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ユーロ/円の6月見通し「史上最高値更新も視野」

【外為総研 House View】

House View

執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也

目次

▼ユーロ/円
・ユーロ/円の基調と予想レンジ
・ユーロ/円 5月の推移
・5月の各市場
・5月のユーロ/円ポジション動向
・6月のユーロ圏注目イベント
・ユーロ/円 6月の見通し

ユーロ/円

ユーロ/円の基調と予想レンジ

ユーロ/円 5月の推移

5月のユーロ/円相場は164.012~170.797円のレンジで推移し、月間の終値ベースで約1.4%上昇した(ユーロ高・円安)。4月に付けたユーロ発足(1999年)後の最高値171.60円前後には届かなかったものの、堅調を維持。1日のドル売り・円買い介入や3日の米4月雇用統計を受けたドル安・円高局面でも164.00円台で下げ渋ると、その後は持ち直しの動きを強めた。ユーロ圏の中核国であるドイツの経済指標に予想を上回る結果が目立ったことでユーロ圏の景気底入れ観測が浮上。円買い介入に対する反動とも言える円安も相まって14日には1日の介入水準を上回る169円台へと上昇した。その後も堅調推移が続き、23日には独5月購買担当者景気指数(PMI)やユーロ圏1-3月期妥結賃金の上振れを受けて170円台を回復。欧州中銀(ECB)高官らの発言などから、6月の利下げ開始はほぼ確実ながらも、その後の利下げペースは当初の想定よりも緩やかになるとの見方が強まったこともユーロを支えた。月末にかけては171円台を前にやや伸び悩んだものの、ドイツやユーロ圏で5月のインフレが加速したため下値も堅く、最高値を付けた4月29日以来の高値圏となる170円台後半で5月の取引を終えた。

始値 高値 安値 終値
168.236 170.797 164.012 170.627


出所:外為どっとコム「外貨ネクストネオ」

1日
NY市場クローズ間際に円が全面的に急伸。日本政府・日銀が4月29日に続いて円買い介入を発動したと見られる。

7日
ユーロ圏3月小売売上高は前月比+0.8%と市場予想(+0.7%)を上回った。これより前に発表された独3月貿易収支(季節調整済)は223億ユーロの黒字だった(予想224億ユーロの黒字)。

8日
独3月鉱工業生産は前月比-0.4%と市場予想(-0.7%)ほどには落ち込まなかった。ただ、2月分は前月比+2.1%から+1.7%に下方修正された。

10日
ECBは4月理事会の議事要旨を公表。少数のメンバーは、4月会合の段階で「政策金利を引き下げる根拠があると十分に確信していた」ことがわかった。一方で「地政学的緊張の高まりによるインフレ再燃など、6月までに顕在化しうる新たなリスクも考慮すべきだ」と警戒する声もあった。最終的には「インフレ抑制の十分な証拠を得る」ために6月会合まで待つことで合意した模様。

14日
独5月ZEW景気期待指数は47.1と市場予想(46.4)を上回り、前月(42.9)から上昇。2022年2月以来2年3カ月ぶりの高水準となった。ZEW(欧州経済研究センター)は「景気回復の兆しはユーロ圏全体と主要輸出先である中国に対する見通し改善によって強まっている」とコメントした。

15日
ユーロ圏1-3月期域内総生産(GDP)・改定値は速報値と変わらず前期比+0.3%だった。ユーロ圏3月鉱工業生産は前月比+0.6%と市場予想(+0.4%)を上回った。

23日
独5月PMIは製造業45.4、サービス業53.9といずれも予想(43.5、53.5)を上回った。ユーロ圏5月PMIは製造業47.4、サービス業53.3と予想(46.1、53.7)に対してマチマチの結果となった。ECBが注目する1-3月期妥結賃金は前年比+4.7%と10-12月期(+4.5%)から伸びが加速した。

24日
シュナーベルECB専務理事は、サービスインフレの根強さを指摘した上で「速く動き過ぎないよう戒めたい。利下げがあまりに速く進むリスクがある」と述べた。その後、独連銀のナーゲル総裁も、6月に利下げを開始する可能性が高いとしつつ、その後の利下げの道筋が「自動操縦であってはならない」と語り、連続利下げには慎重な姿勢を示した。

27日
独5月IFO企業景況感指数は89.3と市場予想(90.4)を下回り、前回から横ばいだった。IFO経済研究所は「現状に対する企業の満足感は低下したが期待は高まっている。サービスセクターは若干弱含んだが、製造業、貿易、建設業は回復している。ドイツ経済は危機から一歩ずつ脱しつつある」との見解を示した。

29日
独5月CPI・速報値は前年比+2.4%と予想通りに前回(+2.2%)から加速。欧州連合(EU)基準の5月CPIは前年比+2.8%と市場予想(+2.7%)を上回った(前回+2.4%)。

31日
ユーロ圏5月消費者物価指数(HICP)・速報値は前年比+2.6%と予想(+2.5%)を上回った。食品やエネルギーなどを除いたコアHICP・速報値も前年比+2.9%と予想および前月(+2.7%)を上回り伸びが加速した。

5月の各市場

5月のユーロ/円ポジション動向

【情報提供:外為どっとコム】

  • ※ データの更新は、NYC時に行われます(前営業日のデータが追加)。また、過去180日間のデータが表示されます。
  • ※ 外為どっとコムのFX口座「外貨ネクストネオ」でお取引をされているお客様のポジション保持情報の比率を表しています。
  • ※ 尚、このポジション比率情報は情報提供を目的としており、投資の最終判断は投資家自身でなさるようお願い致します。

 

6月のユーロ圏注目イベント

ユーロ/円 6月の見通し

6月6日の欧州中銀(ECB)理事会が6月のユーロ相場の趨勢を左右することになりそうだ。6日の理事会では主要政策金利を4.50%から4.25%に引き下げることが早くから確実視されており、市場の関心は7月18日の次回理事会でも連続の利下げを行うかに移っている。5月23日に発表された1-3月期のユーロ圏妥結賃金は伸びが加速。5月31日発表のユーロ圏5月消費者物価指数(HICP)・速報値も加速した。落ち着きを見せていた域内のインフレが再び上昇し始めた可能性が否定できない中、タカ派メンバーが現時点で連続利下げを許容する公算は小さいと見る。6月声明やラガルド総裁の会見で7月の連続利下げを示唆しなければユーロは上昇すると予想される。仮に、ECBが追加利下げは「データ次第」の姿勢を強調するようならユーロは、経済指標等に一喜一憂しながら方向感を欠く動きが続くだろう。

ユーロ/円相場においては円の動きもカギとなる。5月の日銀正副総裁らの発言が正常化(利上げや国債買い入れの減額)に前向きだったことなどから長期金利が上昇しており、6月の追加利上げを織り込む動きがごく一部ながらも見られる。ただ、5月31日に日銀が発表した6月分の国債買い入れ予定は金額・回数ともに前回から据え置きだった。追加利上げはどんなに早くても、展望レポートで物価見通しが改定される7月会合と見る。6月13-14日の金融政策決定会合で現状維持が決まれば円安主導でユーロ高・円安に振れる可能性があることから、史上最高値の更新も視野に入る。6月のユーロ/円相場はECBと日銀の金融政策が最大の焦点となるだろう。
(予想レンジ:167.000~173.500円)

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kanda.jpg 株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役 調査部長 上席研究員
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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