毎日、会社で忙しく働きながら、FXで年間約200万円近い利益を上げているKさん。情報は新聞やテレビのニュースだけで十分だといいます。テクニカル分析などは利用していないのでしょうか。具体的な投資手法、FXの楽しさ、今後の目標などについて伺いました。
I・K氏 プロフィール
年齢性別:20代男性
職業:化学メーカー勤務
取引歴:約3年
FXの年間収支:約200万円
投資商品:個別株とFX
趣味:ゴルフ
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若手トレーダーKさんに聞く!(前編)「確率論で攻めるFX」
SNSにバリューなし
- PickUp編集部:
- 情報収集にSNSは利用されていますか?
- Kさん:
- SNSは嫌いなので、見ていないですね。自分に都合のいいニュースだけを、ツイッターで引用しているのが大嫌いで(笑)。リアルで話せない人が、SNSで発散しているようですが、そこにはあまり意味がないと思っています。取引結果や内容を周りに言えるのは、もうけているからですよ。SNSに書く人は、その逆なのでは?(笑)
- PickUp編集部:
- たしかに、SNSはだいたいが匿名情報ですね。
- Kさん:
- だから大嫌いなんですけれど、「Yahoo!掲示板」はたまに見ています。その理由は、調子に乗って、四六時中あおりまくる人がいますよね(笑)。それに“イラっ”としたときは、「取引をしてはいけない」と思うようにしているからです。買いポジションしか持ってない連中が、「買え!買え!」って、大騒ぎしているんだと思うんですが(笑)、それに“イラっとしたということは、自分の精神状態がかなり悪いということです。情報源として使えるなって思う人は、ひとりだけです。テクニック的にとてもいい発言をしている人がいて、一回だけ絡みました。それ以外に、SNSはバリューのない世界ですよ。
- PickUp編集部:
- テクニカル分析などは参考にされていますか?
- Kさん:
- 凄く興味はありますが、自分の中でまだテクニカル分析について100%活用できる程の分析ができていないのが現状です。中途半端な状態でトレードに活用するわけにはいかないため、今はチャートを眺めながらトレンドを掴む程度に留めています。
自動売買システムを構築したい
- PickUp編集部:
- 将来、専業トレーダーになる気はないですか?
- Kさん:
- 専業になるつもりはないですね。相場にずっと張り付いている時間はないですし、見ているローソク足も4時間です。ただ、私にはやりたいことがあって、自動売買システムを自分で組むのが夢なんです。ずっとデータサイエンスの研究を続けてきたんで、自分でプログラムを組み、取引したいなと思っていました。勝率51%になる可能性があるなら、「自分だったらこうやる」っていうアルゴリズムを考えたんです。そういう需要は、結構あるんじゃないかと思うんです。毎日、会社の仕事があるから、今はテクニカル分析などを利用した取引はできないんです。だから、自分の考えを反映させた自動売買システムで取引したいと思うんですが、それができないので、今みたいな“ニュース頼み”の取引スタイルになってしまう。それでもいいんですが、今とは違った取り組みができれば、リスクヘッジになるかもしれないなって思っています。
- PickUp編集部:
- ただ、弊社に限らず、高速で大量にプログラミング売買する行為は禁止なんですね。システム自体に影響が及んでしまう可能性もあるので。ただ、Kさんのお話をうかがっていると、投資に関する行動のすべてが「リスクコントロール」につながっていますね。高金利通貨には手を出さないで、ドル/円相場で取引されているところもそうですよね。
- Kさん:
- リスクが高い取引はちょっとね。勝てるものしかやりたくなかったですから。
枚数を減らし、細かくたくさん指値を入れる
- PickUp編集部:
- 平日の日中は当然のことですが、会社でお仕事をされていますよね。具体的にFXの取引はいつされているのですか?
- Kさん:
- FXを始めた当時は、四六時中でした(笑)。スマホでずっと見ていましたし、パソコンでも見ていました。もちろん、仕事はきちんとしていましたから、大丈夫でしたよ(笑)。現在は取引時間が相当減っています。指値で売買しているので、いつやったのかも覚えていないです。指値の期日も入れません。1回あたりの取引枚数を減らしたので、「何円になったら買う」というような指値を、細かく分けて、たくさん入れておくんです。ドルコスト平均法的な発想です。為替レートが指値に達したら、スマホが「ブーブー」と鳴るような設定してあるので、その時点から相場を見始めます。そこから何度もレートは“行ったり来たり”するので、様子を見ながら、最終的に自分で決済ボタンを押して約定します。だいたい昼休みを利用しています。
そういうやり方をすれば、次に見るのは夕方ですし、仕事に支障もありません。とても楽に取引できています。1本を決済したら、また、新しい指値を1本 “装填”します。例えば、今はドルが下がっていく相場ですから、ほんの少し戻したところで利益を確定しています。1ドル110円のような“大物”を狙っているわけではなく、正直、相場もどうなるか分かりませんから、104円台まで下げたら買って、106円台に戻ったところで利確する。為替変動のペースを見ながら、「次はもう少し下の値段でエントリーしようかな」というような具合で、細かい取引を積み上げています。
決済ボタンを押す瞬間が“シビれ”ます!
