ドル/円:上下の抵抗を抜けきれない状態。ドルの下落リスクに注意。110.50超えで終えれば下値リスクが後退。111.20超えの越週で一段のドル上昇へ。
日足は2手連続小陽線で終え下値を切り上げている。109.00-10の下値抵抗を守って反発に転じているが、個々の足が強いものではないので、上値余地も拡がり難く、また、上値を切り下げる流れにも変化が認められないことから、上値抵抗にぶつかって反落する可能性により警戒する必要がある。但し、110.20-30の抵抗を実体ベースで上抜け、110.50超えで終えれば日足の形状が改善して下値リスクがやや後退、110.80-90,111.10-20の抵抗を全てクリアした場合は、短期トレンドを“ドル強気”の流れに戻して、上値余地がさらに拡がり易くなる。この場合でも111.60~112.30ゾーンに一段と強い抵抗が散在しており、ドル急伸にも繋がり難いと見られる。逆に、109円台を維持出来ずに終えた場合は下落余地がさらに拡がり易くなるので注意したい。日足の上値抵抗は110.20-30,110.80-90,111.10-20に、下値抵抗は109.40-50,109.00-10,108.50-60にある。21日、120日移動平均線は109.87と109.69にあり、若干上抜けて終えているが“ダマシ”の範囲内にある。しかし、200日線は108.10に位置しており、反落した場合でも強い下値抵抗とした働く可能性が高い。 一方直近の週足は十文字の寄せ線で終え週初の寄り付き水準に戻して越週している。下ヒゲがやや長く、下値トライに失敗した形となったことから、週初は上値余地を探る動きが強まると見られるが、7/2に付けた111.66を基点として上値を切り下げて来た流れからは上抜けておらず、この週足の上値抵抗が日足と同じく110.20-30にあることから、これをしっかり上抜けて越週するか、日足が110.50超えで終えない限り、下値リスクがより高い状態に変わりない。また、今年1月に付けた102.59と7/2に付けた直近安値108.72を結ぶサポートラインの抵抗が109.90-00まで上がって来ており、先週末終値がかろうじてこれに引っかかって越週した形となっている。上値トライの可能性に繋げて越週したが、週足の形状も安定しておらず、ドルの下値リスクを残した状態にある。値動きの収縮が極まっており、一方向へ抜け出す可能性にも注意したい。109.80以下の越週で一段のドル下落へ。逆に110.40超えの越週で下値リスクが後退、111.20超えの越週で一段のドル上昇に繋がり易くなる。今週の週足ベースで見た上値抵抗は110.20-30,111.10-20,112.10-20に、下値抵抗は109.90-00,108.90-00,108.00-10にある。31週移動平均線は109.40にあり、短期的な下値抵抗として働く可能性があるが強いものではない。また、62週移動平均線は107.15に位置しており、中期トレンドは“ドル強気”の流れに変わりない。 今週の戦略は、ドル買いは108.70-80まで引きつけて。損切りは108.30で一旦撤退。ドル売りは110.10-20で戻り売り。損切りは110.60で撤退としたい。 上値は、110.00-10に軽い抵抗が、110.20-30に強い抵抗があるが、これをクリアして実体を110.50超えに戻した場合は下値リスクがやや後退、110.80-90,111.10-20の抵抗を全てクリアした場合は短期トレンドが変化して、上値余地がさらに拡がり易くなる。上値抵抗は111.30-40,111.60-70,111.80-90,112.10-20。下値は109.70-80に軽い抵抗が,109.40-50にやや強い抵抗が出来ているが、これを下抜けた場合は109.00-10,108.70-80,108.50-60,108.00±10銭にある下値抵抗をどこまで切り崩せるかトライする動きへ。全て下抜けた場合でも107.50-60,107.10-20には長期的な下値抵抗が控えており、107円割れで終えない限り、押しは一旦買い場となる可能性が高い。
ドル/円【日足】期間:2021/01/14~2021/09/17(移動平均線は21、120、200日、以下日足は同様)
ドル/円【週足】期間:2018/08/03~2021/09/17(移動平均線は31、62週、以下週足は同様)
