ドル/円:ドル強気の流れ。ドルの押し目買い方針で。強い上値抵抗にも注意。
日足は3手連続陽線引けとなり、下値を急角度で切り上げている。3手前の小陽線が107.00超えで終えたことにより、新たな上昇トレンドに入っており、短期トレンドは非常に強い状態を維持している。一方で、108円台には本来強い上値抵抗が散在しており、これをすり抜けても押し戻される可能性も高いことから、108.50超えからの上値追いは上下動を繰り返す可能性が高い。また、今回のドルの急伸場面では107.50-60にあった上値抵抗を素通りしており、週初の上値トライに失敗すればこの辺りまでの押しは難しくない。但し、新たな上昇トレンドに入ってからまだ日が浅いことから、ドル急落にも繋がり難く、107円台の押しは一旦買い場となる可能性が高い。目先はドルの押し目買い方針で臨みたい。日足が107.30以下で終えた場合は、下値リスクがやや高くなるが、この場合でも106.50割れで終えない限り短期トレンドは変化しない。また、106.50割れで終えた場合でも105円割れで終えない限り、“ドル弱気”に変化しない。日足の上値抵抗は108.40-50,108.80-90,109.50-60に、下値抵抗は107.50-60,107.20-30,106.80-90にある。21日、120日、200日移動平均線は105.88,104.66,105.46に位置しており、全て上抜けた位置で推移しており、短・中期トレンドは“ドル強気”の流れに入っている。 一方週足は、2週連続陽線引けとなり、下値を急角度で切り上げている。また、直近の陽線が昨年2月に付けた112.23を基点として上値を切り下げて来た流れから、しっかりと上抜けた位置で終えており、中期トレンドに変化が生じている。この週足サポートは106.50-60に位置しており、これを割り込んで越週しない限り、中期トレンドも“ドル強気”の流れに入った可能性が高くなっている。一方で、2017年1月に付けた118.60を基点として上値を切り下げて来た長期的な上値抵抗が109.30-40に位置していることや、2015年6月に付けた125.86を基点とする超長期的な上値抵抗が109.00~109.50にあり、110円台で越月しない限り、下値リスクを残した状態にある。短期トレンドが非常に強い状態にあるので、ドルの押し目買い方針継続とするが、108.80超えにある長期的な上値抵抗を一気に上抜けるにも無理があろう。今週の週足ベースで見た上値抵抗は108.80-90,109.30-40に、下値抵抗は107.20-30,106.50-60にある。可能性がまだ低いと見ているが106.50割れで越週した場合は下値リスクが点灯、105円割れで越週した場合は短・中期ともに“ドル弱気”の流れに戻すことになる。31週、62週移動平均線は104.93と106.48に位置しており、両者をしっかり上抜けており、中期トレンドは“ドル強気”の流れに入っている。 今週の戦略は、ドル買いは107.60-70で押し目買い。急落した場合の下値余地を107.10-20まで見ておく必要がある。損切りは106.90で一旦撤退。売りは108.40-50で戻り売り。損切りは108.70で浅めに一旦撤退。これが付いた場合は109.30~109.60ゾーンで再度売り向かい。損切りは110.10で撤退。 上値は、108.40-50、108.80-90,109.20-30,109.50-60に強い抵抗があるが、どこまでクリア出来るかトライする動きが継続しよう。109.60超えで越月するか、110円台で終えた場合は、長期トレンドも強気の流れに入る可能性が点灯する。下値は108.10-20に軽い抵抗が、107.80-90,107.50-60にやや強い抵抗が出来ており、現状下での下値余地はまだ限られる可能性が高いが、107.20-30,107.00-10,106.50-60の抵抗を全て下抜けた場合は、短期トレンドを“ニュートラル”な状態に戻して下値余地が若干拡がり易くなる。この場合でも106.20-30,105.90-00,105.50-60に一段と強い抵抗が控えており、105.00割れで終えない限り、短期トレンドは大きく変化しない。
ドル/円【日足】期間:2020/07/02~2021/03/05(移動平均線は21、120、200日、以下日足は同様)
