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「米利上げ予想時期前倒しでリラ、ランドが下落」FX変動率・スワップポイント累計・取引高ランキング 2021年6月1日~6月30日

FX変動率・スワップポイント累計・取引高ランキングタイトル


外為どっとコムのFX取引口座『外貨ネクストネオ』の一週間の取引データ「変動率」「スワップポイント累計」「取引高」をランキング表示した。

集計期間:
2021年6月1日~6月30日の営業日

▼変動率ランキング
エルドアン大統領の利下げ発言でリラ急落


▼スワップポイント累計ランキング
ユーロ/トルコ(売)が21週連続首位


▼取引高ランキング
ポンド/円が第3位に


▼まとめ

変動率ランキング:エルドアン大統領の利下げ発言でリラ急落 ランドも弱い

これまでの週間集計から月間集計に代わった本期間は、全体的にドル高が目立ったと言えるだろう。FRBによるテーパリング議論、さらに利上げ時期についての報道が多く出たことで、ドル高、その他通貨安が起きた。新興国通貨にあたるメキシコペソは、通貨価値下落を防衛するためメキシコ中銀のサプライズ利上げがあるなど、すでに「利上げ競争」が始まった感もある。

第1位となったトルコリラ/円は、6月2日の下落の影響が大きく、期間中は7.84%の変動率となった。6月2日早朝のエルドアン大統領が利下げに言及、これを嫌気してリラが売られトルコリラ/円は12.229円をつけた。その後は反動から13.188円まで値を戻すも、月末にかけては横ばい推移となった。リラは対ドル、対ユーロでも下げ、いずれも騰落率上位(ユーロ/トルコリラ:第3位、ドル/トルコリラ:第4位)になっている。

第2位の南アランド/円は、月初に8.166円と2019年2月ぶりの高値を記録したが、その後は失速し6月21日には7.619円まで下落した。6月13日に英国で行われたG7では、中国への対立姿勢が明確となり、リスク回避の流れから南アランドが売られた。また米ドルの利上げ前倒し観測がマーケットに広がったことも、ランド下落につながった。月の後半はレンジ内での推移となったが、上値の重い状態であることに変化はない。

ドル/円は変動率1.77%の26位になった。小幅な上昇下落を繰り返しながらも、上昇チャネルの中でしっかり上昇し、月末には2020年3月以来となる111円台を回復した。

集計期間中、3%を超える変動があったのは集計対象30通貨ペアのうち20通貨ペアだった。その内5%以上の変動幅を記録した通貨ペアは7つだった。

順位 通貨ペア 変動率 高値 安値
1 TRY/JPY 7.84% 13.188 12.229
2 ZAR/JPY 7.18% 8.166 7.619
3 EUR/TRY 6.93% 10.7438 10.0476
4 USD/TRY 6.23% 8.7964 8.2802
5 MXN/JPY 6.02% 5.618 5.299
6 NOK/JPY 5.44% 13.282 12.597
7 NZD/USD 5.27% 0.7287 0.69222
8 NZD/JPY 4.68% 79.783 76.214
9 SEK/JPY 4.42% 13.278 12.716
10 RUB/JPY 4.14% 1.535 1.474
11 USD/CAD 4.00% 1.24862 1.20061
12 AUD/USD 3.98% 0.77752 0.74776
13 USD/CHF 3.76% 0.92615 0.89255
14 AUD/JPY 3.71% 85.179 82.129
15 CAD/JPY 3.67% 91.177 87.949
16 EUR/USD 3.46% 1.22541 1.18448
17 GBP/USD 3.35% 1.42481 1.37864
18 CHF/JPY 3.28% 122.762 118.859
19 EUR/JPY 3.14% 134.126 130.044
20 GBP/JPY 3.05% 155.932 151.321
21 EUR/NZD 2.03% 1.71231 1.67826
22 SGD/JPY 1.98% 83.062 81.449
23 AUD/NZD 1.86% 1.08119 1.06143
24 CNH/JPY 1.83% 17.24 16.93
25 GBP/AUD 1.81% 1.85236 1.81941
26 USD/JPY 1.77% 111.119 109.187
27 HKD/JPY 1.70% 14.301 14.062
28 AUD/CAD 1.46% 0.93953 0.92598
29 EUR/AUD 1.36% 1.58714 1.56589
30 EUR/GBP 1.35% 0.86449 0.85297

