海外特派員
トルコ大統領選挙の決選投票が5月28日(日)に実施され、現職のレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領が過半数(52.18%)を獲得して再選しました。
トルコ大統領選は、共和人民党 (CHP) 党首のクルチダルオール候補が優勢という国内外の大方のマスメディアによる事前予想(と期待)に反して、エルドアン大統領がクルチダルオールに250万票の差をつけましたが、両者とも過半数の票を獲得することができず、…
大地震前の政局の動き 今回の選挙の争点のひとつは、野党が主張する集中型大統領制の廃止と三権分立を保証する強化型議院内閣制の復活です。野党は2018年に大統領選が導入されたことを受けて、2023年の選挙を目指して早くから同盟関係の構築を模索していまし…
常態化していたトルコのインフレ 筆者はまだ日本に住んでいた1984年と1988年にトルコ国内を旅行したことがあります。当時、観光バスで通りすぎるあちこちの都市の銀行では「80%」とか「100%」という数字が建物のウィンドウに書かれていました。ガイドにあれ…
トルコ共和国は1923年10月29日に建国され、今年建国100周年を迎えます。5月14日(日)には大統領選挙と国政選挙が同時に実施されます。この20年間トルコで政権を掌握し、国際社会でのプレゼンスを高めてきたレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領が再選…
トルコでは、昨年秋から始まった金融政策の失敗により未だに物価が上昇し続け、3月のインフレ率は前年比61.4%と、20年ぶりの高水準となりました。値上がりしているのは食料品や日用品などの生活必需品だけではなく、家賃と住宅価格も大幅な上昇を続けていま…
2月24日未明、ロシアがウクライナに対する軍事侵攻を開始しました。これを受けて、トルコのエルドアン大統領は同日、「ロシアによるウクライナ侵攻は到底受け入れられるものではない」という声明を発表しました。トルコにとってウクライナは黒海を挟んだ対岸…
インフレ 昨年12月20日、トルコ政府の奇策によりトルコリラが急騰した日から1か月余り経ちました。今月20日、5回連続の利下げが避けられたことで、トルコリラは対ドルで13.2~13.5リラとほぼ安定しています。しかし、12月20日までに1ドル18リラ超えを記録す…
昨年の12月20日夜、トルコリラの急騰を受けて、エルドアン大統領により突然発表された新たな銀行預金システム「為替補償付きリラ建て定期預金」。これは、為替レートが上昇すれば、リラ建て定期預金との間で生じる差額を政府が負担するという預金です。この…
トルコでは、12月20日夜、ドル、ユーロ、金がトルコリラに対して30%以上急落した後、物価は下がる気配を見せず、マーケットに足を運んでもほとんどの商品は以前と同じ価格で販売されていました。政府の利下げ政策と巨額のドル売りの狙いは、トルコリラの安定…
12月20日夜、トルコリラは史上初めて対ドルで30%以上も急騰し、世界を驚かせました。 20日の朝、トルコのテレビのニュース番組で流されるテロップには、「利下げ以外、私に何も期待するな」というエルドアン大統領の発言が繰り返し流れていました。この発言…
トルコでは、今年の前半にCOVID-19の陽性者や死者が急激に増加したことを受けて、マーケットや病院などへの外出以外を禁止するほぼ完全な外出禁止令、その後陽性者数が減少し始めてからは、日常生活の段階的正常化を目指す平日と土曜日の夜間および日曜日の…
12月17日、エルドアン大統領が来年の最低賃金(月額)を発表するのを全国民が固唾を呑んで待ち続けるなか、トルコリラは相変わらずジリジリと下落し続けました。前日に1ドル=15リラ台の最安値を記録したばかりなのに、17日の正午には16リラ、最低賃金が発表…
