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FX「米国は相次ぐ弱い経済指標と膨大な貿易赤字で3回も4回も利上げすると弊害が出る」

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総括

FX「米国は相次ぐ弱い経済指標と膨大な貿易赤字で3回も4回も利上げすると弊害が出る」

ドル円=112-117、ユーロ円=128-133 、ユーロドル=1.12-1.17

通貨ごとの注目ポイント

*円「通貨4位(8位)、株価12位(12位)、米国市場の現金化と日本の輸出回復見込みで円高場面が今後もあるだろう」
 2021年は12通貨中11位であった円が先週末で年初来4位に浮上している。一方、日経平均は弱く、年初来2.32%安。米株売り、米債売り、ドル売りが円買いとなっているが、日本株は買われていない。今年は米国から流出した資金が欧州や新興国に流れると言われているが、その兆しは為替にも株にもある。米国からお金が出る理由は、次項の米ドルにまとめてみた。また日本の経済指標は改善しておりそれも円買いに繋がったかもしれない。景気ウオッチャー調査現状判断DIが05年12月以来の高水準に、景気判断、全9地域で引き上げ=日銀地域経済報告、東海地域生産・輸出、自動車が増加基調=日銀名古屋、11月の景気動向指数、2カ月連続上昇 車生産が回復、11月鉱工業生産=前月比7.2%上昇などだ。今週の日銀政策委員会でも「物価見通し プラス1%台に引き上げる方向」と予想されている。現在は、まだ貿易収支は赤字である。半導体不足で自動車生産・輸出が伸びない、一方、原油高、ワクチン購入で輸入が増え貿易赤字となっている。ただ今後、供給問題が改善すれば輸出が伸び貿易黒字となる可能性も出てくる、輸出業者の担当なら、ドルを少し多く売っておこうとも思う。ドル売りが先行して円高となるというシナリオも出てくる。先週はドル下げに一服感が出たが、今後も米国金融商品の現金化と、日本の輸出回復で円高場面も増えるのではないか。今年の日本は数少ないが2021年より成長見通しが高い国の一つだ。

*米ドル「通貨6位(5位)、株価(NYダウ)9位(8位)、相次ぐ弱い経済指標と膨大な貿易赤字で3回も4回も利上げすると弊害が出る」
 今年は昨年とは様変わりで円やユーロより弱い。ダウ、ナスダックともに下落し、米国債売りも出たので、それがドル売りに繋がった。対円、対ドルでそれぞれボリバン上限から下限、下限から上限へドルが弱くなり、ボリバン上限で下落を一服させた。日足でのドル安は一服したが、週足、月足はまだドル安反転の兆しはない。対円で115円後半から厚かったドル売りが降りて来れば、またドル売りを加速させよう。
 さて今年は日本などの少数国を除いて21年より成長率が低下する。米国の最近の指標では12月雇用統計は雇用者が減少したものの賃金が上昇しどっちつかずであったが、その後は弱い指標や供給問題が緩和する指標が続いた。ISM製造業・非製造業、鉱工業生産、ミシガン大消費者態度指数、小売売上などだ。また貿易収支は2021年は8000億ドルを超える大幅赤字となりそうだ。いくらインフレが高いといえども、経済指標の悪化の中で3回も4回も利上げして良いのだろうか。それでドルが上昇して製造業者は耐えられるのか。もともと高インフレは供給問題やコロナ感染の人手不足で旺盛な需要によるものではない。利上げで供給問題が解決するとは思えない。その歪みは株売りや債券売りに繋がるのではないだろうか。世界一強靭な米経済は何度も利上げをしても耐えられるのだろうか。弊害が出るのでは。株安、債券売り、ドル安の場面も今年は多くなるだろう。

*ユーロ「通貨6位(6位)、株価7位(4位)DAX)、遅ればせながらインフレ懸念。引き締め観測の中、貿易赤字で緩む」
 今年は円より弱いがドルより強い。去年よりやや強いスタート。テクニカルでは対円、対ドルでもボリバン2σ下限から対円で2σ上限、対ドルで3σ上限まで上昇し、先週末は小緩んでいる。昨年12月のユーロ圏の消費者物価は前年比で5%上昇と過去最高となった。ラガルドECB総裁は、ユーロ圏のインフレ率は年内に過去最高水準から低下するとした上で、ECBはインフレ率を2%目標まで低下させるために必要なあらゆる措置を講じる用意があると述べた。またデギンドスECB副総裁は、ユーロ圏のインフレ高進は従来考えていたような一時的なものでなく、今年のインフレ率は予想を上回るリスクがあるとの認識を示した。
ただECBは一時的な物価押し上げ圧力がいずれ緩和し、政策引き締めをしなくても2023年、24年には目標の2%を下回ると予想している。デギンドス副総裁は、ここ数週間にエネルギー価格が上昇したものの、インフレ見通しを根本的に変えることはないと述べた。欧州で猛威を振るう新型コロナウイルスのオミクロン株についても、現段階で成長見通しを大きく変えることはないとの認識を示し、欧州諸国はすでにパンデミック下の生活に適応していると指摘した。
 ユーロ圏の11月貿易収支は15億ユーロの赤字となった。2014年1月以来の赤字となった。主に鉱物燃料、潤滑油で32%増加して過去最高を記録した。輸出は14.4%の増加した。

