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FX「豪、NZの金融政策に変更は?」週刊為替レポート ハロンズ 豪、NZ 2021年10月1日

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豪、NZの金融政策に変更は?

メインドライバーは米ドル…

米国のテーパリング年内開始や2022年の利上げ観測も浮上したことで米長期金利が上昇、週前半はドル独歩高となりました。豪ドルは28日に発表された豪8月小売売上高(前月比)は‐1.7%と予想の‐2.5%を上回り、前月(‐2.7%)よりも改善。ロックダウンが続くニューサウスウェールズ(NSW)州などを始めとした豪東部地域では減少幅が大きくなったものの、ロックダウンが解除された西部、南部地域の力強いリバウンドが全体の数字を押し上げる結果となり豪ドルの買い材料となりましたが、米ドルの強さには敵わず。

オセアニア中銀WEEK!

来週は5日に豪準備銀行(RBA)、6日にNZ準備銀行(RBNZ)と両国の金融政策決定会合が予定されています。RBAは先月7日の会合で資産購入額を週50億豪ドル→週40億豪ドルへ減額、買い入れ期間を11月中旬→2022年2月中旬まで延長を決めました。現時点では豪最大都市シドニーのあるNSW州のロックダウンは10月11日まで続く予定ですが、28日の豪小売売上高の内容からもロックダウンが解除された地域では力強い反発を見せているため、RBAの「感染が収まれば雇用や経済は回復軌道に戻るだろう」との楽観的な見通しを裏付ける結果と言えるでしょう。そのため、今回のRBA理事会は‘様子見’でUnchange(変更なし)を予想しています。

他方でRBNZ理事会ですが、最大都市オークランドのロックダウンは依然として警戒レベル3(4が最高)を維持しています。それでも市場はロックダウン前の同国経済の強い回復基調から、今回の理事会で政策金利0.25%への利上げはほぼ織り込んでいます。ただ、29日にオークランドの新型コロナの新規感染者数が急増。このペースが続く様ですと再びロックダウン強化という可能性も出てきそうです。(30日の新規感染者数は減少しました。)

そこで、今回のRBNZ理事会で考えられる3つのシナリオです。
①ロックダウン強化等で政策金利据え置き。
市場の大半が利上げ予想をしているため、ネガティブサプライズとなりNZドル売り。
②市場予想通り0.25%の利上げ
「噂で買って、実で売る」の相場格言通り一旦はNZ売りが入りそうです。ただ、G10通貨ではノルウェーに続いての早さでの利上げとなりますので、NZドルが買われやすい地合いになりそうです。
③一部で囁かれている0.50%の利上げ
ポジティブサプライズとなります。発表直後からNZドルは買いとなり、当面は底堅い動きとなりそうです。

この中で筆者は、感染状況の悪化への懸念はありますが、30日に発表された8月の住宅建設許可件数や9月企業信頼感などロックダウン期間中の数字も含まれる経済指標も改善傾向にあることやロックダウン前の経済指標はかなり強い傾向となっていたため、②の0.25%の利上げを予想しています。

RBA、RBNZの結果が予想通りとなれば、年内のテーパリング開始、早期利上げ観測の浮上している米ドルとの比較でNZD>USD>AUDが基本的なシナリオとなります。その中で、相場は今週同様に米長期金利動向を睨んだUSDが主導するものと考えられますので、米国の経済指標の結果が普段以上に豪ドル、NZドル相場に影響を与えそうです。

中国の問題

中国は本日10月1日から7日まで国慶節の大型連休となります。中国恒大集団問題ですが、中国政府は(直接的な)救済に消極的な姿勢を取っていますが、業界全体や経済への影響の波及への懸念から国有企業を通じての対応を検討しているようです。そういった姿勢もあり、市場は楽観視しています。次の焦点は未払いの9月23日期限の社債の支払期限が30日後の10月23日です。それまでに支払えなかった場合に同社はデフォルト(債務不履行)となってしまいます。その後にも、9月29日期限のドル建て社債の支払期限も10月29日に控えていますし、今後も自転車操業となりそうです。
そのほかにも、中国では電力不足から工場が操業を停止する事態も発生しています。原因は①石炭価格の上昇、②中国政府によるCO2削減計画の目標に届いていない地域が目標を達成するために電力供給量を抑えている、とのことです。来週は前述の通り大型連休で多くの工場の操業も停止しているので問題にはならなそうですが、来週以降さらには気温の下がる冬にかけて電力消費量が増加することが予想されます。そうなると、工場の操業制限から中国経済の停滞となりますので、今後も電力問題には注意が必要です。

雲抜けの攻防

今週の豪ドル円は日足・一目均衡表では雲の中での動きとなりました。来週の上値目途は日足、週足の雲上限がそれぞれ81.07円、81.35円に位置していますので、81円台前半では売り圧力がかかってきそうです。一方で下値は今週同様に日足転換線が目先の目途となりそうです。その下は雲下限となりますが、週後半に向けて切り上がっていますので下抜けには要注意です。

予想レンジ:
AUD/JPY:79.00-82.00、NZD/JPY:75.50-78.50

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10/4 週のイベント:

10月1日~10月7日 中国 国慶節で休場
10/04 (月)     豪 休場
10/05 (火) 09:30 豪 8月 貿易収支
10/05 (火) 12:30 豪 豪準備銀行(中央銀行)、政策金利発表
10/06 (水) 10:00 NZ ニュージーランド準備銀行(RBNZ、NZ中央銀行)政策金利
10/08 (金) 10:45 中国 9月 Caixinサービス部門購買担当者景気指数(PMI)


(執筆:中村 勉)

一言コメント:

米クリスピー・クリーム・ドーナッツではワクチン接種証明のカードを見せるとドーナッツがもらえるらしいです。偶然にも、先日同ドーナッツを食べる機会があったのですが、まず値段にびっくり。10数年前の米国では1つ60セント程度だったと記憶していたのですが… そして、甘さにびっくり。味覚がおじさんになってきたようです…

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