ユーロ/円:上値の重い展開続く。128.50割れで一段の下落リスクが点灯。130.60超えで越週すれば下値リスクが後退。
直近の日足は前日とは逆に上ヒゲがやや長く実体の小さい陰線引けとなった。上値を切り下げる流れから上抜けておらず、また直近の陰線が上値トライに失敗した形となったことから、週初は上値の重いスタートとなろうが、128.50-60にやや強い下値抵抗が控えており、これに跳ね返される可能性にも注意する必要がありそうだ。一方で、129.60-70にやや強い上値抵抗が出来ており、これを上抜けて来ないと上値余地も拡がり難い。また、これを上抜けた場合でも130.50-60の抵抗を上抜けて終えるまでは下値リスクを残すことになる。逆に128.50-60の抵抗を下抜けて終えた場合は128.00±10銭にある下値抵抗の強さを再確認する動きが強まり易くなる。対ドルで1.1700-10の下値抵抗をかろうじて守って終えているが、1.1700割れで終えた場合は下値リスクが点灯、1.1650割れを見た場合は“ユーロ弱気”の流れに戻して一段の下落に繋がり易くなるので、この場合はユーロ/円も下落幅の拡大に要注意。また、値動きの中で127円割れを見た場合は、中期トレンドが変化して下落余地がさらに拡がる可能性が高くなる。逆に日足の上値抵抗が130.50-60にあるが、これを上抜けて終えた場合は下値リスクが後退、131.00超えで終えた場合は“ユーロ強気”の流れに戻して上値余地がさらに拡がり易くなる。日足の上値抵抗は129.60-70,129.90-00,130.20-30,130.50-60に、下値抵抗は128.50-60,128.00±10銭、127.50-60にある。21日、200日移動平均線は129.65と129.59で収束しており、先週末の上値トライでもこれにぶつかって押し戻されており、強い上値抵抗として働いた状態にある。また、120日移動平均線も130.94にあり、上値を抑え込んでおり、下値リスクが高い状態にあることを示している。 一方週足を見ると、2週連続陰線引けとなり上値を切り下げている。130.20-30の抵抗にもぶつかって反落しており、週足の形状が悪化しているが、現状は128.50-60の抵抗を守っており、このレベルでの売りも慎重に。今週の週足ベースで見た上値抵抗は130.20-30,130.50-60に、下値抵抗は128.50-60,128.00-10,127.10-20にある。31週移動平均線は130.55に位置しており、週足の上値抵抗とも重なっており、強い上値抵抗として働いている。また、62週線は127.75に位置しており、続落した場合でも短期的なサポートポイントとして働く可能性があるが、127.00割れで終えた場合は中期トレンドが“ユーロ弱気”に変化して一段の下落に繋がり易くなる。 今週の戦略は、ユーロ買いは128.60-70で押し目買い。損切りは128.30で浅めに撤退。ユーロ売りは129.50-60の戻り待ち。損切りは129.80で浅めに一旦撤退するか、深い場合は130.10で撤退。130.60超えで終えた場合は押し目買い方針に転換。 上値は、129.30-40に軽い抵抗が、129.50-60,129.90-00,130.20-30、130.50-60に強い抵抗があり、全てをクリアするには力不足と見るが、130.60超えで終えれば下値リスクが後退、131.00超えで終えた場合は“ユーロ強気”の流れに戻して一段の上昇に繋がり易くなる。下値は、128.70-80に軽い抵抗が、128.50-60に強い抵抗があるが、これを下抜けた場合は128.00±10銭の日足、週足の抵抗をトライする動きへ。さらに、128円割れで終えた場合は127.70-80,127.50-60、127.10-20の抵抗をどこまで切り崩せるかトライする動きへ。127円割れを見た場合は中期トレンドも“ユーロ弱気”に変化して125円方向への一段の下落に繋がり易くなる。(川合 美智子)
ユーロ/円【日足】期間:2021/03/02~2021/09/17(移動平均線は21、120、200日) ユーロ/円【週足】
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