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ユーロ/円の10月見通し「ユーロと円の弱さ比べへ」

【外為総研 House View】

House View

執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也

目次

▼ユーロ/円
・ユーロ/円の基調と予想レンジ
・ユーロ/円 9月の推移
・9月の各市場
・9月のユーロ/円ポジション動向
・10月のユーロ圏注目イベント
・ユーロ/円 10月の見通し

ユーロ/円

ユーロ/円の基調と予想レンジ

ユーロ/円 9月の推移

9月のユーロ/円相場は155.141~163.494円のレンジで推移し、月間の終値ベースで約1.0%下落した(ユーロ安・円高)。上中旬はドル/円の下落につれて軟化したが、12日の欧州中銀(ECB)理事会と20日の日銀金融政策決定会合で潮目が変わり、一時は月初来で上昇に転じた。しかし、27日の自民党総裁選で石破氏が勝利(高市氏が敗北)したことで円買い主導で再び下落した。ECBは12日、政策金利を25bp(0.25%ポイント)引き下げたが、ラガルド総裁は今後の利下げペースについて「データ次第」の姿勢を強調。ドイツを中心に景気悪化の懸念はくすぶるものの、市場は次回10月の追加利下げを十分に織り込めないままだったためユーロの下値は限られた。一方、日銀は20日、政策金利を0.25%に据え置いた上で植田総裁が追加利上げに慎重な姿勢を示した。16日に155.14円前後まで下落していたユーロ/円は、植田日銀総裁のハト派発言で160円台を回復した。仏独9月購買担当者景気指数(PMI)の低下などで伸び悩む場面もあったが、本邦自民党総裁選の開票速報を眺めながら27日に163.49円前後まで上伸。ただ、自民党総裁選は石破氏が逆転で勝利すると円売りの巻き戻しが入り失速した。

始値 高値 安値 終値
161.413 163.494 155.141 159.975


出所:外為どっとコム「外貨ネクストネオ」

6日
独7月鉱工業生産は前月比-2.4%と市場予想(-0.5%)以上の落ち込みとなった。自動車生産が-8.1%の大幅減となり全体を圧迫した。同時に発表された独7月貿易収支は168億ユーロの黒字となり、黒字額は市場予想(209億ユーロ)を下回った。

12日
ECBは市場予想通りに利下げを決定。預金ファシリティ金利を3.75%から3.50%へ、主要リファイナンス・オペ金利を4.25%から3.65%へと引き下げた。引き下げ幅も予想通りだった。声明では「賃金が依然高いペースで上昇しており域内のインフレ率は依然として高い」と指摘。「だが、労働コスト圧力は緩やかになり、賃金上昇がインフレに与える影響を利益が部分的に緩和している」とした。ラガルド総裁はその後の会見で、今後の利下げについては「データ次第」だと強調。「金利の道筋は事前に確約しない」「進む方向は明確だがペースも規模も未定だ」と言質を与えなかった。

13日
ユーロ圏7月鉱工業生産は前月比-0.3%と市場予想通りに低下。独連銀のナーゲル総裁はその後、「データは昨日の利下げを正当化している」「インフレは年末までに2%に到達すると予想している」などと述べた。また、ラガルドECB総裁は「金利の動きについては、データを注視する」として前日の発言を繰り返した。

17日
独9月ZEW景気期待指数は3.6と市場予想(17.0)を下回り、今年最低の水準に低下した。欧州経済センター(ZEW)は「景気の早期改善への期待は目に見えて薄れつつある」「ユーロ圏景気見通しの後退は悲観的な見方が総じて強まっていることを示唆するが、ドイツの見通しは著しく悪化している」との見解を示した。

