ドル/円:ドルの上値余地を探る動き。戻り売りの流れは変わらず。111円が壁となる可能性に注意。
直近の日足は値幅の小さい陽線で終え、上値余地を探る動きに繋げている。7/19に付けた109.07を直近安値として反転、上値余地を探る動きに転じたが、一方で、今年1月に付けた102.59を基点として下値を切り上げて来た流れからは下抜けた位置で推移していること、先週の値動きの中で109.50割れを見て短期トレンドの変化が認められており、ドルの下落リスクがより高い状態にあることに変わりない。110.00-10に日足の下値抵抗が出来ており、これを支えとして上値余地を探る動きが先行すると見られるが、111.50-60の抵抗を上抜けて終えない限り、下値リスクが後退せず、上値トライに失敗する可能性に注意する必要がある。日足の上値抵抗は110.60-70,111.10-20,111.50-60に、下値抵抗は110.00-10,109.50-60,108.90-00にある。21日移動平均線は110.42に位置しており、若干上抜けて終えたが“ダマシ”の範囲内にある。しかし、120日、200日線は108.90と107.02に位置しており、中期トレンドは強い状態を維持している。 一方直近の週足を見ると、陽線で切り返して続落を食い止めている。下ヒゲがやや長く、下値トライにも失敗した形となったことから、週初は上値トライの動きが先行すると見られるが、上値を切り下げる流れに変化が認められないこと、今年1月に付けた102.59を基点とするトレンドラインの上値抵抗が111.10-20にあることから、これをしっかり上抜けて越週するまでは下値リスクが軽減されない。中期トレンドが強い状態にあるのでドル急落にも繋がっていないが、短期トレンドがまだ弱く、下値リスクがより高い状態にあり、ドルの戻り売り方針が有効と見ている。但し、111.20超えで終えるか日足が111.50超えで終えた場合は、短期トレンドが変化して、上値トライの流れに戻す可能性が高くなる。今週の週足ベースで見た上値抵抗は111.10-20,111.60-70,112.10-20に、下値抵抗は109.30-40,108.50-60,107.80-90にある。31週、62週移動平均線は107.94と106.86にあり、中期トレンドをサポートしている。 今週の戦略は、ドル買いは様子見か109.20-30の押し目待ち。損切りは108.80で浅めに撤退。ドル売りは110.60-70で戻り売り。損切りは110.90で浅めに一旦撤退。これが付いた場合は111.10-20で再度売り向かい。この場合の損切りは“ドル強気”の流れに戻す111.60で撤退。 上値は、110.60-70,110.90-00,111.10-20,111.50-60に強い抵抗があり、全てをクリアしきれない可能性が高いが、111.50超えで終えた場合は、“ドル強気”の流れに戻して上値余地がさらに拡がり易くなる。この場合でも111.80-90,112.10-20,112.50-60に一段と強い抵抗が控えており、ドル急伸にも繋がり難い。下値は、110.30-40に軽い抵抗が、110.00-10にやや強い抵抗が出来ているが、これを下抜けた場合は109.50-60,109.20-30,108.90-00にある強い抵抗をどこまで切り崩せるかトライする動きへ。中期トレンドが強い状態にあるので、反落した場合でもドル急落にも繋がり難く、調整的な下げに留まるなら107~108円台を大きく割り込まない可能性も高い。
ドル/円【日足】期間:2020/11/19~2021/07/23(移動平均線は21、120、200日、以下日足は同様)
ドル/円【週足】期間:2018/06/08~2021/07/23(移動平均線は31、62週、以下週足は同様)
ユーロ/円:反発余地を探る動き。反落の可能性にも注意。131円台回復で“ニュートラル”、133.00超えの越週で“強気”に変化。
直近の日足は小陽線で切り返して上値余地を探る動きに繋げているが、上昇力の強いものではないことや、上値を切り下げる流れにも変化が認められず、下値リスクが高い状態に変わりない。日足が131.00超えで終えれば短期トレンドを“ニュートラル”な状態に戻すが、この場合でも132円台に一段と強い抵抗が控えており、132.50超えで終えない限り下値リスクは軽減されない。また、133.00超えに値を戻さない限り、“ユーロ強気”に変化しない。日足の抵抗は130.50-60,131.00-10,132.30-40に、下値抵抗は129.50-60,129.00-10,128.30-40にある。21日、120日移動平均線は130.69と130.68に位置しており、これを上抜けきれておらず、下値リスクがより高い状態にあるが、200日線は128.50にあり、中期トレンドをサポートしている。 一方、直近の週足は、実体が小さく下ヒゲの長い、“タクリ足の陽線”が出て続落を食い止めている。下値トライに大きく失敗した形となり、また、この足が129.78に位置する31週移動平均線も守って越週していることから、一旦底打ちした可能性が生じているが、現状は上値を切り下げる流れにあり、短期トレンドの変化も確認出来ないことから、買いも慎重に臨む必要がある。また、129円割れで越週した場合は再び下値リスクが高くなるので注意したい。今週の週足ベースで見た上値抵抗は131.00-10,131.80-90,132.80-90に、下値抵抗は129.00-10,128.50-60,127.30-40にある。31週、62週移動平均線は129.78と126.58に位置しており、中期トレンドは“ユーロ強気”の流れを変えていない。但し、対ドルで1.1650割れを見た場合は1.15方向へのさらなる下落に繋がり易くなるので、ユーロ/円もこれに引っ張られる可能性が高くなる。 今週の戦略は、ユーロ買いは129.00-10の押し目待ち。損切りは128.50で撤退。ユーロ売りは130.30-40で戻り売り。損切りは短期トレンドを“ニュートラル”な状態に戻す131.10に置く必要がある。 上値は、130.30-40,130.80-90、131.00-10に強い抵抗があるが、全てクリアした場合は短期トレンドを“ニュートラル”な状態に戻して、下値リスクが若干後退する。さらに。131.80-90,132.10-20,132.50-60、132.80-90の抵抗をクリアし、133.00超えで越週した場合は“ユーロ強気”の流れに戻して、上値余地がさらに拡がり易くなる。下値は、129.70-80に軽い抵抗が、129.50-60,129.20-30,129.00-10に強い抵抗があり、押しは一旦買い場となる可能性が点灯中だが、129円台を維持出来ずに終えた場合は再び下値リスクが高くなる。下値抵抗は128.50-60,128.00±10銭、127.30-40。 (川合 美智子)
ユーロ/円【日足】期間:2021/01/05~2021/07/23(移動平均線は21、120、200日) ユーロ/円【週足】
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