※「G.COMデイリーレポート」は2021年6月10日(木曜日)をもって更新を終了いたします。長らくご愛読いただきありがとうございました。注目通貨ペアについては、継続する他レポートにて引き続きお伝えしてまいります。
いま最もホットな通貨ペアを日々ピックアップ!
その動向や見通し、注目材料をコンパクトにお伝えします。
6月10日(木)ユーロ/ドル
基調
不安定
目先の注目材料
・6/10 ECB政策金利、ラガルドECB総裁会見
・6/10 米5月消費者物価指数、米新規失業保険申請件数
・米長期金利、主要国株価
ECBと米CPIで荒れ模様の展開に
本日の欧州中銀(ECB)理事会は、パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)の資産買い入れペースを巡る決定が焦点となる見込みだ。PEPPの買い入れ枠は総額1.85兆ユーロで、買い入れ期限(プログラム終了)は来年3月末となっている。ECBは4-6月期に買い入れペースを加速させたが、このペースでの買い入れを続ければ(現状維持なら)3月までに枠を使い切ってしまう公算が大きい。ユーロ圏景気がコロナ禍からの回復局面にある事も踏まえ、ECBは今回の会合で買い入れペースの減速を決めるのではないかとの観測がくすぶっている。仮にECBが買い入れ減速を示せば、市場はそれを「テーパリング(量的緩和の段階的な縮小)」と受け止め、ユーロ高が進む可能性もある。それだけに、ECBは難しい舵取りを迫られており、ラガルド総裁の市場との「対話力」が試される事になりそうだ。
ECB理事会後のラガルド総裁の会見開始と時を同じくして米5月消費者物価指数(CPI)が発表されるため、ユーロ/ドル相場はこれらの影響をほぼ同時に受ける事になる。米5月消費者物価指数の市場予想は前年比+4.7%となっており、前月の+4.2%から伸びが加速すると見られている。米連邦準備制度理事会(FRB)は、足元のインフレ上昇は一過性(目先の金融政策には影響しない)との姿勢を維持している事から、CPIが多少上ブレしても、早期の引き締め期待には繋がりにくいかもしれない。それでも、インフレ期待を織り込んで動く米長期金利はCPIの結果に敏感に反応する可能性がある。米10年債に対する投機筋の先物ポジションで、ショートが解消され概ね中立水準に落ち着いている事からも、米長期金利は上下どちらの方向にも動きやすいと考えられる。長期金利が動けばドルへの影響は必至だろう。いずれにしても、本日はECBの決定とラガルド総裁の発言に米5月CPIと、短い間にユーロとドルの重要材料が続出する事になる。ユーロ/ドル相場は短時間のうちに乱高下しやすいと考えられるため注意が必要だろう。
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