米CPIに注目!当面のFOMCの方針を確認【マット今井 実践トレードのつぼ】
収録日:2024/1/11
元邦銀ディーラーの今井雅人氏が現状の世界経済を詳細に分析し、今後の為替相場動向まで踏み込み見通しを示します。
目次
0:00 相場振り返り
1:38 米CPIの注目点
2:11 中期的な相場見通し
3:00 足元の相場見通し&トレード戦略
4:01 メキシコペソの見通し
4:15 【PR】口座開設特別キャンペーン
要約
相場振り返り
今年に入って10日あまりですが、本当に乱高下が続いています。年初から円安が進んでいて、ドル円・クロス円でも、全体的に円安になりました。今週の最初頃は逆方向でガーッと円高になり円買いが殺到したわけですが、一昨日ぐらいからまた逆流し始めて、今度は円安になっているということです。特段何か材料があったわけではないのに、乱高下をしているということが今回の特徴です。恐らく、年初は能登半島の震災を手掛かりに、海外勢が円を売ったんじゃないかと思います。その後の逆流は、少し落ち着いてきて、部分的なものであるというようなことで利食いが出たということなんですが、この2日間ぐらいの円安というのも、特段大きな材料が出たわけではないんです。あえて申し上げれば、「日本の実質賃金が20カ月連続マイナスになりました」という報道がありまして、これで早期の金融引き締めというか、日銀の政策変更はなくなったのではないかという風にマーケットがとったというような説明もありました。ただ、過去あまり実質賃金のところでマーケットが反応したことがありませんので、やや後付かなという印象を受けます。どちらかというと仕手筋がマーケットをかく乱して動いている、ということなのではないかなと思います。
米CPIの注目点
今日の夜に、12月分の米CPIが発表になりますので、これに注目です。予想は年率3.2%、コアが3.8%ということで、コアがちょっと下がるんじゃないかという予想がされています。これによって、またマーケットが動くと思います。いずれにしても、1月はちょっと不安定な動きをしそうだなということなので、少し身を引き締めてやらないといけないなと思います。
中期的な相場見通し
中期的なことを考えますと、今年は各国が利下げをするシーズンということであります。そうなってくると、ドル安の年かという風に思いがちです。もちろん、その可能性はなくはないんですが、アメリカが金利を下げることによって全体的なドル安が進む中で、意外にドル円でのドル安が一番進まなくて、結果としてドル円はそんなに動かない。クロス円がまた上がってくるという展開が前半部分にはひょっとしたら見られるのではないかなというふうに思っています。だから中期的には少し円安方向を見ておいた方がいいんじゃないかな、というような気はしているところです。
足元の相場見通し&トレード戦略
足元の段階は材料のない中で上げ下げをしてしまうという相場ですので、とても難しいです。基本的な認識は、一つの流れが2~3日ぐらいで止まってしまう、というようなことが起きていますので、そういうことを少し意識しながらやっていかないといけないかなと思っています。個人的にはドル円・クロス円の押し目買い、買い方向でやりたいなということで、今やってきていますけれども、引き続きドル円・クロス円の買いを探すということになろうかと思います。ともかく、今日発表される米CPIを見た段階で、当面のFOMCの方針が少し見えてくると思いますから、それを確認してから考えたいと思います。そういう意味でいうと、ドル円よりもクロス円の買いの方が、安心感があると思いますので、その辺を中心に考えていきたいです。
メキシコペソの見通し
メキシコペソ円もクロス円の一つです。今8.57円ぐらいまで上がっていますので、あまり高値買いはしたくないんですが、基本的には底堅いというような動きを続けるというふうに思っております。
今井雅人 氏
1962年生まれ、岐阜県下呂市出身。上智大学卒業後、1985年に三和銀行入行、1987年よりディーリングの世界に入る。1989年から5年間シカゴに赴任、その間多くの著名トレーダーと出会う。日本に戻ってからは為替部門に従事。2004年3月までUFJ銀行の為替部門の統括次長兼チーフディーラーを勤めていたが、同年4月に独立。内外の投資家にも太いパイプを持ち、業界を代表するトレーダーとして活躍するが、2009年8月第45回衆議院選挙に立候補し、初当選。現在は、経済アナリスト活動など多忙な毎日を送る。元東京外為市場委員会委員、東京フォレックスクラブ理事歴任。株式会社マットキャピタルマネージメント代表取締役。
本サイトに掲載する情報には充分に注意を払っていますが、その内容について保証するものではありません。また本サービスは、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであって、投資勧誘を目的として提供するものではありません。投資方針や時期選択等の最終決定はご自身で判断されますようお願いいたします。なお、本サービスの閲覧によって生じたいかなる損害につきましても、株式会社外為どっとコムは一切の責任を負いかねますことをご了承ください。