主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2024年11月13日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部 中村勉
目次
▼12日(火)の為替相場
(1):国務長官に対中強硬派起用の見通し
(2):英ILO失業率予想以上に悪化
(3):独ZEW大幅悪化
(4):ドル/円大統領選後の高値を上抜ける
(5):ミネアポリス連銀総裁「利上げ見送りの可能性」
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:米CPI次第で155円を試す動き/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
12日(火)の為替相場
期間:12日(火)午前7時10分~13日(水)午前6時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):国務長官に対中強硬派起用の見通し
トランプ次期米大統領がマルコ・ルビオ上院議員を国務長官に指名する見通しと伝わった。同氏は中国に対して強硬姿勢を示してきたことから、米中関係の悪化懸念が強まりリスク回避の円買いが優勢となった。
(2):英ILO失業率予想以上に悪化
英7-9月失業率(ILO基準)は4.3%と市場予想(4.1%)および6-8月(4.0%)を上回った。同週平均賃金(除賞与)は前年比+4.8%と市場予想(+4.7%)ほどではないものの6-8月(+4.9%)から伸びが鈍化した。英10月失業率は4.7%、同失業保険申請件数は2.67万件だった(前月4.7%、1.01万件)。
(3):独ZEW大幅悪化
独11月ZEW景気期待指数は7.4と市場予想(13.2)に反して前月(13.1)から低下した。構成項目の現状指数は-91.4へ悪化(前月-86.9)し2020年5月以来の低水準だった。欧州経済センター(ZEW)は、「ドイツに対する経済的な期待は米大統領選の結果とドイツの連立政権崩壊の影響を受けている」とした。そのうえで「調査期間の終盤には、早期の選挙実施の可能性により、楽観的な意見も増えつつあった」と指摘した。
(4):ドル/円3カ月半ぶり高値
米10年債利回りが4.4%台へ上昇したことを支えに、ドル/円は7月30日以来となる154.92円前後まで上値を伸ばした。クロス円はストレートドルが下落したことで上値が抑えられた。
(5):ミネアポリス連銀総裁「利上げ見送りの可能性」
米ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁は12月の米連邦公開市場委員会での利下げについて、「インフレが予想外の上振れを見せれば、利下げを一時停止する可能性もある」と述べた。一方で、「12月までに労働市場が実際に加熱するとは考えにくく、それほど時間はない」との見解も示した。
12日(火)の株・債券・商品市場
ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)
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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:米CPI次第で155円を試す動き
昨日のドル/円は終値ベースで約0.6%上昇。主要通貨に対してドルが全面的に強含んだほか、米10年債利回りが上昇したことも相まって、一時154.92円前後まで上値を拡大した。 トランプ次期米大統領の掲げる政策は米国のインフレを再加速させかねないと市場が受け止めていることから、本日もドル買い地合いは続きそうだ。 そんな中、本日は米10月消費者物価指数が発表される。昨晩、米ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁が「予想外に物価が上振れれば、12月の利下げを見送る可能性がある」との見方を示している。 また、現在市場では12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での25bp(0.25%ポイント)の利下げを6割程度織り込んでいることからも、米10月CPIの好結果を受け、利下げ観測が後退した場合には心理的節目となる155円を試す動きとなりそうだ。 一方で、154円台後半は今月7日に三村財務官が円安をけん制した水準でもある。本邦当局者からの発言には注意が必要だろう。ただ、市場の流れがドル高に傾いている現状では、けん制発言によりドル/円が下落した場合には「買い場」として意識されそうだ。
注目の経済指標:米CPI
注目のイベント:FRB高官発言
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中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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