総括
通貨2位へ上昇もチャート的には一服
通貨2位、株価首位
予想レンジ 南アランド円 7.2-7.7
(ポイント)
*年初来では12通貨中2位へ上昇する強さ
*今年の南ア株価は世界最強
*10か月連続貿易黒字
*インフレは目標の下限3%に届かない
*米中景気回復によるリスク選好の流れにのっている
*消費は弱い
*政策金利決定は据え置かれた
*クガニャゴ中銀総裁は「いつまでも政策金利が過去最低に留まらない」とした
*クガニャゴ中銀総裁は「南アは極度の重債務国」ではないと発言
*20年4Q・GDPは予想を上回る
*2月製造業PMIは改善
*コロナ警戒レベル1に引き下げ
*4Q失業率は過去最悪となった
*世銀の21年成長見通しは3.3%
*経済対策財源は公務員給与の昇給凍結
*IMFは、南アの2020年の成長率予想をマイナス8%に据え置く
*中銀の20年インフレ見通しは3.84%
(通貨2位へ上昇もチャート的には一服)
1年間上昇し続けてきた南アランド。今年1月は一時通貨最弱となったこともあったが、現在は2位まで浮上した。ただ先週は6週間ぶりに対円で陰線を出し警戒感を出した。株価指数も世界最強だが先週は小幅下落した。3月製造業PMIの改善に続き、マークイットの3月民間部門PMIも50.3となり、2月の50.2から小幅上昇した。景況拡大と悪化の分かれ目の50は6カ月連続で上回った。ただ多くの企業が、顧客需要の低下に見舞われていると回答しており、生産の伸びは鈍化した。生産の指数は50.3で、2月の50.5から低下。新規受注は5カ月連続で低下し49.6となった。
(外部要因好調、懸念は)
外部要因は好調だ。コロナ禍からの世界景気回復、とりわけ南アの貿易依存度の高い中国の景気回復が南ア経済に好影響を与えている。貿易収支も黒字が続くようになった。問題は電力であり、依然、大手電力エスコム社の計画停電は続いている。長引いたり地域が拡大すれば生産への支障となる。それと景気回復による金利上昇で対外債務の大きい南アの返済金利負担が増加すると格下げ要因ともなるだろう。全体的には、世界でも経済運営が上手く回っているほうではないか。
(今週は、脆弱な消費を示す小売売上高の発表)
今週は2月小売売上の発表がある。予想は前年比で1.8%減で、1月の3.5%減より改善する見通し。グラフは前年比でマイナス圏が続く小売売上
(南アランドを支えるのは貿易黒字)
貿易黒字は10か月連続続いている。過去の南アではなかったことで、やはり中国との貿易振興が影響している。またコロナ禍からの景気回復で資源需要が強いこともある。
(消費者物価は目標の3%-6%に届かない)
最近の消費者物価は若干低下気味で、目標の3%-6%のレンジに届かない
利上げ圧力はない
テクニカル分析(ランド/円)
ボリバン2σ上限から反落 6週間ぶり週足陰線
日足、ボリバン2σ上限に達し小反落。3月29日-4月9日の上昇ラインがサポート。4月8日-9日の下降ラインが上値抵抗。5日線下向き。
週足、6週間ぶり週足陰線。3月15日週-22日週の下降ラインを上抜きボリバン2σ上限。3σ上限は7.77。3月29日週-4月5日週の上昇ラインがサポート。
月足、21年1月-3月の上昇ラインがサポート。19年12月-20年3月の下降ラインを上抜く。ボリバン上位。
年足、16年-19年の上昇ラインを下抜くも上抜き返す。15年-18年の下降ラインが上値抵抗。今年は陽転。
喜望峰
ファイザー製ワクチン、半年後まで効果 南ア型にも有効
米製薬大手ファイザーと独ビオンテックは、共同開発した新型コロナウイルスのワクチンについて、2回目の接種から最大半年後まで有効性が91.3%だとする治験の分析結果を発表した。経過観察では、重大な安全上の懸念もでていないという。
感染力が高いとされる南アフリカ由来の変異ウイルスに対する有効性が100%だったことも併せて公表した。治験参加者800人のうち、プラセボ(偽薬)を投与した9人が新型コロナに感染し、うち6人が南ア型だった。ワクチンを接種した人に感染は確認されなかった。 南ア型の変異ウイルスについては、従来のウイルスよりも有効性が相対的に低くなるとの懸念も広がっていた。
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