 

スワップポイント累計ランキング:ユーロ/トルコ(売)が首位堅持

期間中のスワップポイントを合算した本ランキングは、週間集計だった前回レポートから変わらず、ユーロ/トルコ(売)が首位だった。ユーロトルコの月足は、上ヒゲと下ヒゲの長い「コマ」の陰線となった。ユーロ/トルコ(売)ポジションを持っていた場合、高いスワップポイントの受け取りのほか、為替差益も得たことになる。その他上位通貨ペアに大きな変動はない。

※MXN/JPY、ZAR/JPY、HKD/JPY、CNH/JPY、NOK/JPY、SEK/JPYは10万通貨あたり。RUB/JPYは100万通貨あたり。左記以外は1万通貨あたりのスワップポイントにて算出。
※前週終値に取引数量を掛け合わせた取引残高に対してのスワップ合計

順位 通貨ペア 売買区分 スワップ合計 円 取引保証金
1 EUR/TRY 16,983 53,000
2 USD/TRY 9,781 45,000
3 RUB/JPY 3,960 100,000
4 ZAR/JPY 2,500 40,000
5 MXN/JPY 1,980 30,000
6 CNH/JPY 1,370 70,000
7 TRY/JPY 1,289 6,000
8 EUR/USD 620 53,000
9 EUR/NZD 601 53,000
10 EUR/GBP 524 53,000
11 EUR/AUD 419 53,000
12 EUR/JPY 335 53,000
13 CHF/JPY 330 49,000
13 NOK/JPY 330 60,000
15 USD/CHF 307 45,000
16 GBP/JPY 204 62,000
17 USD/JPY 153 45,000
18 AUD/USD 113 34,000
19 HKD/JPY 80 60,000
20 GBP/AUD 75 62,000
21 NZD/JPY 60 32,000
22 CAD/JPY 46 37,000
23 AUD/JPY 24 34,000
24 GBP/USD 0 62,000
24 SGD/JPY 0 34,000
26 NZD/USD -105 32,000
27 AUD/CAD -120 34,000
28 USD/CAD -158 45,000
29 AUD/NZD -228 34,000
30 SEK/JPY -650 60,000

 

取引高ランキング:ポンド/円が第3位に

期間中の取引高ランキングを見ると、ドル/円の首位は揺るがなかった。第3位のポンド/円は昨年からの上昇が一旦足踏みするような月足陰線で終えている。上昇の終息を感じポジションの手じまい(決済注文)した投資家、また新たな下落の可能性から売りポジションを持った投資家などの注文が出たものと思われる。

順位 通貨ペア 前回順位
1 USD/JPY 1
2 MXN/JPY 2
3 GBP/JPY 4
4 AUD/JPY 3
5 EUR/USD 6
6 ZAR/JPY 5
7 EUR/JPY 7
8 GBP/USD 9
9 AUD/USD 10
10 TRY/JPY 8
11 NZD/JPY 11
12 NZD/USD 12
13 CAD/JPY 14
14 GBP/AUD 13
15 EUR/AUD 15
16 EUR/GBP 18
17 USD/CHF 16
18 USD/CAD 17
19 CHF/JPY 21
20 AUD/NZD 22
21 CNH/JPY 19
22 EUR/NZD 20
23 USD/TRY 23
24 RUB/JPY 26
25 AUD/CAD 25
26 EUR/TRY 24
27 NOK/JPY 27
28 SEK/JPY 30
29 HKD/JPY 28
30 SGD/JPY 29

 

まとめ

集計期間の6月は、米利上げ時期の前倒し観測から高金利通貨の変調が見られた。引き続き7月もドル高を見込んだ売買は行われると見られ、高金利通貨の値動きが気になるところだ。

7月については、FRBのテーパリング開始時期についての報道に気を配りたい。28日のFOMCで、パウエル議長の会見に注目が集まるだろう。また米国では7月末に債務上限の引き上げがない場合、米政府機関の閉鎖になる可能性がある。よって米議会の動きも注目だ。EUは、パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)の買い入れ枠上限到達が想定されており、資産買い入れペースが遅くなった場合、ユーロ安が継続と見られているため、関連報道はおさえておきたい。新型コロナウイルスの変異株の脅威は変わらず、英国では経済回復が後退している。さらなるポンド安要因になるかもチェックだ。

■関連情報

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