大口投資家の動向は？「ドル/円は上昇にもかかわらず、円ネットロングが増加」【最新ＩＭＭポジション】2024/9/30

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シカゴIMM通貨先物ポジションの推移から為替市場の全体的な状況と投資マインドを読み解きます。

執筆・監修：株式会社外為どっとコム総合研究所　調査部　中村勉

ドル/円

IMMポジションドル/円

ポイント

【円ネットロング増加】
9月24日時点で円のポジションは、ドルに対して約6.6万枚の買い越し（ネットロング）。
ロングが積み増されたことから、ネットロングは前週から約0.9万枚増加。
期間中には日米の金融政策会合が開催された。米連邦公開市場委員会（FOMC）では50bp（0.50％ポイント）の大幅利下げが実施されたが、パウエル米連邦準備制度理事会（FRB）議長は追加の大幅利下げには慎重な姿勢を示した。また日銀は金融政策決定会合で政策金利を市場予想通り0.25％で据え置き、植田日銀総裁は追加利上げを急がない姿勢を強調した。ドル/円相場はFOMC直後には140円台半ばまで下落したものの、その後は一時144円台半ばまで上昇するなど円売りが優勢となった。
それにもかかわらず、投機筋は円買いの動きを強めた格好だ。日米の金融政策スタンスが反対方向を向いていることから、円安局面はむしろ円ロングを構築する好機と捉えているのかもしれない。

ユーロ/ドル

IMMポジションユーロ/ドル

ポイント

【ユーロネットロング微増】
9月24日時点でユーロのポジションは、ドルに対して約7.2万枚の買い越し（ネットロング）。
ロングがショートよりも大きく積み増されたことで、ネットロングは前週から約0.2万枚増加した。
期間中のユーロ/ドル相場は、FOMCでの決定を受けてドルが売られる場面も見られた一方で、フランスやドイツ、ユーロ圏の景況感を示す経済指標が予想を下回ったためユーロが売られるなど、1.11ドル台を中心に方向感を欠く値動きとなった。
ドル安はユーロにとって追い風だが、域内景気の悪化は逆風となる。そうした中で、投機筋はユーロ先高観を維持こそしているものの、さらに大きくポジションを積み増すには至らなかったようだ。