いま最もホットな通貨ペアを日々ピックアップ!
その動向や見通し、注目材料をコンパクトにお伝えします。
4月30日(金)トルコリラ/円
基調
下値警戒
目先の注目材料
・5/3 トルコ4月消費者物価指数
・5/6 トルコ中銀政策金利
・主要国株価、国際商品価格
下落リスク警戒、GW中に注目イベント続く
明日から日本はゴールデンウィークの5連休に入る。今年に関しては、大型連休の風物詩とされてきた急激な円高進行の可能性は低そうだ。しかし、トルコリラ/円主導の相場急変については今年も警戒が必要かもしれない。
トルコでは3日に4月消費者物価指数が発表される予定で、市場予想は前年比+17.34%となっている。なお、3月は前年比+16.19%と、2019年7月以来の高い伸びであった。4月はこれを上回る伸びが確実視されており、本来ならインフレ抑制に向けて利上げ期待が高まるところであろう。しかし、低金利信奉者のエルドアン大統領によってトルコ中銀総裁に任命されたカブジュオール氏は前回の中銀声明から「必要に応じ追加的な引き締めを行う」との文言を削除してしまった。たとえ4月の消費者物価指数が上ブレしても、6日のトルコ中銀金融政策決定会合は政策金利を19.00%に据え置く公算が大きい。物価が上昇基調を強める中で中銀が金利を据え置けば、実質政策金利のマイナス化(インフレ率より政策金利が低い状態)が再び視野に入ってくる。実質政策金利のマイナス化は、昨年夏から秋にかけてリラが大幅に下落した要因の一つである。
足元では、日本のFX取引においてリラロング(買い持ち)が積み上がっており、もし急落が起きれば、リラ/円相場でロスカットがロスカットを呼ぶ波乱の展開に繋がるリスクがある。投資家は念のための警戒を怠るべきではないだろう。