23日
仏9月総合PMI・速報値は47.4と市場予想(51.5)を下回り、前回(53.1)から急低下。サービス業の景況感が大きく悪化した。その後、独9月製造業PMI・速報値は40.3と市場予想(42.3)および前回(42.4)を下回った。同サービス業PMI・速報値も50.6と冴えない結果となった(予想51.0、前回51.2)。なお、ユーロ圏9月製造業PMI・速報値は44.8(予想45.7、前回45.8)、同サービス業PMI・速報値は50.5(予想52.3、前回52.9)だった。

24日
独9月IFO企業景況感指数は85.4と市場予想(86.0)および前回(86.6)を下回った。IFO経済研究所は「今後数カ月の見通しも悪い」「ドイツ経済に対してますます圧力が強まっている」との見解を示した。

27日
事実上の次期首相を決める自民党総裁選は決選投票で石破氏が高市氏を逆転。石破氏は緊縮財政志向で増税(中でも金融所得課税の強化)に前向きと見られていることから、株安・円高が進行。第1回目の投票で金融緩和と積極財政を掲げる高市氏がトップ通過となり株高・円安に振れていた反動が強く出た。

30日
独9月消費者物価指数(CPI)・速報値は前月比±0.0%、前年比+1.6%だった(予想+0.1%、+1.7%)。欧州連合(EU)基準のCPIは前年比+1.8%と予想通りに前月(+2.0%)から伸びが鈍化した。ラガルドECB総裁は欧州議会で「直近2カ月でディスインフレ(インフレ鈍化)は強まった」「インフレ目標の2%を速やかに達成できる確信がより増した」とした上で「次回の会合でこれを考慮する」と述べて10月の利下げを示唆した。

9月の各市場

9月のユーロ/円ポジション動向

【情報提供:外為どっとコム】

  • ※ データの更新は、NYC時に行われます(前営業日のデータが追加)。また、過去180日間のデータが表示されます。
  • ※ 外為どっとコムのFX口座「外貨ネクストネオ」でお取引をされているお客様のポジション保持情報の比率を表しています。
  • ※ 尚、このポジション比率情報は情報提供を目的としており、投資の最終判断は投資家自身でなさるようお願い致します。

 

10月のユーロ圏注目イベント

ユーロ/円 10月の見通し

 10月のユーロ/円相場は上値の重い展開を予想。欧州中銀(ECB)のラガルド総裁は9月30日の欧州議会で、インフレ鈍化の見通しが強まったとして10月17日の理事会で「これを考慮する」と発言した。事実上の利下げ宣言と言っていいだろう。9月理事会後に、利下げペースは「データ次第」とした発言とは大きく変わった印象でECBが本格的な利下げサイクルに入ったと判断。域内景気の減速も相まって、ECBは来春にかけて会合ごとに25bp(0.25%ポイント)刻みで連続利下げを行う可能性が高いと見る。そうした観測がユーロの重しとなるだろう。  もっとも、円も相応に弱さが露呈すると見られることから、ユーロ/円の下値は限定されよう。日銀は、追加利上げについて、(円安の一服によって)時間的余裕ができたとのメッセージを発信しており、年内に利上げを再開する公算は小さい。ECBが利下げしてもインフレ率を差し引いた「実質金利」はプラス圏である一方、日銀は「実質金利」を当面マイナス圏にとどめると宣言している。10月のユーロ/円相場は、ユーロと円の弱さ比べの様相になりやすいと見られ、長期トレンドラインの52週移動平均線(執筆時162.96円前後)を越えれば上値が重くなる一方、156-158円台で推移すると見られる週足一目均衡表の雲下限に近付けば底堅く推移するだろう。
(予想レンジ:155.5000~164.500円)

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外為どっとコム総合研究所の調査部に所属する外国為替市場の研究員が、FX初心者向けに平日毎日12時ごろからライブ配信を行っています。前日の振り返り、今日の相場ポイントなどをわかりやすく解説しています。YouTubeの「外為どっとコム公式FX初心者ch」でご覧いただけます。

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kanda.jpg 株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役 調査部長 上席研究員
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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