*ポンド「通貨2位(3位)、株価3位(3位)、突破力でまずまずのスタート」
 2022年は好スタート。ポンドは12通貨中3位で0.36%高、FT株価指数は3位で2.15%高。米債、米株から流れた資金が欧州へも資源国へも流れ英国はその恩恵を受けている。コロナ感染対策も金融政策も突破力を発揮している。11月のGDPは前月比0.9%増と予想を上回った。英経済は最初にロックダウン入りする前の水準を超えた。2020年2月の水準を0.7%上回った。スナク財務相は「11月に経済規模がパンデミック前の水準に戻ったことは驚くべきことであり、英国国民の気概と意志の強さの証しだ」と述べた。ただ、12月には新型コロナウイルスのオミクロン変異株が欧州を襲ったため、打撃を受けたと見られる。多くの企業が深刻な人員不足を報告し、消費者が依然として外出に不安を抱く中、1月も景気の勢いが失われる見込みだ。
一方、保健当局者は英国でのオミクロン株感染拡大の波はピークに達したと考えており、経済への打撃は長続きしない可能性が高く、英中銀は今年も利上げを継続できそうだ。ワクチン接種済みの英国からの海外への旅行者は帰国時には検査不要となった。
 さて英首相官邸が新型コロナウイルス禍の複数のパーティー開催疑惑で集中砲火を浴びる中、新たに昨年4月、エリザベス女王の夫フィリップ殿下の葬儀前夜にも官邸で2件のパーティーが開かれていたことが明らかになった。官邸は、王室に謝罪したが、相次ぐコロナ規制違反の飲み会に、与党からもジョンソン首相への辞任要求が出始めた。首相支持率は就任以来最低の20%を記録。不祥事は底無しの様相を呈している。メディアでは早くも後継者にスナク財務相やトラス外相の名前が取り沙汰されており、首相は崖っぷちに立たされている。ただ英国の首相交代や政権交代は経済には大きな影響は与えないだろう。政策に大きな差異はない。今週は消費者物価に注目したい。

*豪ドル「通貨11位(11位)、株価10位(6位)、冴えない。コロナ感染が欧米並みに急増。景気減速に繋がるか」
 冴えないスタートとなっている。新型コロナウィルス感染については、NZとともにゼロコロナ政策をとっていたが、昨年終盤からウィッズコロナ政策に変換し、感染者が欧米並みに急増している。
1月10日で新型コロナウイルスの感染者が累計100万人を突破した。このうち半分は過去1週間に確認された。オミクロン変異株の感染が各地で広がり入院患者が増加、サプライチェーに制約がかかっている。
新型コロナのパンデミック初期には、厳しいロックダウンと国境管理によってウイルスの封じ込めに成功していたが、ワクチン接種が進んだことからウイルスと共存する政策に転換。記録的な感染状況に直面している。入院者数の増加で一部の規制が再導入されたほか、人手不足が生じ、ビジネスには影響が及んでいる。
 11月の小売売上高は前月比7.3%増加し、予想の3.9%増を大きく上回わり売上高は過去最高の334億豪ドルとなった。ただ新型コロナウイルスのオミクロン変異株が今後小売セクターの圧迫要因となる可能性がある。1月第1週の銀行カードの支出はデルタ株対策のロックダウン以降で最低の水準に落ち込み、シドニーとメルボルンで特に落ち込みが目立った。また11月の貿易統計は、黒字額が94億豪ドルに縮小した。11月の輸出は2%増加。一方、輸入は消費・資本財の急増で6%増加した。需給面でも豪ドル買いが縮小する。
 新年は米利上げ見通しが強まったことで米債売り、米株売りが進み新興国へ資金が流れ出しているが、今のところ豪には向かわず南アやメキシコへ向かっているようだ。オミクロン感染が景気後退に繋がり
2月の政策決定会合で、債券購入プログラムの買い入れを週20億豪ドルと半分のペースに落とし、政策金利を2023年初めに引き上げ始めるというシナリオに狂いが生じるか注目したい。今週は12月雇用統計の発表がある。

