(1)
欧州株が堅調に推移する中、円売りがやや優勢となった。中国国家発展改革委員会(NDRC)が、戸籍制度の改革などで、内需刺激に向けて2019年と20年の可処分所得を引き上げる対策を打ち出すと発表した事などで市場心理が改善した模様。
(2)
米7月住宅着工件数は年率換算119.1万件と市場予想(125.6万件)を下回った。一方、同建設許可件数は年率換算133.6万件と市場予想(127.0万件)を上回った。
(3)
米8月ミシガン大消費者信頼感指数・速報値は92.1と予想(97.0)を下回り、7カ月ぶりの低水準となった。
(4)
独連立政権は、ドイツ経済が景気後退(リセッション)入りした場合、財政均衡ルールを撤廃して新たな借入れを行う用意を整えると独誌が報じた。これを受けてユーロ買いが強まると、ユーロ/円は118.10円台に上昇した。
(5)
中国やドイツの政策対応期待で世界景気後退への懸念が和らぐ中、米国株が引けにかけて上げ幅を拡大。米長期金利も上昇したが、週末を控えて為替市場の動意は薄くドル/円やクロス円は小幅な値動きに留まった。
ドル/円の見通し
16日のドル/円は106円台前半で小幅な値動きながらも底堅く推移し、終値ベースで約0.3%上昇した。世界的規模での株安・長期金利低下の流れがこの日は一服。中国が内需の刺激に向けて、可処分所得を引き上げる対策を打ち出すと表明した事や、一部報道で独政府は財政均衡ルールを撤廃して債務拡大に動く用意があると伝わった事で市場心理が改善した。
本日は、中国通信機器大手ファーウェイへの輸出禁止措置を巡る米国の動きに注目が集まりそうだ。禁輸措置の猶予期間は本日で終了する予定だが、ロイターは16日に米政権が猶予期間をさらに90日延長する方針だと報じた。しかし、今朝方にはトランプ米大統領が「ファーウェイとは安保上の理由で取引したくない」と述べた事も伝わっている。仮に、禁輸措置が発動される(猶予期間延長なし)事になれば、市場はリスク・オフに逆戻りしかねないだけに要注目となろう。