が23日に0.25%利上げを行い、更に利上げ幅が0.50%になる可能性があったことを公表。オアRBNZ総裁は25日に「インフレ圧力に迅速に対応し早期に金利を引き上げることで、将来の金利上昇を防ぐことが出来る」と発言しています。金融政策の面から見るとオセアニア通貨同士ではNZドルが強くなりそうです。
テクニカル的には
10日の高値83.984円が引き続き上値目途として意識されます。下値は81.500円付近に14日安値（81.548円）、日足雲下限（81.539円）とサポートが多いです。この水準を明確に下抜けると1月28日安値の80.360円や節目となる80.00円を目指す動きとなりそうです。
【豪ドル/円 日足チャート 一目均衡表と200MA】
予想レンジ：
AUD/JPY：81.00-84.00、NZD/JPY：75.50-78.50
2/28 週のイベント:
02/28 (月) 09:00 NZ 2月ANZ企業信頼感
02/28 (月) 09:30 豪 1月小売売上高(前月比)
03/01 (火) 09:30 豪 10-12月期経常収支
03/01 (火) 10:00 中国 2月製造業購買担当者景気指数（PMI）
03/01 (火) 10:45 中国 2月Caixin製造業購買担当者景気指数（PMI）
03/01 (火) 12:30 豪 豪準備銀行（中央銀行）、政策金利発表
03/02 (水) 06:45 NZ 1月住宅建設許可件数(前月比)
03/02 (水) 09:30 豪 10-12月期四半期国内総生産（GDP）(前年同期比)
03/03 (木) 09:30 豪 1月住宅建設許可件数 (前月比)
03/03 (木) 09:30 豪 1月貿易収支
03/03 (木) 10:45 中国 2月Caixinサービス部門購買担当者景気指数（PMI）
執筆：中村 勉
Twitter:@gaitamesk_naka
一言コメント：
少しずつですが、昼間の気温が暖かく感じる日が増えてきた気がします。弊社のすぐ近くに芝消防署があり、ここは結構大きく消防車や救急車など10台近く（もっと？）配備してあります。お昼頃近くを通ったところ近所の保育園の子供たちがお散歩がてら消防署をのぞき見していました。こういったほっこりとした何気ない瞬間を見ると心も穏やかになりますね。
本サイトに掲載する情報には充分に注意を払っていますが、その内容について保証するものではありません。また本サービスは、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであって、投資勧誘を目的として提供するものではありません。投資方針や時期選択等の最終決定はご自身で判断されますようお願いいたします。なお、本サービスの閲覧によって生じたいかなる損害につきましても、株式会社外為どっとコムは一切の責任を負いかねますことをご了承ください。
