ドル/円:上値余地が限られる展開。戻り売り方針継続。113円割れの越週で一段のドル下落へ。112円割れの越週で中期トレンドの変化に注意。
直近の日足は前日足から下寄りした位置に値幅の小さい陰線が出て小幅続落となった。下げエネルギーの強いものではなく、また、113.50-60の日足の抵抗を守って終えており、これを守り切れば小反発が期待できるが、短期トレンドが弱い状態にあることから、反発余地もまだ限られ易く、戻りは再び売り場となろう。115円台に実体を戻せば下値リスクが若干後退するが、短期トレンドは115.50超えで終えない限り変化しない。またこの場合でも115.70超えで越週するか116.20超えで終えない限り“ドル強気”の流れに変化しない。日足の上値抵抗は、114.10-20,114.50-60,115.20-30に、下値抵抗は113.50-60,113.00-10,112.50-60にある。113円台を割り込んで終えた場合は112.50-60以下の中期的な下値抵抗の強さを確認する動きへ。21日移動平均線は114.90に位置しており、この下に入り込んで短期トレンドは“ドル弱気”の流れにあるが、120日、200日線は112.68と111.47にあり、中期トレンドをサポートしている。 一方直近の週足は、上ヒゲがやや長く、実体の小さい陰線引けとなった。値幅の大きいものではなく、また、113.50-60の週足の横サポートを守って越週しているが、昨年12月に付けた112.53を直近安値として下値を切り上げて来た短期的なサポートラインを下抜けており、下値リスクがより高い状態に変わりない。日足が113円割れで終えるか、113.50-60の抵抗を下抜けて越週した場合は下値余地がさらに拡がり易くなる。この場合でも昨年1月に付けた102.59を基点とする中期的なサポートラインの下値抵抗が112.00-10に位置しており、これが強い下値抵抗として働く可能性が高い。但し、可能性がまだ低いと見るが、112円台を維持できずに越週した場合は、中期トレンドが変化する可能性が高くなり、新たなドルの下落リスクに注意が必要となる。逆に115円台を回復して越週した場合は下値リスクがやや後退、115.60-70の抵抗を実体ベースで上抜けて越週した場合は“ドル強気”の流れに戻して一段の上昇に繋がり易くなる。今週の週足ベースで見た上値抵抗は114.50-60,115.00-10,115.60-70に、下値抵抗は、113.50-60,113.00-10,112.00-10にある。31週、62週移動平均線は112.07と109.47に位置しており、中期トレンドは“ドル強気”の流れを変えていない。 今週の戦略は、ドル買いは今週いっぱい様子見か、113.10-20まで引きつけて軽く押し目買い。損切りは112.80で浅めに撤退。ドル売りは114.10-20の浅い戻りを売って114.60で一旦撤退するか、114.40-50の戻りを待って売り狙い。この場合の損切りは115.10で撤退としたい。 上値は、113.90-00に軽い抵抗が、114.10-20,114.50-60,114.80-90に強い抵抗ができており、反発余地が限られる展開が予想されるが、115.00-10の抵抗を実体ベースで上抜けて終えた場合は、日足の形状が改善して下値リスクがやや後退、115.20-30,115.50-60の抵抗をクリアして終えた場合は短期トレンドを“ニュートラル”な状態に戻して上値トライの動きが若干強まり易くなる。さらに115.70超えで越週するか、日足が116.20超えで終えた場合は“ドル強気”の流れに変化して一段のドル上昇に繋がり易くなる。下値は、113.50-60に日足、週足の抵抗があるが、これを下抜けた場合は113.00-10にある一段と強い抵抗をトライする動きへ。日足が113円台を維持できずに終えた場合は新たな下落リスクが生じて、112.50-60,112.20-30,112.00±10銭にある中期的な下値抵抗をどこまで切り崩せるかトライする動きへ。112円割れで越週するか、値動きの中で111円割れを見た場合は中期トレンドにも変化が生じて一段のドル下落に繋がり易くなる。
