外為どっとコムが制作の協力をした「FX予備校」や、マネ育チャンネルで人気のひろぴーさん、ロンドン在住の松崎美子さんなど、FX著名人の書籍を手掛けているライターの高城泰さんに、FX業界の変遷、勝ち組トレーダーのこと、また偽トレーダーのことなどを伺いました。
前編はこちら
▼目次
1.生き残っている個人投資家の特徴は
2.テクニカルはシンプル 取引はPCがメイン
3.偽トレーダーの見分け方
生き残っている個人投資家の特徴は
高城:- あと、「生き残っている個人投資家」の傾向も、表にしてみました。
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PickUp編集部: - 表を作成いただきありがとうございます。人物像まで、結構はっきりとした傾向があるんですね。
高城:- FXで成果を出している個人投資家の特徴としては、「ゲーム」が上手な方が圧倒的に目立ちます。
「ゲーム」と言っても大きく2種類あって、ポーカーなど心理戦を楽しむものに長けた方。あとはパチンコなどの、期待値を考えて粛々とルールに沿って行える方、どちらかの出身の方が多いなと思います。
銀行のディーラーの方も、ポーカーが好きな方がいらっしゃいますね。 ある方は、アジアでポーカーのチャンピオンになったりしています。エミン・ユルマズさんもポーカーがお好きですよね。
心理戦に長けているというのは、今だったら「人狼」とかになると思いますけど、ゲームに強い方はFXが上手なのかなと思います。 -
PickUp編集部: - ゲームで数多く戦い慣れているというのが大きいんですかね。
高城:- ええ。ゲームに強い方は、メンタルも強いなと感じますね。
あとは、FXトレードをテクニカル分析からはじめたけれど、ファンダメンタルズに行く方も多いと思います。前述の田畑さんなどが該当します。
テクニカルだけだと、急に起きるファンダメンタルズ的なイベントで大やられになることがあるので、ファンダメンタルズの視点を持つことで危険を事前に察知し、結果生き残るのかなと思います。 -
PickUp編集部: - 田畑さんの1冊目の本「東大院生が考えたスマートフォンFX」では、需給などの具体的なテクニカル解説が多くて勉強になりました。2冊目の「武器としてのFX」を読んで驚いたのは、田畑さんがファンダメンタルズ分析に転向したことです。 転向の苦闘も、本の行間から読み取れました。 テクニカル分析の限界から、ファンダメンタルズ分析の力をつけ、見える世界が変わったんだと感じる事ができる内容でした。
テクニカルはシンプル 取引はPCがメイン
高城:- チャート分析がどんどんシンプルになるのもFX億トレーダーの特徴です。チャートに、ゴテゴテのインジケーターを載せている方は、見たことがないですね。
だいたい皆さん、水平線などシンプルな手法に行きつくようです。テクニカル分析といっても、せいぜい移動平均線かな。 -
PickUp編集部: - 取引環境はいかがでしょうか。
高城:- これまで取材した中で、スマホメインでFX取引している方は、いなかったです。PCをメインにしていますね。 余談ですが、人物としては、ほどほどの社交性がある感じでした。あと、意外かもしれませんが多くの億トレーダーは、はじめは比較的少額の資金からFXを始めているということですね。
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PickUp編集部: - 少ない資産から億トレーダーになったんですか?夢のあるお話しです。
高城:- マネ育チャンネルで取材したトレーダーの方をまとめてみました。
高城:- ちいさな元手ではじめて、何度か手痛い失敗を繰り返し、そうやって努力を重ねて資産をひとケタ増やす、みたいな感じですね。当然勝負をかけるタイミングもあったと思います。
あとは、億トレーダーからよく聞くコメントをまとめてみました。
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PickUp編集部: - この表を眺めると、「トレードの答え」を自分以外のものに求めている人は生き残る方に当てはまらなそうですね。
高城:- ええ。トレードの答えは自分で導き出すというのが基本だと思います。
億トレーダーのみなさんはご自身の投資判断の核心部分は、取材をしてもお話にならないんですよね。これは記事化が前提の取材だからかな、と思っていたんですけど、億トレーダー同士の会話でも、自身のトレードの核となるものは話さないことが後から分かりました。
FX初心者へも「今の相場ならこういうところを見たらいいんじゃないか」というヒントは示すんですが、あとは自分で見つけるように促している。 FXトレードで成功する方って、そのヒントをもとに考えることができる方なんだなあと思います。
「ヒントしか教えてくれないんだ」と言って聞き流してしまう方は、うまくいかないんだろうなと感じます。分析するのが好きだったり、苦にならない人が、FX投資で成功しやすいのかなと思います。
SNSが普及していて先輩トレーダーも様々な発信をしており、トレードのヒントはいろいろな方が出していると思いますので、しっかり受け取るのが大事だと思います。 -
PickUp編集部: - タイムリーなヒントは、すぐに検証すれば初心者トレーダーでも投資に役立てられるかもしれませんね。
高城:- 2020年は、ドル/円のボラティリティも高まってきていますし、ドル/円のスプレッドは0.2銭がスタンダードになりつつあるということで、FXを始めるには良い年だと思いますよ。
リピート系
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PickUp編集部: - ちょっとお話が戻るのですが、リピート系のFXについて、どんな特徴があるんですか
高城:- 自動で指値を入れる仕組みなので、放置しておけるという特徴があります。活用しているFX投資家の方も多いと思います。
ただ、最近リピート系で勝っている方を見ると、どんどん手間がかかるようになってきているなという印象です。 -
PickUp編集部: - 手間がかかる、とは?
高城:- 定期的に注文設定を見直すのですが、月に一回ですとか短い方は週に一回ですね。さらに、なにか経済イベントがあるときは止める、などされています。
・・・そこまで手間をかけられるなら、裁量トレードとあまり変わらないんじゃないかなと思います(笑)。
リピート系にメリットがたくさんあるのは分かるし、私も好きではあるのですが、最初からリピート系ではなく、裁量トレードからはじめて、ある程度FXに慣れてきて、FXの良いところ悪いところが分かってからリピート系をはじめたほうが、より有効に活用できるんではないかなと思っています。 -
PickUp編集部: - 裁量トレードでうまくいった方法に似たリピート系注文があれば、それを採用すればいい、という感じでしょうか。
高城:- そうですね。
私はFXでレンジ相場を予想しているときに高値と安値に注文を入れるのが面倒なのでリピート系を使うということが多いです。
リピート系以外に、すくみ系と呼ばれるスワップポイント狙いではなく各通貨の変動をバランスさせるような手法も発展しています。ただこれもうまくバランスさせるための計算が面倒という印象です。
偽トレーダーの見分け方
高城:- 私は、「マネ育チャンネル」のような、FX会社のオウンドメディアが出てきてよかったと思っているんです。
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PickUp編集部: - それはなぜでしょうか。
高城:- 紹介する予定の億トレーダーについて、FX会社のほうで取引口座を確認し、本当に実績のある方だけを取り上げていると思うので、オウンドメディアの記事に偽トレーダーの入る余地がないと思うからです。ですので、すごく良いなと思います。
FXの偽トレーダーにひっかからないために
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PickUp編集部: - 偽トレーダーと言えば、2020年1月に高城さんが書かれた「偽トレーダー」の記事を読みました。刺激的で、衝撃的な内容でしたね。
高城:- 読んでくださってありがとうございます。
突然ですが、私、いま、2億円持っているんです。
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PickUp編集部: - ええっ!!
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