- PickUp編集部:
- FXの楽しさって何ですか?
- Kさん:
- 単純ですが、自分の読みが当たったらうれしい。お金が増えたらうれしいってことですね。決済ボタンを押す瞬間はたまらない。もうシビれます(笑)。
- PickUp編集部:
- 金額的な目標はありますか?
- Kさん:
- 特にありません。FXで1000万円を稼ぎたいとか、1億円を貯めようとか、特に目標を立てているわけではありません。目標があると、その目標を早く達成しようとして、無理なポジションを持ってしまうことがあるので、逆に目標はないほうがいいのかなと思っています。
- PickUp編集部:
- それで投資のモチベーションは保てますか?
- Kさん:
- いやいや、「利確」があるじゃないですか(笑)。利益確定ボタンを押す時の快感はたまりませんよ。
向いていない人には勧めない
- PickUp編集部:
- 稼いだお金の使い道は考えていますか?
- Kさん:
- 実は、もうすぐ結婚するんです。
- PickUp編集部:
- 本当ですか!おめでとうございます!!
- Kさん:
- どうもありがとうございます。稼いだお金は結婚のための費用に使ったので、儲けは全部なくなりました。FXの元手の一部は、結婚するときの資金として親からもらったお金だったんです。最初の1週間で180万円が溶けちゃったときは、“ヤバかった”ですが(笑)、結局、増やせたので、今は「良かったな」と思っています。
- PickUp編集部:
- FXをしていることを、周りの人たちに話していますか?
- Kさん:
- 別に隠すようなことではないので、おおっぴらにしています。ただ、親が知ったときは、「大切なお金なのに」しっかり運用してねと、言われちゃいました(笑)。
- PickUp編集部:
- 周囲の反応はどうですか?「FXって怖くない?」みたいなことは言われませんか?
- Kさん:
- やったことがないと、そういう反応になるでしょうね。周りの人たちにはオススメしていません。やっぱり投資なんでリスクがありますし、25倍までレバレッジがOKという、“甘い誘惑”がFXにはあります。並大抵の努力では、確実に稼ぐのが難しいと思います。私自身はFXの楽しみを知ってしまったので、抜け出す気はありませんが、自分の周りには、「向いている人がいないな」と思っています。同僚ともFXの話をします。私が利益を出していることを知ると、お金を預けようとするんです(笑)。自分で勉強はしたくないし、リスクも取りたくないけれど、お金だけは稼いでもらおうとするんです。元本がなくなる可能性もあるのに(笑)。
リスクコントロールできるならいいよ
- PickUp編集部:
- Kさんのようになりたいと思っている初心者のトレーダーに伝えたいことはありますか?
- Kさん:
- 知っているトレーダーには、長生きしてほしいです。いや、早く撤退してもらったほうがいいのかな?(笑)市場にお金だけばらまいてもらうのがいいのかな?自分に関係がない人なら、「派手にやってください」っていうのが、正直なところかも(爆笑)。
冗談はさておいて、真面目な回答としては、リスクコントロールできる自信があって、取引を楽しめるなら、やればいいと思います。もともと投資が好きな人には、FXはオススメかもしれません。「損」まで楽しめるのが投資だと思うんです。「損切り」という行為を受け入れられる人間は真の投資家だと思います。投資は損をすることが前提と思うからです。
- PickUp編集部:
- リスクコントロールができて、「損」を楽しみながら、勝率の高い取引をする自信がある人には、FXはオススメということですね。今日はどうもありがとうございました。
PickUp編集部
2~3円の間にたくさん指値を装填し、相場状況を見ながら約定して、コツコツと利益を積み上げるというドルコスト平均法の手法を取り入れたKさんの投資スタイルは、本業が忙しい兼業トレーダーでも、FXで着実に利益が出せる最適な手法のように思えました。投資で一番大切なことは、リスクをしっかりとマネジメントできる自分なりの投資スタイルを見つけることではないでしょうか。
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若手トレーダーKさんに聞く!(前編)「確率論で攻めるFX」