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9月6日の米国雇用統計の予想と戦略「リバウンド期待だが米ドル/円の上値は限定、米利下げ幅0.5%見通すもう一つの指標」2024年9月号-By 外為どっとコム総研

米雇用統計!直前予想&トレード戦略(2024年9月6日(金) 12:00~13:00)

雇用統計・ライブ実践リアルトレード(2024年9月6日(金) 21:00~23:00)

 

執筆日時:2024年9月5日 13時28分 

執筆者 :株式会社外為どっとコム総合研究所 小野 直人

9月6日の米国雇用統計の予想と戦略「リバウンド期待だが米ドル/円の上値は限定、米利下げ幅0.5%見通すもう一つの指標」2024年9月号-By 外為どっとコム総研

はじめに-米FRB、インフレから雇用へシフト

2024年9月6日(金)、日本時間21時30分に米国で8月分の雇用統計が発表されます。前月のショッキングな雇用統計を受けて、市場では米国の景気認識に対して急速に見直しが進んでいます。米国のインフレ鈍化が明確になるにつれて、FRBも失業率など雇用に配慮した金融政策に急速にシフトする可能性があり、今後の米利下げペースを巡り、今月の雇用統計も重要度が増しています。では振り返りからです。

前回のおさらい-米年内4回利下げも視野に

・雇用情勢は軒並み悪化
・利下げ幅拡大へ不安高める

8月2日に発表された、米国の7月の非農業部門雇用者数(NFP)は市場予想の17.5万人増を大きく下回り11.4万人でした。また、失業率は前月の4.1%から4.3%へ悪化したほか、時間給も前月の0.3%から0.2%へ伸びが鈍化しました。市場では、9月利下げが決定的との見方が増加しているほか、8月の数字次第では「9月の利下げ幅が0.5%」に拡大するとの声も聞かれました。

 

図表1.分野別新規雇用者数(千人)出所:データ米国労働省
NFP表

結果を受けて、米ドル/円は148.90円レベルから147.10円レベルまで急落。一時的に148.15円付近まで戻したものの、米10年債利回りが3.79%台へ低下する中、戻り売りに上値をキャップされて米ドル/円は146.415円まで下げ幅を広げました。また、ダウ平均株価も米国の景気減速が意識されて、1日終値から610.71ドル安い39737.26ドルで終了しました。

図表2.前回発表前後のドル円の動き
USDJPY60分足チャート
米ドル/円 60分足
出所:外為どっとコム「ネオチャート

今回の見どころ-NFP以外の部分が重要か

・利下げペースを左右するもう一つの指標
・9月0.5%利下げ払しょくできず
・ハリケーンの影響も警戒

7月分の雇用統計は、NFPの大幅な落ち込み、失業率の上昇、加えて失業率「サーム・ルール」(直近3カ月間の平均失業率が過去1年の最低値を0.5上回ると、景気後退開始の可能性)への抵触と、雇用情勢の減速や米国の景気後退が意識される内容でした。ただ、更新頻度が高い新規失業保険申請件数やIndeed job postingsデータからは、労働市場が急速に冷やされているとの見方も当てはまらないように思われ、安定的な雇用の伸びとされる15万人前後で減速ペースがいったん緩やかになるのではないかと見ています。とはいえ、7月はハリケーン「ベリル」の影響はほとんどなかったとされていましたが、8月もハリケーン「デビー」がフロリダを襲撃しているため、自然災害が雇用を圧迫している可能性には引き続き注意が必要です。

図表3.雇用関連指標の推移

データ表

出所:各種調査機関のデータを基に外為どっとコム総研作成
※:新規失業保険申請件数は雇用統計調査期間と同じ期間の調査データ

また、失業率に関連した部分も重要です。失業率と失業者1人あたりの求人件数の関係は、失業者数が求人件数を上回ると、失業率の上昇角度がきつくなることが過去の経験則から分かっています。7月の雇用動態調査の結果から求めた、同件数は1.07件まで低下しています。パウエル議長がジャクソンホール会議の席上、労働市場に関連して「労働市場がさらに冷え込むことを求めたり、歓迎したりはしない」と少し踏み込んで発言したのも、こうした状況を警戒してのことだったとすると腑に落ちます。利下げ幅を決める上では、NFPよりもこうしたマクロ的な数字の方が重視される可能性があり、雇用統計が極端に強い結果にならない限り、9月0.5%利下げ期待はFOMC当日まで燻り続けるのではないかと考えています。

 

図表4.米失業率と失業者1人当たりの求人件数

データ表

出所:米労働省のデータを基に外為どっとコム総研作成

 

個人的には、新規失業保険申請件数などが大きく悪化していないため、前月からリバウンド期待で市場コンセンサスを若干上回るのではと見ていますが、0.5%利下げ観測は払しょくされにくく、米ドル/円の上昇幅も限定されるのではないでしょうか。発射台次第ですが、米ドル/円は初動で買い戻されたとしても、5日移動平均線や21日移動平均線が推移する145円前半から後半では売りが被ってくるのではないかと考えています。

 

図表5.ドル円チャート
USDJPY日足チャート
米ドル/円 日足
出所:外為どっとコム「ネオチャート

付随データ

図表7.[雇用統計の実績と予想]

年月 非農業雇用者数変化(万人) 失業率(%)
予想値 初回結果 予想値 初回結果
2024年07 17.5 11.4 4.1 4.3
2024年07月 17.5 11.4 4.1 4.3
2024年06月 19.0 20.6 4.0 4.1
2024年05月 18.5 27.2 3.9 4.0
2024年04月 24.3 17.5 3.8 3.9
2024年03月 20.0 30.3 3.9 3.8

 

年月 平均時給/前月比(%) 労働参加率(%)
予想値 初回結果 初回結果
2024年07月 0.3 0.2 62.7
2024年07月 0.3 0.2 62.7
2024年06月 0.3 0.3 62.6
2024年05月 0.3 0.4 62.5
2024年04月 0.3 0.2 62.7
2024年03月 0.3 0.3 62.7

 

◇関連の経済データ実績

年月 ISM製造業雇用指数 ISM非製造業雇用指数
2024年07 46.0 -
2024年07 43.4 51.1
2024年06月 49.3 46.1
2024年05月 51.1 47.1
2024年04月 48.6 45.9
2024年03月 47.4 48.5

出所:Bloomberg、外為どっとコム「経済指標カレンダー

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