目前に迫った2024年のアメリカ大統領選。トランプ氏・ハリス氏の大接戦で、勝敗の行方は見通せない。そんな中、どちらの候補が勝つとドル円は上がるか、下がるのか…外為どっとコム総合の宇栄原研究員がザックリまとめ解説ののちチャート分析を軸に大胆予想します。
動画で見通しを解説
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2024/11/1~
米大統領選とドル円予想 まとめ
1. 選挙の概要
いよいよ来週11月5日(日本時間6日朝方から開票)にアメリカ大統領選挙が実施されます。今回の選挙は、民主党ハリス氏と共和党トランプ氏の一騎打ちとなりますが、世論調査ではトランプ氏がやや優勢とはいえ、歴史的な接戦が予想されています。当日まで勝敗の行方は全く予測できない状況です。
2. トランプ氏勝利シナリオ
短期的影響
もしトランプ氏が勝利した場合、市場は大きく反応するでしょう。特に注目されるのがドル円相場への影響です。トランプ氏の政策として掲げられている関税引き上げ、移民規制強化、減税政策などは、アメリカ経済に大きな影響を与えると予想されています。これらの政策は、人手不足の深刻化やインフレ圧力の上昇を引き起こし、結果として長期金利の上昇、そしてドル高につながる可能性が高いと見られています。
中長期的影響
しかし、長期的な視点では注意が必要です。トランプ氏の政策による財政赤字の拡大は、アメリカの財政状況を悪化させる可能性があります。これにより、海外からの投資が減少し、最終的にはドル安に転じるリスクも指摘されています。
3. ハリス氏勝利シナリオ
ハリス氏が勝利した場合、まず市場では「トランプトレード」の巻き戻しが起こると予想されます。これは一時的なドル安を引き起こす可能性が高いでしょう。ただし、ハリス氏は現バイデン政権の政策を基本的に継続すると見られており、長期的にはドル高方向への展開が予想されています。
4. 議会選挙の影響
大統領選挙と同時に行われる議会選挙も、為替市場に大きな影響を与えます。現在の予想では、下院は共和党優勢、上院は接戦とされています。大統領と議会の支配政党の組み合わせによって、市場の反応は大きく異なってきます。例えば、トランプ氏の勝利と共和党の議会支配が重なれば、最もドル高に振れやすい展開となるでしょう。
5. 相場見通し
ドル円の想定レンジ
具体的な数字で見ていくと、上値は現在の水準から155円を超えた場合、次の目標として158円が意識されます。一方、下値は150円の大台が重要な節目となり、これを割り込むと147円近辺まで下落する可能性があります。つまり、選挙結果次第で約5円程度の変動が予想されます。
6. 投資戦略への示唆
このように大きな相場変動が予想される中、FX個人投資家はどのように対応すべきでしょうか。最も重要なのは、選挙結果が確定してから取引を開始することです。また、単に選挙結果だけでなく、その後の政策展開も注視する必要があります。
予想を超える相場の動きも考えられますので、ポジション管理には特に慎重な姿勢が求められます。リスク管理を徹底し、市場の動きを十分に確認してから取引を行うことが、今回の選挙相場では特に重要となるでしょう。
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宇栄原 宗平(うえはら・しゅうへい)
国際テクニカルアナリスト連盟 認定テクニカルアナリスト(CFTe) 2015年から金融業界に参入し、顧客サポートなどに従事。また金融セミナーの講師としても活躍する。2022年2月(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。これまでの経験や知識を活かしながら、FX個人投資家へ精力的な情報発信を行っている。経済番組専門放送局「ストックボイス」や、ニッポン放送『辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!』でのレギュラー解説ほか出演多数。マネー誌『ダイヤモンドZAi(ザイ)』にてドル円・ユーロ円見通しを連載中。
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