いま最もホットな通貨ペアを日々ピックアップ！
その動向や見通し、注目材料をコンパクトにお伝えします。
5月10日（月）ポンド/円
基調
波乱含み
目先の注目材料
・主要国株価、国際商品価格
スコットランド議会選終了でポンド高
6日に行われたスコットランド議会選の開票が8日に終わり、与党・スコットランド民族党（SNP）が4期連続で第一党となった。SNPは64議席を獲得。2016年の前回選挙から1議席伸ばしたものの、単独過半数の65議席には届かなかった。ただ、SNPと同じく英国からの独立志向が強いスコットランド緑の党が8議席を獲得しており、「独立派」が合計で過半数を占める事になった。これを受けて、SNPのスタージョン党首は新型コロナ・パンデミックの収束後に独立の是非を問う住民投票を行うと改めて表明。一方、英国のジョンソン首相は「現在の状況での住民投票は無責任かつ無謀だ」と主張しており、今後の対立激化は必至と見られる。
週明け10日のポンド相場は、SNPが単独過半数を獲得できなかった事で住民投票リスクがいくぶん緩和したとの見方から上昇している。元々、欧州勢の中では住民投票の実施はハードルが高いとの見方が多かっただけに、選挙結果を受けて欧州市場でポンドが一段高となる可能性もあるだろう。ただし、コロナワクチンの接種が進む英国で経済活動が正常化に向かえば向かうほどスコットランドの独立問題がクローズアップされる事になる。すぐにではないにせよ、今後ポンド相場が不安定化する要因となる可能性を認識しておくべきだろう。