こんにちは、戸田です。 本日は「全人代後の為替相場」と題しまして、先週閉幕した全人代の注目材料を踏まえ、今後の為替相場がどのように動いていくか?考察していきたいと思います。 本記事は以下4項目で構成しました。 ⦁現在までの為替相場 ⦁全人代、公…
みなさんこんにちは。戸田です。 本日は「【新常態】舞戻る消費と再燃する米中貿易摩擦、為替はドル高」と題しまして、新型コロナの現状と、米中関係を踏まえて、為替相場への影響について考えていきたいと思います。それでは早速みてまいりましょう。 1.現…
トルコで発令された外出禁止令 区役所から支給されたコットン製マスク 1世帯につき2枚 トルコでは、4月10日午後10時頃、広域30都市(日本の政令都市にあたる)と炭鉱があるため肺疾患患者の多いゾングルダク県で、同日24時から48時間の外出禁止令が内務省よ…
トルコにおける新型コロナウイルス対策 第3報 トルコでは、3月10日に新型コロナウイルス感染者が初めて確認され、17日に感染者が初めて死亡してからわずか1か月足らずで、感染者総数42,282人、死亡者数908人(4月9日現在)に達し、感染者、死亡者共に急激に…
1.経済政策 3月17日、トルコ中央銀行は金融政策決定会合を2日前倒して開催して政策金利の1週間物レポ金利を1%引き下げて9.75%とすることを決定し、政府目標である政策金利一桁を達成しました。翌18日には、エルドアン大統領主催の新型コロナウイルス対策調整…
みなさんこんにちは。上海の戸田裕大です。 本日は人民元トレードで必ず押さえておきたい情報についてまとめました。前回寄稿分「トレードに役立つ人民元の特徴」と合わせて確認して頂くとより一層理解が深まると思います。それではさっそくみていきましょう…
トルコでは、長年慢性的な高インフレに悩まされてきました。特に、1980年代から現与党の公正発展党が政権を執る2002年頃までは毎年年率60~125%のハイパーインフレが続きました。国民はお金が手元に入れば、まず、いつ値上がりするかわからない食料品や生活…
みなさん、こんにちは。上海で中国金融リサーチを行っております戸田です。 本日は『トレードに役立つ人民元の特徴』としまして、特に個人投資家の方に覚えて頂きたい人民元の特徴について5点に絞ってご案内いたします。これら5点を覚え、トレードに役立て…
昨年12月中国の湖北省武漢で発生し、現在全世界で感染が拡大している新型コロナウイルスについて、トルコでは国内への感染を防ぐために、今年1月以降次のようなさまざまな対策を行ってきました。 1.医療関連 まず、保健省科学委員会が医療専門家向けに『2019…
中国で活躍する若竹コンサルティングの代表、戸田裕大氏に今回の新型コロナウイルスと人民元の関係について緊急レポートを公開する。 3つの視点から新型コロナウイルスと人民元相場を分析 本日は新型肺炎が与える人民元相場への影響についてご説明させて頂く…
周知の通り、中国はインターネットの時代を迎えてからアリババや騰訊などの新しい企業が多く生まれました。それらの活動によって中国では買い物に現金を持ち歩かなくてよくなりました。最近では会計時にスマートフォンも使わなくていいように顔認証システム…
2019年末に貿易協議で第一段階の合意に達し、長い膠着状態からわずかに動きを見せだした米中の貿易摩擦問題。 しかしその根底には世界の覇権を巡る両国の思惑などが絡み合い、完全解決は非常に困難だとも言われています。 中国在住20年の筆者が、中国現地で…
※本記事は2019/6/10にイギリス特派員により執筆されています。 メイ首相は6月7日、正式に保守党党首からの辞任を発表した。これでメイ首相は次の首相が決定され次第、内閣を退く事になる。先月行われた辞意表明の会見では、彼女なりの今までの思いが、涙交じ…
PickUp編集部では、取引通貨国の情報を、より身近な個人投資家の目線で伝えるために、現地在住の方々から、生の情報を伝えていただく"特派員リポート"の配信を開始しました。 初回はブレクジットで議会が紛糾しているイギリスから、在英18年の日本人ビジネス…