ドル/円【日足】期間:2021/05/20~2022/01/21(移動平均線は21、120、200日、以下日足は同様)
ドル/円【週足】期間:2018/12/07~2022/01/21(移動平均線は31、62週、以下週足は同様)
ユーロ/円:短期トレンドは“ニュートラルから若干ユーロ弱気”128円台の強い下値抵抗にも注意。127.50割れで越週するか、127円割れを見た場合は新たな下落リスクが点灯。
直近の日足は前日足から若干下寄りのスタートとなったが、128.50-60の下値抵抗に跳ね返されて寄り付き水準に戻して引けている。下値トライに失敗した反動で週初は反発余地を探る動きが期待できるが、下値リスクがより高い状態にあるので、買いは飛びつかず、様子見か引き付ける必要がある。短期トレンドは131円台に実体を戻せば“ニュートラル”な状態に変化するが、131.50超えで終えない限り、“ユーロ強気”に変化しない。現状はユーロが対ドルで“ユーロやや強気”の流れにあるため、ユーロ/円も急落に繋がり難いと見るが、ユーロが対ドルで1.1250を割り込んで終えた場合や、ユーロ/円が値動きの中で127.00割れを見た場合は、新たな下落リスクが生じて一段のユーロ下落に繋がり易くなる。この場合は中期トレンドの変化も確定的となる。日足の上値抵抗は、129.10-20,129.70-80,130.40-50に、下値抵抗は128.50-60,128.00±10銭、127.50-60,127.00-10にある。21日、120日、200日移動平均線は、130.38,129.88,130.56に位置しており、全てを下抜けて、短期トレンドは“ユーロ弱気”の流れにある。 一方直近の週足は陰線引けとなり、上値を切り下げている。この足の上ヒゲがやや長く、上値トライに失敗した形となったことや、129.50-60の抵抗を実体ベースで下抜けており、短期トレンドは下値リスクが高くなっているが、一方で、128.40-50,127.60-70に週足ベースで見た強い抵抗が控えており、全てを下抜けて越週するか、127円割れを見ない限り、下値余地もまだ拡がり難く、突っ込み売りにも注意する必要がある。但し、昨年6月に付けた134.13を基点とし、次の戻り高値は10月の133.48,その次の戻り高値は今年1月の131.60と、徐々に上値を切り下げており、週足の形状も悪化していることから、反発に転じた場合でも急伸にも繋がり難いと見られる。今週の週足ベースで見た上値抵抗は129.40-50,130.30-40,131.00-10に、下値抵抗は前述の128.40-50,127.50-60,126.40-50にある。31週、62週移動平均線は129.98と129.42に位置しており、直近の週足がこれを下抜け始めており、下値リスクが点灯中。さらに、31週移動平均線が62週線に接近しており、“デッドクロス”する可能性にも注意する必要がありそうだ。 今週の戦略は、ユーロ買いは今週いっぱい様子見か127.50-60の押し目があれば買い狙い。損切りは新たな下落リスクが点灯する126.90に置く必要がある。ユーロ売りは129.40-50で戻り売り。損切りは130.30で一旦撤退としたい。 上値は、129.10-20に軽い抵抗が、129.40-50,129.70-80,130.00-10,130.40-50に強い抵抗ができており、全てをクリアするには力不足と見るが、131.00-10の抵抗をクリアできれば“ニュートラル”な状態に変化する。この場合でも131.50超えで終えない限り、“ユーロ強気”に変化しない。下値は128.60-70,128.40-50,128.00±10銭に強い抵抗が控えており、上下動を繰り返す可能性も高いと見るが、127.50-60の抵抗を下抜けて終えた場合は新たな下落リスクが点灯、127.00割れを見た場合は、中期トレンドも変化して124~125円方向への一段のユーロ下落に繋がり易くなる。(川合 美智子)
ユーロ/円【日足】期間:2022/07/06~2022/01/21(移動平均線は21、120、200日) ユーロ/円【週足】
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