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FX「米金利上昇でもドルが上がらない10月。円は全般的には安い。米中緊張で市場も緊張」

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総括


FX「米金利上昇でもドルが上がらない10月。円は全般的には安い。米中緊張で市場も緊張」


ドル円=111-116、ユーロ円130-135 、ユーロドル=1.14-1.19

通貨ごとの注目ポイント


*円「通貨11位(11位)、株価11位(13位)、円安は秋の季節的要因と外貨投信増加から。懸念は米中緊張、トルコの強権政治」

 ドル円の日足、週足、月足で2σ、3σ上限に達していたので、やはり行き過ぎ感があり小反落した。円は年間、月間では11位で弱いが、先週は4位とやや強かった。ただリスク回避の王者スイスにはかなわなかった。官房副長官が為替や物価に言及したのもさらなる円安を阻んだかもしれない。

 9月貿易統計では6228億円の赤字となった。貿易赤字が円安の原因といわれているが、今年は1-9月ではほぼ均衡している。貿易収支より外貨投信の伸びが円安を招いているのだろう。1-9月で約8兆円の増加。

 生保などは大きくポジションを傾けていないので大手合計でも2兆円増程度ではないか。これに所得黒字の20兆円が対抗するが、所得黒字の3分の1は外貨準備は円転しないだろう。また機関投資家でも個人でも円転せずに外貨で保有すれば円買いは出ない。ラフに考えれば為替が起きる経常収支の黒字と資本収支の赤字が均衡しているのだろう。通常の国際収支では今年の外貨投信のような外貨買いはないので円高推移する。だから5年連続でドル円は陰線であった。今年は国際収支で均衡し、輸出入業者のリーズ&ラグスで夏の円高、秋の円安推移となっているのあろう。輸出業者は夏までに売り予約を済ませ、輸入業者は1年を通じてコンスタントに買っている。

 先週はリスク選好を主導してきた資源価格の急落でリスク回避となり円買いが進んだ。今週も、トルコの外交官追放問題や、ロシア中国の軍艦の津軽・大隅海峡通過問題もあり米中関係が緊張しリスク回避の円買いが進むこともあろうが、秋が終わるまでは突発的な円買いがあっても落ち着けば実需の円売りが勝るだろう。

 今週は日銀会合があるが、2021年度の成長率と物価見通しをともに引き下げる方向で検討する見通しもあるようだ。世界の流れとは逆か。


*米ドル「通貨4位(5位)、株価(NYダウ)4位(4位)、10月は米金利上昇でもドルは強くはない。成長低下、貿易赤字、対中関係など不安」

 今月のドルはここまで10位、先週は9位と強くはない。10月は金利は上昇しているがドルは弱い。中長期的には米国の状況から自然の流れだろう。膨大な貿易赤字でドルが強くあり続けることはないし、今年も月間で最強通貨になったこともない。短期的なドル買いがあったことでドル円の年足が陽線になれば実に6年ぶりだ。日米の為替需給ではドル高は長期的には続かない。もちろんドルと円の動きは異なる。

 円は季節的な需給で秋は全般的に弱いだろう。先週は資源価格安からのリスク回避でやや円高となったが。通貨全般でいえば今年はトルコが大幅安、円が次いで安い。その他の通貨はドルを中心に上下5%程度で推移し安定しているので、G20やベージュブックでも通貨については触れられない。

 さてパウエルFRB議長は、テーパリングを近く開始すべきだが、雇用が過度な低水準になおどとまっているほか、来年には新型コロナウイルスのパンデミックによるインフレ圧力が弱まり、高インフレが緩和される可能性があるため、まだ利上げすべきではないと述べた。また「供給上の制約とインフレ高進は従来の想定よりも長く続く可能性が高く、来年も継続するだろう。賃金への圧力についても同様だ」と指摘。最も可能性が高いのはインフレ圧力が弱まり雇用の伸びが夏季に見られたペースに戻るというシナリオだが、「インフレが持続的に高進するリスクがあると判断すれば、確実にツールを活用する」とした。


