個人投資家として活躍するひろぴー氏が、独自の最新マーケット分析を毎週公開します。現在のFXマーケットを取り巻く情報の整理をする際、また短期間の FXトレード戦略を考える際に、お役立てください。
作成日時：2024年7月24日14時
執筆：CXRエンジニアリング株式会社 代表取締役 ひろぴー
ドル/円が午前中に1円急落しました。
特段目新しい材料はなかったのですが、仲値を終えて156.00円前後から155円台まで約1円の下落となりました。
現在、日足レベルでは「三役逆転」となっております。
ドル/円続落！ついに一目も三役逆転へ！ ？
出所：TradingView
ドル/円日足チャートですが、一目均衡表の雲を下抜けたのはおよそ6ヶ月ぶりであり、日足レベルでは久しぶりに下落トレンド転換入りか？と考えさせられる値動きです。
200日移動平均線は152円付近で推移しており、この水準めがけて来月は下落していくのかもしれません。
RCI26（水色）とRCI52（橙）は下方向を向き、それぞれ0.00ラインと+80ラインをほぼ同タイミングで下抜けてきました。
個人的にはこのシグナルは強烈な下落トレンド開始の合図と考え、一気に150円タッチも目指すのではないかとも思えるぐらい日足では珍しい組み合わせです。
かなりレアなシグナル点灯ですので、しばらくこのテクニカルは効いてくるのではないかと考えます。
日足レベルですので、もちろん1-2円程度の大きな戻しもあると思いますが、そのタイミングではぜひ売っていきたいところです。
ドル/円と日米10年債利回りの金利差を比較！逆相関ついに解消？
出所：TradingView
続いてドル/円日足と日米10年債利回りの金利差比較チャートです。
5月から逆相関の動きをしていたのですが、7月上旬から従来通りの連動を再開しました。
2ヶ月程度、逆相関が続いた動きは非常に稀です。この差はいつも通りならば埋まることが多く、今回はドル/円の値動きがその差を埋めにいきそうな勢いです。
例えば今年3月のドル/円は148-152円でしたが、日米金利差は3.3-3.5％でした。
7月下旬現在、ドル/円は155円台なのですが、日米金利差は3.2％で推移しております。 これが逆相関をもたらした乖離現象です。
金利差を考慮して3月の水準に戻るならば、146-150円付近で推移していないと矛盾したレートになります。
もちろん、金利差が少しひろがって、3.3％になればドル/円は147-151円程度という見方もできますが、いずれにしても今年ドル/円はかなり上昇しすぎた水準だったことがわかります。
円のキャリートレード巻き戻しを意識した一抜け組が多く出てきたように感じます。IMMポジションもさらに大きく円ショートポジションは減っているのではないかと予想します。これはまた金曜日のNYクローズ後に判明しますので、もう数日待ちましょう。
ドル/円1時間足での戻りを模索
出所：TradingView
これらを総合して1時間足で戻り売りの目安を見ていきましょう。
155円を一気にブレイクするとは考えておりませんが、戻りは限定的かもしれません。
156円手前にかけて戻り売りをするチャンスが今週後半に到来する可能性もありますので、その水準から売り上がりを仕掛けようと思います。
個人的には155.80円のレジスタンスライン付近から売りを開始しようと考えているところです。
もう一段高い水準から狙っていくとなると、156.30円付近のレジスタンスライン手前からでしょうか？
今夜は欧米のPMI発表があります。指標結果が良好な場合、上がったところは売り場提供になる可能性も高いと考えますので、そのタイミングを狙っていると良いかもしれません。また金曜日は米PCEデフレータの発表です。
しつこいインフレを再確認となれば9月の利下げは後退するでしょうし、現にトランプ大統領候補もFRBに年内の利下げは控えるよう、コメントを残しています。さらには利下げを実施しないのであれば、FRB議長続投のコメントまで出てきているぐらいです。
そう考えますと、ドルはもう少しだけ強く推移する期間があるかもしれません。
これらを加味すると、クロス円のショート戦略の方が機能する可能性もありますので、このあたりも意識しながらトレードしていくと良いのではないでしょうか。
【ひろぴー氏出演動画】
ひろぴーFX＆Cryptoトレーダー、業界ニックネームは「ひろぴー」。ラジオ日経パーソナリティ、FX会社や仮想通貨取引所のコラムニストとして活動の場は多岐に渡る。自らのトレーディングノウハウから、ユーザビリティの高いインターフェース総監督を担う。FX会社や金融プラットフォーム開発エンジニアリング企業、仮想通貨取引所へのコンサルティング業が主。 2019年7月より TradingView Japan の Marketing Director に就任。
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