シカゴIMM通貨先物ポジションの推移から為替市場の全体的な状況と投資マインドを読み解きます。
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部 中村勉
目次
▼IMMポジション ユーロ/ドル
ユーロネットロング大幅に増加
ドル/円
IMMポジション ドル/円
ポイント
【円ネットロングやや増加】
8月27日時点で円のポジションは、ドルに対して約2.6万枚の買い越し(ネットロング)。
ロング、ショートともに取り崩されたが、ショートの取り崩し量のほうがやや大きかったためネットロングは前週から約0.2万枚増加した。
期間中のドル/円相場は、日銀の植田総裁が追加利上げに前向きな姿勢を示した一方で、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が講演で事実上の9月利下げ開始を宣言したことから、一時143円台半ばまで下落。
それにもかかわらず、投機筋は円ロングポジションを一部取り崩した。ドルに対して円買いポジションを保有するにはキャリーコストがかかるため、現状は積極的に円を買う局面ではないと見ているようだ。
ユーロ/ドル
IMMポジション ユーロ/ドル
ポイント
【ユーロネットロング大幅に増加】
8月27日時点でユーロのポジションは、ドルに対して約9.3万枚の買い越し(ネットロング)。
ロングが積み増され、ショートが取り崩されたことで、ネットロングは前週から約3.7万枚増加した。
期間中のユーロ/ドルは、パウエルFRB議長が9月利下げ開始を事実上認める発言をするなど、米ドルが全般的に売られたことで、約1年ぶりとなる1.12ドル台まで上昇する場面が見られた。
欧州中銀(ECB)はすでに利下げを開始しているが、投機筋は今後の利下げ幅についてはFRBの方が大きいと見て、ユーロに対する先高観を強めているようだ。
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IMMポジション
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中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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