総括
FX「トランプ攻撃 VS 楽観的な長期見通し」南アランド見通し
「通貨2位、株価9位」
「予想レンジ 南アランド円8.0-8.5」
(ポイント)
*今回は「長期投資家の南アへの見方」を取り上げました
*収用法をめぐるトランプ大統領の南アへの攻撃あるも南ア市場は落ち着いている
*ランドは12通貨中2位、株価指数も年初来5.5%高
*トランプ大統領は、南アへの支援を停止する大統領令に署名
*米国はアフリカーナーが差別から逃れて出国する場合に支援する
*米国の敵対的行動は、南アがイスラエルを大量虐殺で告訴したことにもよる
*南ア産出の鉱産物価格が上昇
*今週は消費者物価の発表
*BRICSは南ア支援に動くか
*一時停電後に回復
*南アは「投資適格」を目指す
*今年秋のAGOA法(南アから米国への免税輸出)の見直しが焦点
*リセッションとなるか。3Qはマイナス成長
(南アランドは円に次いで2位。株価もまずまず)
トランプ大統領の南アの「収用法」問題からの攻撃はあるが、ランドは健闘、年初来で2位、先週は一時円を抜いて首位に立ったが後半小緩み再び2位へ後退。南ア全株指数は年初来5.5%高。10年国債利回りは10.48%。
(今週は4Q失業率、1月消費者物価に注目)
今週は4Q失業率、1月消費者物価、12月小売売上の発表がある。
(南ア産出の鉱産物価格が上昇)
南ア産出の鉱産物価格が上昇している。年初来で金が9.66%、銀が11.25%、パラジウムが10.29%、プラチナが12.49%上昇、南ア経済を支えている。原油は乱高下しているが、原油は南アでは産出されていないのむしろ下落したほうがメリットがある。
(南アの投資家に「嬉しいサプライズ」が訪れる、その1)
トランプ大統領の収用法を巡る攻撃はあるものの、南アの投資家は、世界的および国内的な課題にもかかわらず、楽観的になる理由があるというリポートを紹介。
これはPSGウェルスの最高投資責任者パスク氏の発言であり、特に債券や不動産などの主要な資産クラスにおいて市場環境が大幅に改善していると指摘した。
経済指標も、投資家が戦略的な立場を維持し、十分に分散したアプローチを維持する限り、今後の環境はより好ましいものになることを示唆している。
「当初はインフレと金利に関する懸念があったものの、南アの市場は2024年に回復力を示した」と述べた。
南アのインフレ見通しも良好で、現在は目標レンジの下限付近にある。
これにより、金融政策委員会は、国内および新興市場における投資家心理を改善しながら経済成長を促進する余地を得ることになる。
2024年の最大の驚きの一つは、EskomとTransnetの改善。これは改善は投資家の信頼を高めた。歴史的には、インフラやガバナンスの問題をめぐるセンチメントが悪く、それが評価を押し下げてきた(その2に続く、後述)
テクニカル分析(ランド/円)
ボリバン3σ下限から反発も中位に届かず
日足、ボリバン3σ下限から反発も中位に届かず、雲の下。2月10日-14日の上昇ラインがサポート。2月13日-14日の下降ラインが上値抵抗。5日線上向く、20日線下向き。
週足、2週連続陽線、雲の上限。8月5日週-2月10日週の上昇ラインがサポート。1月27日週-2月10日週の下降ラインが上値抵抗。5週線上向く、20週線下向き。
月足、11月からの上ヒゲの長い足を反映して弱いが今月はここまで陽線。 23年6月-24年8月の上昇ラインがサポート。24年11月-25年1月の下降ラインが上値抵抗。5か月線下向く、20か月線上向き。
年足、24年は陽線。25年は陰線スタート。23年-24年の上昇ラインがサポート。08年-24年の下降ラインが上値抵抗。
喜望峰
南アの投資家に「嬉しいサプライズ」が訪れる、その2
国民統一政府(GNU)の設立により、よりバランスのとれた合理的な意思決定プロセスが生まれ、政策実施に対するより慎重なアプローチが促進された。
こうした変化の影響はすでに感じられており、南アの市場に資本が戻り始めており、経済回復をさらに後押ししている。
「南アにとって、今後の見通しは継続的な構造改善と経済政策の遂行にかかっている。インフレ動向も重要だ。インフレ率の低下と名目成長率の上昇が相まって、2025年には経済にプラスのサプライズをもたらす可能性がある」とパスク氏は述べた。
パスク氏は、世界的なリスクは残っているが、予想外の上振れの可能性も依然として同じくらい大きいと指摘した。
「いつものように、市場の不確実性を乗り切る鍵は、十分に分散され、戦略的に配置されたポートフォリオを維持することにある。投資家は、リスクが認識されているにもかかわらず、評価額が魅力的に見える分野を中心に、機会に対してオープンであり続けるべきだ。慎重なポジショニングにより、長期的な視点を持つ投資家にとって、2025年は再び好調な投資成果を上げる年となる可能性がある」とした。
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