シカゴIMM通貨先物ポジションの推移から為替市場の全体的な状況と投資マインドを読み解きます。
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部 中村勉
目次
▼IMMポジション ユーロ/ドル
ユーロネットショート大幅に増加
ドル/円
IMMポジション ドル/円
ポイント
【円ネットロング大幅に増加】
12月10日時点で円のポジションは、ドルに対して約2.6万枚の買い越し(ネットロング)。
ロングが積み増され、ショートが大幅に取り崩されたことから、ネットロングは前週から約2.3万枚増加。
期間中のドル/円相場は日銀の追加利上げ見送り観測報道や米国の利下げペース鈍化観測などにより、一時152円台まで上昇。
円安進行にもかかわらず投機筋は円売りポジションを手仕舞い、円買いポジションを積み上げた格好だ。その背景には、日銀が仮に12月利上げを見送っても、来年1月には利上げを行なうとの期待があったのかもしれない。
ユーロ/ドル
IMMポジション ユーロ/ドル
ポイント
【ユーロネットショート大幅に増加】
12月10日時点でユーロのポジションは、ドルに対して約7.6万枚の売り越し(ネットショート)。
ロングが大幅に取り崩され、ショートが積み増されたことで、ネットショートは前週から約1.8万枚増加。
期間中のユーロ/ドル相場は、「フランスの予算案を数週間以内に成立させることは可能」との見解を極右・国民連合(RN)の実質的リーダーであるルペン氏が示したことで、一時1.06ドル台に上昇したが、1.05ドル台前半まで押し戻された。
欧州中銀(ECB)が来年にかけて利下げペースを速めるとの観測や、ドイツおよびフランスの政治を巡る不透明感から、投機筋はユーロ先安観を強めたようだ。
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IMMポジション
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中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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