*ユーロ「通貨10位(10位)、株価5位(5位)DAX)、ECB理事会、消費者物価、GDPと重要週。期待インフレ率は約7年ぶりに目標の2%を上回る」

 対ドルで今月はここまで短い陽線、3か月ぶりに陽線となるか。今年は総じて弱いが円よりは強い。今週は欧州ではECB理事会、10月消費者物価、3Q・GDPと重要指標が発表される。米国は欧州の前に3Q・GDPが発表されるが3Qの景気減速度合が予想を上回るか下回るかで週後半のトレンドを作るだろう。欧州のGDPはいつものように低位安定で市場に影響は少ないだろう。

 ECBは既に9月の理事会でパンデミック後の緩和策への移行を準備している。PEPP終了後の新たな債券購入プログラムを検討しているが決定は12月に行われる見込み。従来の資産購入プログラム(APP)の月間購入額の拡大などを予想している。

 ユーロ圏の期待インフレ率は約7年ぶりにECBの物価目標である2%を上回った。新型コロナ危機の景気刺激策の継続を主張しているECBにさらなるプレッシャーを与えている。ECBは最近の物価高騰は一時的で、物価上昇率が平均的に目標の2%前後に達するまで政策変更に動かない姿勢を明確にしているものの、金融市場は来年中の利上げを織り込みつつある。新型コロナウイルスは多かれ少なかれ一定制御されているが、別の逆風がユーロ圏の景気回復ペースを鈍らせている。つまり供給網の混乱は解消していないし、エネルギー価格高騰も成長を圧迫する。物価は上昇方向で予想を超え続け、テーパリングの議論を白熱化させている。


*ポンド「通貨3位(4位)、株価8位(7位)、利上げ織り込みもCPI伸び鈍化と感染拡大で下落中」

 年間では3位、今月も5位と健闘しているポンドも先週は対円で弱含んだ。日足では雲の下へ下落した。先週は資源価格下落がポンドにも影響した。英ポンドは資源国でエネルギー自給率も高いので資源価格の動向が影響する通貨だ。英中銀のチーフエコノミスト、ピル氏は、「物価上昇率が5%に近づくかそれを超えても驚かない。これは2%を目標としている中銀にとって非常に受け入れ難い領域だ」と語り11月4日の次回金融政策委員会で利上げが本格的な議題になるとの見方を示した。金融市場は11月4日に0.15%利上げすることを織り込んでいる。ただ9月の消費者物価指数は前年同月比3.1%上昇と、8月の3.2%上昇から伸びが鈍化した。

 懸念はコロナ感染者の増大。10月21日の新規感染者数は5万2009人。1人の感染者が何人にうつすかを示す「再生産数」は1.0-1.2となっている。ただジョンソン首相は、感染が再拡大し、政府諮問委員会が早期の対応を呼び掛ける中、抑制に向けたロックダウン措置の実施は検討しない姿勢を示した。

 また、S&Pは日、英国の格付けを「AA/A-1+」に、格付け見通しを「安定的」にそれぞれ据え置いた。多様化する経済や労働市場の改善などを要因に挙げた。英経済の回復は続き、今年の成長率は6.9%になると予想した。


*豪ドル「通貨8位(8位)、株価7位(7位)、石炭価格急落と消費者信頼感指数悪化で下落。テクニカルでも下げ示唆」

 先週の豪ドル円は週足で一時86円台をつけたが、終値は84円台で長い上ヒゲを残し売り圧力を感じさせている。石炭が主導する資源高で豪ドルは今月上昇していたが、先週は中国政府が主要な石炭生産業者や業界団体と協議し、政府の介入によって「妥当な範囲」まで石炭価格を引き下げる方法を検討していると発表したことで、石炭価格が急落、豪ドルの下落に繋がった。

 RBA議事要旨では、豪経済は4Qにプラス成長に回帰するが、2020年終盤と21年序盤の回復ペースを下回る可能性が高いと予想したことや、10月の消費者信頼感指数は前月比1.5%低下したことも豪ドル売りに繋がった。それらを考慮しRBAは3年債利回り押し下げへ買い入れオペを行った。今週の3Q消費者物価が注目される。2Qは3.8%上昇であったが、3Q予想は3.1%とそれを下回る。テーパリングは実施したが、利上げにはまだ遠いことを確認できるかどうか。