*NZドル「通貨10位(10位)、株価10位(9位)、豪中経済冴えずNZも影響を受ける」
 通貨、株価ともに冴えないスタート。頼みの綱の中国経済の減速、豪のコロナ感染者拡大が重しとなっている。ウィッズコロナ政策で感染者が急増した豪経済も苦しんでいるが、ゼロコロナ政策を採用しているNZもその抑制策故に経済が伸びない。政府は2022年1月から実施予定だった入国規制の段階的緩和を2月末まで延期すると発表した。海外でオミクロン株感染が拡大していることから、2月末まで延期することになった。また、水際対策を強化するため、入国時の要件である出発前72時間以内の陰性証明を48時間以内に短縮し、政府指定施設での隔離期間を現在の7日間から10日間に延長するとした。
 さてNZ中銀の昨年後半の2回の利上げにもかかわらず、インフレが前年比4.9%高いままとなっている。現地紙にエピソードがあった。海外からの熟練技術者が望めない農業、水産業、林業の業界では、求人件数が76パーセントも増加している。同時に、これらの仕事に就いた学生の収入は、前年度と比較して約2倍となっている。前年の600人と比較して、今年度は1000人以上の学生が、農牧、果樹栽培、水産業、林業の仕事をしている。経営者も学生を雇うために、柔軟な勤務時間、ボーナス、エンターテインメント、宿泊施設、交通費の補助などを提供し、人員の確保に余念がなくこれが価格の高騰に繋がっている。

テクニカル分析

*ドル円「ボリバン2σ下限から反発。5日線は20日線を下抜く。6週ぶり陰線」
日足、ボリバン3σ上限から2σ下限まで下落。ただ1月14日は長い下ヒゲで反発。1月13日-14日の下降ラインが上値抵抗。12月3日-1月14日の上昇ラインがサポート。雲の上維持。下向きの5日線が20日線を下抜く。
週足、6週ぶり陰線。1月3日週の長い上ヒゲ効く。1月3日週-10日週の下降ラインが上値抵抗。11月29日週-1月10日週の上昇ラインがサポート。雲の上。ボリバン上位。
月足、ボリバン2σ上限から下落。10月-12月の上昇ラインがサポート。雲の上。
年足、2021年は6年ぶり陽線。2022年は陰線スタート。15年-20年の下降ラインを上抜く。20年-21年の上昇ラインがサポート。15年-21年の下降ラインを上抜く。

*ユーロドル「ボリバン3σ上限まで上昇し反落。雲上維持できず。1.1480でダブルトップ」
日足、一時雲の上に出るが維持できず雲中へ。ボリバン3σ下限からも反落。1月11日-14日の上昇ラインがサポート。1.1480でダブルトップ。5日線上向き。
週足、切れ上がってきたがボリバン中位から反落。1月3日週-10日週の上昇ラインがサポート。2週連続陽線後は下ヒゲの長い足で底堅さを示す。11月8日週-1月10日週の下降ラインが上値抵抗。
月足、12月は5か月ぶり陽線も雲の下。今月も陽線スタート。11月-12月の上昇ラインがサポート。10月-11月の下降ラインが上値抵抗。
年足、18年-19年の下降ラインを上抜く。20年‐21年の上昇ラインを下抜いているが22年は陽線スタート。17年-21年の上昇ラインがサポート。14年‐21年の下降ラインが上値抵抗。

*ユーロ円「ボリバン上位から小緩む。5日線下向く」
日足、ボリバン2σ上限から反落、一時中位を下抜く。12月20日-1月14日の上昇ラインがサポート。1月13日-14日の下降ラインが上値抵抗。雲の上限。5日線下向く、20日線上向き。
週足、4週ぶり陰線。一時雲上へ出るも再び雲中へ。12月27日週-1月10日週の上昇ラインがサポート。1月3日週-10日週の下降ラインが上値抵抗。ボリバン上位。5週平均線が上向き20週平均線を上抜く。
月足、11月の大陰線を12月は大部分取り戻す。1月も上昇スタートも陰転。ボリバン中位から反発。21年6月-10月の下降ラインが上値抵抗。20年5月-21年12月の上昇ラインがサポート。
年足、2年連続陽線。20年-21年の上昇ラインを下抜く。14年-21年の下降ラインが上値抵抗。12年-20年の上昇ラインがサポート。

情報提供元:FX湘南投資グループ
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