ドル/円【週足】期間:2018/01/19~2021/03/05(移動平均線は31、62週、以下週足は同様)
ユーロ/円:“ユーロ強気”を維持。131円超えで終えれば一段の上昇へ。127.50割れを見た場合は“ニュートラル”に変化、127.00割れの越週で“ユーロ弱気”に変化。
直近の日足は実体が小さい陰線引けとなり、上値を追い切れずに小反落して終えているが、下げエネルギーの強いものではなく、下値を切り上げる流れを維持している。一方で個々の足が強い上昇エネルギーを持ったものではないことや、ユーロが対ドルで調整下げ局面に入っていることから、ユーロの急伸にも繋がり難いと見られる。短期トレンドの変化が認められないので今週もユーロの押し目買い方針継続とするが、131円超えで越週しない限り、上値余地も拡がり難い。また、日足が127.50割れで終えた場合は下値リスクが点灯する。さらに127円割れで越週した場合は、短期トレンドが変化してユーロの下落余地が一段と拡がり易くなる。日足の上値抵抗は129.50-60,129.90-00,130.50-60に、下値抵抗は128.50-60,128.20-30,127.70-80にある。21日、120日、200日移動平均線は、128.00,125.44,124.58に位置しており、短・中期トレンドは“ユーロ強気”の流れを変えていない。 一方直近の週足を見ると、実体の小さい陽線引けとなり、上値余地を探る動きが継続中だが、130円超えトライにも失敗しており、強い上昇エネルギーも感じられない。一方で、下値をゆっくりと切り上げる流れに変化が認められず、週足の形状も崩れていない。今週も、小反落を繰り返しながらも上値余地を探る動きが継続しよう。今週の週足ベースで見た強い抵抗が130.80-90にあるが、これを上抜けて越週した場合は新たな上昇エネルギーを得て一段の上昇へ。この場合は132~134円ゾーンにある強い抵抗をどこまでクリア出来るかトライする動きへ。逆に127.20-30に週足の下値抵抗があるが、127円割れで越週した場合は、短期トレンドが変化して、調整局面入りの可能性が高くなる。この場合は122~124円ゾーンにある強い抵抗をどこまで切り崩せるかトライする動きが強まり易くなる。今週の週足ベースで見た上値抵抗は130.00-10,130.80-90、132.00-10に、下値抵抗は128.00±10銭、127.20-30にある。31週、62週移動平均線は125.44と122.62に位置しており、中期トレンドは“ユーロ強気”の流れにある。 今週の戦略は、ユーロ買いは128.40-50で押し目買い。損切りは浅い場合で127.80,深い場合は短期トレンドを“ニュートラル”な状態に戻す127.40に置く必要がある。また、127円割れで越週した場合は、短期戦略を“ユーロの戻り売り”方針に転換。売りは様子見か130.70-80の吹き値があれば売り向かい。損切りは131.10で浅めに撤退。 上値は、129.40-50に軽い抵抗が、129.60-70,129.90-00に強い抵抗があるが、130.20-30の抵抗をクリアした場合は、130.50-60,130.80-90にある一段と強い抵抗をトライする動きへ。131.00超えで越週するか131.50-60の抵抗をクリアした場合は、上値余地がさらに拡がり易くなり、132~134円ゾーンの抵抗をどこまでクリア出来るかトライする動きが強まり易くなる。下値は、128.80-90にやや強い抵抗が出来ているが、これを下抜けた場合は、128.60-70,128.30-40,128.10-20,127.80-90にある抵抗をどこまで切り崩せるかトライする動きへ。さらに127.50-60の抵抗を下抜けた場合は下値リスクが点灯、127円割れで越週した場合は短期トレンドが変化して、一段のユーロ下落に繋がり易くなる。下値抵抗は126.50-60,126.20-30,125.60-70,125.10-20,124.60-70。(川合 美智子)
ユーロ/円【日足】期間:2020/08/18~2021/03/05(移動平均線は21、120、200日) ユーロ/円【週足】
当社に無断で複製または転送することは、著作権の侵害にあたります。民法の損害賠償責任に問われ、著作権法第 119 条により罰せられますのでご注意ください。尚、このレポートは情報提供を目的としており、投資の最終判断は投資家自身でなさるようお願い致します。