*NZドル「通貨5位(6位)、株価15位(14位)、今月最強通貨も、資源安とデルタ株感染拡大で伸び悩む」

 今月はここまで最強通貨と好調だが、先週は対円週足でボリバン3σ上限を一気に越えたこともあり行き過ぎ感が出て、後半下落した。資源価格の上昇に歯止めがかかったこともNZドルの伸びを抑えた。

 3Qの消費者物価指数は前期比2.2%上昇し、約11年ぶりの高い伸びとなった。住宅関連費用や供給の制約が主因。年間のインフレ率は4.9%と前期の3.3%から拡大し、過去10年余りで最大となった。

 中銀をさらに積極的な利上げサイクルに向かい、11月に再度利上げして金利は0.75%になり、22年8月までに1.5%になる見方が出ている。

 バスカンド中銀副総裁は、国内経済は急ピッチに回復しているが、新型コロナウイルスや「持続不可能な」住宅価格といったリスクに依然として直面しており、金融セクターは過剰債務を避ける必要があるとの認識を示した。

 懸念の新型コロナウイルス感染者数では10月21日に今週2度目の過去最多を記録した。特に、デルタ型が最大都市オークランドで拡大し続けている。8月半ばのデルタ型拡大まで、NZはおおむね感染を回避してきた。しかし、デルタ型がオークランドと周辺地域で拡大したため同地域で厳格な規制が敷かれ、今週も延長された。オークランドは、2カ月以上にわたって感染拡大抑制のためのロックダウンが行われている。

テクニカル分析


*ドル円「日足がボリバン2σ上限、週足がボリバン3σ上限から反落」

日足、ボリバン2σ上限から反落。10月19日-20日の上昇ラインを下抜く。10月5日-22日、9月24日-10月5日の上昇ラインがサポート。10月21日-22日の下降ラインが上値抵抗。5日線下向き。

週足、ボリバン3σ上限越えて反落。10月11日週-18日週の上昇ラインがサポート。雲の上。ボリバン3σ上限は114.405。

月足、7月-8月の下降ラインを上抜く。21年8月-9月の上昇ラインがサポート。雲の上へ。ボリバン3σ上限に近づく。ボリバン3σ上限は115.87。

年足、2020年まで5年連続年足陰線だが、今年はここまで陽線維持。15年-20年の下降ラインを上抜く。16-20年の上昇ラインがサポート。


*ユーロドル「ボリバン下限から中位へ反発も1.17に乗れず伸び悩み」

日足、ボリバン中位上抜き、5日線G20日線上抜くも1.17に乗れず伸び悩み。10月18日-22日の上昇ラインがサポート。10月21日-22日の下降ラインが上値抵抗。5日線上向き。

週足、2週連続陽線。ボリバン2σ下限から反発、雲中。8月30日週-9月6日週の下降ラインが上値抵抗。10月11日週-18日週の上昇ラインがサポート。

月足、今月はここまで陽線。20年4月-5月の上昇ラインがサポート。21年6月-9月の下降ラインが上値抵抗。サポートは雲上限。ボリバン中位を下抜く。

年足、18年-19年の下降ラインを上抜く。17年‐20年の上昇ラインがサポート。14年‐20年の下降ラインも上抜いたが下抜き返す。


*ユーロ円「ボリバン2σ上限から反落」

日足、10月18日-20日の上昇ラインを下抜き、ボリバン2σ上限から下落。10月12日-13日の上昇ラインがサポート。10月21日-22日の下降ラインが上値抵抗。5日線下向き。ボリバン上位。

週足、ボリバン2σ上限を上抜いて反落。10月11日週-18日週、10月4日週-11日週の上昇ラインがサポート。5月31週-10月18日週の下降ラインが上値抵抗。

月足、4か月連続陰線。今月はここまで陽線。20年11月-21年9月の上昇ラインがサポート。21年7月-9月の下降ラインを上抜く。18年2月-21年6月の下降ラインが上値抵抗。雲の上。

年足、18年-19年の下降ラインを上抜く。16年-20年の上昇ラインがサポート。15年-18年の下降ラインも上抜く。

情報提供元:FX湘南投資グループ
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