総括
FX「予算案=南ア経済の成長見通しは改善する」南アランド見通し
「通貨首位、株価8位」
「予想レンジ 南アランド円8.4-8.9」
(ポイント)
*南アランド首位堅持、株価まずまず、長期超金利も安定
*10月の製造業PMIは低下も50を2カ月連続で上回った
*予算、南ア経済の成長見通しは改善すると予想
*格上げ示唆、モルガン・スタンレー
*政府は4つの主要分野に経済成長戦略を据える
*弱点は 雇用と亀裂
*9月消費者物価は4%割れ
*中銀総裁がランド高示唆
*IMFは成長見通しを上方修正
*BRICS会議でのラマポーザ大統領発言にDAが批判
*インフレ目標引き下げは可能
*南アの弱点は高い失業率に不満、スト続く
*アゴア法適用継続で南アの対米輸出への恩恵続くが、ガザ問題で関係悪化も
(南アランド首位堅持、株価まずまず、長期超金利も安定)
南アランドは10月は5位、年間では首位を維持。対円で年初来12.47%高。株価指数は年初来12.1%高。10年国債利回りは9.32%。メキシコと違って海外から資金流入し金利が上昇しない。
(10月の製造業PMIは低下も50を2カ月連続で上回った)
アブサ10月の製造業PMIは52.6と、前月改定値の53.3から低下した。 好不況の分かれ目である50を2カ月連続で上回った。これは2023年序盤以来初めて。
企業活動と新規受注は今回も好調。さらなる明るい兆しが見えているという。
アブサは「利下げの一部恩恵が遅れて浸透する中、内需は上向くと予想される」と指摘。年金制度改革に伴って9月から退職前に一部基金の引き出しが可能になったことなどが個人消費をさらに押し上げる可能性があるとした。
(予算、南ア経済の成長見通しは改善すると予想)
政府は中期予算方針で、今後3年間に財政赤字と債務が拡大するとの見通しを示した。電力供給の改善により、経済成長の見通しは明るくなったとしている。
本年度の連結財政赤字はGDP比率が5.0%と、2月に予想した4.5%より大きくなるとした。来年度の見通しは4.3%で、やはり前回予想の3.7%から拡大した。
政府は、特に燃料税と輸入品の付加価値税の徴収が減り、税収が打撃を被ると説明。ゴドングワナ財務相は「成長が加速せず、対外リスクにも直面しているため、税収は圧迫され続け、われわれは難しい決定を迫られる」と述べた。
総債務の対GDP比率は来年度にわずかに上昇して75.5%になると予想した。
2024年の経済成長率見通しは1.1%とし、2月予想の1.2%から下方修正。25年は1.7%と、今年2月予想の1.6%から上方修正した。
財務省は、エスコムが計画停電を中止したことや、連立内閣樹立を受けた投資家信頼感の改善により、中期的な成長見通しは改善していると説明した。
(格上げ示唆、モルガン・スタンレー)
モルガン・スタンレーは、南ア国債はまもなく「ジャンク債」から格上げされる可能性があるとした。数年にわたる低成長の後に経済見通しが改善しており、財政指標の改善につながり、ジャンク債格付けの引き上げも間もなく実現する可能性があるという。
アフリカ民族会議(ANC)が5月29日の総選挙で1994年以来初めて議会の過半数を失った後、ビジネス寄りの政党と連立政権を組んで以来、アフリカ大陸で最も工業化された経済における前向きな動きとなっている。ラマポーザ大統領が実施した改革も見通しを押し上げ、多国籍企業による投資の波を引き起こし、ランド、債券、ベンチマーク株価指数の上昇をもたらした。
S&Pは11月15日に格付けの見直しを発表する予定だが未確定。フィッチとムーディーズは今週の予算発表後に最新情報を発表する可能性がある。
(弱点は 雇用と亀裂)
良いことばかり上げてきたが、弱点もある。30%超える高い失業率や上述のイスラエル問題などで連立政権の亀裂が深まる可能性があることだ
テクニカル分析(ランド/円)
ボリバン上位で横ばい推移
日足、ボリバン上位で横ばい推移。5日線。20日線上向き。10月21日-31日の上昇ラインがサポート。10月30日-11月1日の下降ラインが上値抵抗。
週足、先週はほぼ寄り引き同時。9月30日週-10月21日週の上昇ラインがサポート。7月8日週-10月28日週の下降ラインが上値抵抗。5週線が20週線を上抜く。
月足、3週連続陽線。8月、9月の下ヒゲ効果あった。ボリバン2σ上限近い。8月-9月の上昇ラインがサポート。7月-10月の下降ラインを上抜くか。5か月線下向く、20か月線上向き。
年足、陽線維持。21年-23年の上昇ラインがサポート。08年-22年の下降ラインを上抜く。
喜望峰
政府は4つの主要分野に経済成長戦略を据える
中期的には、政府は包括的な成長を支援するために、4つの主要分野に経済成長戦略を据える予定。
財政戦略は、包括的な経済成長を支えるために必要な財政の持続可能性を達成することを目指している。この戦略は、競合する要求を慎重に比較検討し、財政的制約を考慮して、最も緊急なものと待たなければならないものの間で必要なトレードオフを行っている。また、この戦略は重要な社会サービスを支援し、将来に待ち受ける重大な財政的および経済的リスクにも対処している」と述べた。
4 つの主要な柱は次のとおり。
マクロ経済の安定の維持
構造改革の実施
国家能力の構築
成長を促進する公共インフラ投資を支援する。
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