総括
FX「今週は利上げか。年初来通貨は最強、株も強い」南アランド見通し
通貨首位、株価4位
予想レンジ 南アランド円 6.5-7.5
(ポイント)
*今週は政策金利の引き上げの予想が強い
*年初来、ランドは最強通貨。株価指数も強い
*南ア産出の資源価格が高い
*オミクロン株感染のピークは過ぎたとされている
*今週は12月生産者物価の発表もある
*懸念は電力不足、与党の支持率低下、ズマ前大統領の汚職裁判に反発が起きていること、土地収用問題など
*経常・貿易黒字は維持している
*成長率見通しは21年が5.2%、22年が2.0%程度と弱い
*中国景気指標に左右される南ア経済である
(オミクロン株を抑え込み、ランドは年初来最強通貨)
年初来通貨は最強、株価も下落する市場が多い中で南ア全株指数は3.35%高と堅調だ。オミクロン株を最初に発見し南アだが、更なる感染抑制策を取ることなく、感染を抑えこんでいる。経済活動が元に戻る期待がある。また今年は昨年と違って、南ア産出の金、銀、白金、パラジウムなどが堅調スタートでそれも南アランドを支えている。
(政策金利引き上げか、1月27日)
1月27日の政策金利決定会合での追加利上げ観測が高まってきた。12月の消費者物価上昇率は前年比5.9%と、11月の5.5%から予想以上に加速した。インフレターゲットの上限6%に近づいた。インフレ抑制のため、政策金利を0.25%引き上げ4.0%にすると予想されている。12月は燃料のほか、食肉などの食料品が値上がりした。食品、非アルコール飲料、燃料、エネルギーを除くコアインフレ率は前年比3.4%上昇。気がかりなのは2022年の成長率見通しが2%と低いことで、利上げに耐えられるかどうかである。また去年同様に、電力不足、与党支持率の低下、政治への不満から暴動が続くことは注意したい。
(2022年の政策金利予想と成長見通し)
1/27に0.25%利上げ、2022年は各四半期で0.25%利上げ予想、年末には4.75%へ
今後3年の成長率はそれぞれ2%。
インフレは22年は4.8%、23年は4.5%と予想されている
(南ア企業にとって最大のリスクと懸念、2022年)
・重要なインフラストラクチャの停電
・政治的リスクと暴力
・パンデミックアウトブレイク
・気候変動
・熟練労働力の不足
・サイバー攻撃
南ア企業にとって、政治的リスク、暴力、重大なインフラストラクチャの停電に対する懸念が高まっている。政治的リスクと暴力は、2021年6月にクワズールナタールとハウテンの一部を襲った市民の騒動、抗議、暴動によって引き起こされた身体的損傷、事業の中断、略奪、破壊行為による大きな損失があった。
重要なインフラストラクチャの停電は、企業が停電がビジネスと経済に与える影響を懸念している。
最近のランサムウェア攻撃が急増し最大のサイバー脅威とされている。最近の攻撃では、システムの暗号化とデータ侵害を組み合わせた「二重恐喝」戦術などの懸念される傾向が示されている。
テクニカル分析(ランド/円)
ボリバン2σ上限、雲の上へ
日足、ボリバン中位から反発し2σ上限へ。1月20日-21日の上昇ラインがサポート。1月20日-21日の下降ラインが上値抵抗。5日線上向き。雲の上に出る。
週足、ボリバン中位越える。1月10日週-17日週の上昇ラインがサポート。10月18日週-1月17日週の下降ラインが上値抵抗。雲中。
月足、10月の長い上ヒゲから弱いがボリバン中位で反発。21年11月-12月の下降ラインが上値抵抗だが上抜く。11月-12月の上昇ラインがサポート。21年6月-10月の下降ラインが上値抵抗。
年足、21年はかろうじて陽線。22年も陽線スタート。18年-21年の下降ラインが上値抵抗。20年-21年の上昇ラインがサポート。
喜望峰
南ア産出の資源価格が堅調推移
2021年は原油高であったが、南ア産出の資源価格は下落した。
2022年は年初から、南ア産の金、銀、白金、パラジウム価格が上昇しこれも
通貨ランドを支えている。
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