(本記事は2020年8月13日に掲載された「FX初心者のためのヘッドアンドショルダーの見方とトレードで利用する方法とは? 」を、最新情報をもとにリライトしたものです。)
テクニカル分析の中には、チャートパターンを重視する手法があります。FX初心者がぜひ覚えておきたいのが「ヘッドアンドショルダー」というものです。なぜなら、ヘッドアンドショルダーの出現は、「トレンドが転換するシグナル」と考えられているからです。
(1)ヘッドアンドショルダーズ・トップ(三尊)
ヘッドアンドショルダーには2種類あります。まず「ヘッドアンドショルダーズ・トップ」です。こちらは相場の天井を示すチャートパターンとして知られています。2022年7月4日の米ドル/円相場でみてみましょう。
ヘッドアンドショルダーズ・トップの例
(外為どっとコム『外貨ネクストネオ「GFX」』より作成)
チャートが3つの山と2つの谷を形成しています。その値動きが人の頭(ヘッド)と左右の肩(ショルダー)を構成しているように見えることから、そのように呼ばれています。また、仏教では仏像を安置する形式として、3つの仏像(真ん中の「中尊」と左右の「菩薩」)を1組として並べて、「三尊像」と呼びます。「ヘッドアンドショルダーズ・トップ」は、これに形が似ていることから、日本語では「三尊」と呼ばれています。
ヘッドアンドショルダーズ・トップは最初の高値でできた山を2度目の高値で更新して、さらに高い山を形成します。ところが、3度目の高値は1度目を超えることができず低い山となり、二つの谷から引いた「ネックライン」を抜けて、チャートはそのまま下落していきます。ネックラインを下回ったら「売り」のシグナルが点灯です。
(2)ヘッドアンドショルダーズ・ボトム(逆三尊)
「ヘッドアンドショルダーズ・ボトム」はヘッドアンドショルダーズ・トップの逆の形で、底値を示すチャートパターンとされています。そのため「逆三尊」というような言い方もされます。
ヘッドアンドショルダーズ・ボトムの例
こちらも2022年7月4日の米ドル/円相場で出現したヘッドアンドショルダーズ・ボトムです。最初に相場が下落して安値をつけると反発、再び下落して1回目の安値よりもさらに安値を付けた後に反発、もう一度下落しますが、最初の谷よりも高い位置で反発します。二つの山で引いたネックラインよりもチャートが抜けたところで「買い」シグナルは点灯です。
ヘッドアンドショルダーで重要なネックライン
ヘッドアンドショルダー・トップ、ボトムの見方で重要な役割を果たしているのが「ネックライン」です。ヘッド(頭)とショルダー(肩)に対して首(ネック)のように見える部分に引かれることから名付けられています。
ネックラインがなぜ重要かというと、そのラインが「レジスタンスライン」や「サポートライン」になることが多いからです。先ほどご紹介した2つのチャートでもネックラインを引きましたが、ローソク足がネックラインにタッチすると、多くのトレーダーが、それぞれの思惑を持ちながら、「売り」や「買い」を仕掛けてくるので、価格が動くポイントになりやすいのです。
ヘッドアンドショルダーがチャートに出現したら、上位の時間足に切り替えてみましょう。本当にトレンドが転換したのか、それとも元のトレンドに戻っていくのかを確認してください。
判断を間違えたときは、迷わず「損切り」
ヘッドアンドショルダーは多くのトレーダーが意識するチャートパターンです。実際のトレードに生かせる場面が少なくありません。
ただしヘッドアンドショルダーが出現したからといって、「必ずネックラインから下落する」とか、「反発する」とか、決め打ちしすぎないようにしましょう。ヘッドアンドショルダーに限りませんが、テクニカル分析は「そうなる可能性が高い」というだけで、「必ずそうなる」わけではないからです。
ヘッドアンドショルダーにもとづいてエントリーしたものの、思惑通りに値が動かないケースもあるでしょう。その場合は、直近の高値や安値など、適切なポイントで確実に「損切り」することも大切です。FXではリスクを最小限に抑えることが、もっとも重要だからです。
PickUp編集部
さらに詳しいテクニカル分析の紹介はこちらから!
FX投資が初めての方へ!FXの魅力や特徴(初心者編)はこちら
本サイトに掲載する情報には充分に注意を払っていますが、その内容について保証するものではありません。また本サービスは、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであって、投資勧誘を目的として提供するものではありません。投資方針や時期選択等の最終決定はご自身で判断されますようお願いいたします。なお、本サービスの閲覧によって生じたいかなる損害につきましても、株式会社外為どっとコムは一切の責任を負いかねますことをご了承ください。