来週の為替予想（豪ドル/円 NZドル/円）「米ドル主導の動きに？荒れ相場が続く可能性」ハロンズ FX 2024/7/20

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執筆：外為どっとコム総合研究所　中村　勉
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今週の振り返り

今週の豪ドル/円は107.09円前後、ニュージーランド（NZ）ドル/円は96.61円前後で週初を迎えました。週初は今年の米大統領選でトランプ氏が勝利することを見込んだ「トランプ・トレード」により株高、米金利高、米ドル高となりましたが、米ドル/円は前週末に日本政府・日銀が介入を実施した可能性があることから、米ドル/円の上値は限定的となりました。その結果、豪ドル/円は豪ドル/米ドルが下落した影響から上値を切り下げる展開となりました。またNZドル/円も同様にNZドル/米ドルが下落した影響を受けました。15日に発表された中国4-6月期GDPや同6月小売売上高が市場予想を下回る結果となったことも、同国と交易関係が強い豪ドルやNZドルの重石となりました。17日にはトランプ前大統領や河野デジタル相がドル高・円安をけん制する発言をしたことで、円が広範囲に買われました。これらの影響から一時豪ドル/円は104.52円前後、NZドル/円は94.43円前後まで下落しました（執筆時）。

ポジション調整の円買いは終了？

来週は豪州や中国にて主要な経済指標の発表が予定されていません。そのため、豪ドル/円は円や米ドルの動向を睨んだ動きとなりそうです。まず、注目は11日以降の円高の流れが止まるかどうかです。
11日以降の円高の要因は
①日本政府・日銀による円買い介入（と考えられている）
②日米要人によるドル高・円安けん制発言
③「米国による対中半導体規制でさらに厳しいルールを検討」という報道を受けたリスクオフの動き
などです。これらの材料が重なり合ったことで、これまで積みあがっていた円売りポジション調整の買いが持ち込まれました。18日にはドル/円やクロス円が反発していますので、円買い調整は一巡したと考えられます。ただし、円安基調が復活したとしても、これまで通りに豪ドル/円がどんどん下値を切り上げるのは難しいかもしれません。
それは市場がトランプ氏が大統領に返り咲く可能性を意識し始めているからです。現時点でトランプ氏が掲げている政策は米国経済を加速させるものだとして、その期待から米株価指数が上昇しやすい状況です。株価の上昇だけであれば、豪ドルにとって支援材料になるのです。ただ、問題はトランプ氏が掲げる政策は減税や移民送還など、米国のインフレを再加速させる可能性が大きいと市場が受け止めていることです。そのため、株価の上昇とともに、米長期金利も上昇しやすい状況になっています。米長期金利が上昇すれば米ドル買い材料となりますので、豪ドル/円は米ドル/円の上昇圧力と、豪ドル/米ドルの下落圧力、その時々の強い方に引っ張られることになりそうです。

豪ドル/円のテクニカル分析

豪ドル/円は33年ぶり高値から急落しました。目先の下値目途は日足一目均衡表の雲上限となりそうです。雲の中に突入したとしても、2023年5月以降サポートとして機能している週足一目均衡表基準線が意識されそうです。上値は日足一目均衡表の基準線や転換線が目先の目途。そこを上抜けることが出来れば、7月11日高値の109.37円前後や1991年高値の109.54円前後が意識されそうです。

【豪ドル/円　日足・一目均衡表】