今週の注目通貨ペアはこれだ!
■ オージー/円 上値余地の小さくない形状か・・・
先週は、月曜日に安値を付け、金曜日に高値を付ける展開でした。週間を通じた上下の値幅は3円弱に及び、他の対円の通貨ペアと同様に大きな値動きとなっています。また、木曜日は小陰線ながら長い下ヒゲを伴っていて、金曜日は陽線でさらに上値追いの動き、金曜日の取引価格帯が水曜日・木曜日の取引価格帯を上回っている点が他の対円の通貨ペアと大きく異なる特徴となっています。
移動平均線は、3本とも上昇しました。先週一週間を通じて、移動平均線が短期>中期>長期という並び順を維持し、かつ、終値ベースで実体線が終値ベースで3本の移動平均線を上回って推移したのは、対円の通貨ペアの中ではオージー円だけという状況です。6月8日の戻り高値も難なく超えてきたことで、チャート的には文字通り青天井となっています。
今週は、買い先行スタンスで臨みたいところです。他の対円の通貨ペアと異なり、先週金曜日に陽線が出現したというのがオージー円の大きな特徴で、これは、円安傾向が進むとすればオージー円が先導する可能性、また、これまでの上伸過程において過熱感を伴っていないことを意味していると考えてよいと思います。上下の値幅は小さくないものの、買われているところをしっかり追いかけて買うという意味では、対円の通貨ペアの中で最も安心感があるのがオージー円と言えるような気がします。
その他 通貨ペア分析
■ ドル/円 さすがに息切れか・・・
先週は、月曜日に安値を付け、水曜日に高値を付ける展開でした。週初から陽線の出現が続き、しかも週間を通じた上下の値幅が5円弱にも及んだことで売り方を粉砕、一気に上側のリスクの顕在化を示す形となりました。特に火曜日から水曜日にかけての上伸は勢いという点で特筆すべきものがあり、ボリンジャーバンドの上側の2σレベルを超えるものとなっています。ただ、週末はさすがに息切れ、陰線が出現しての越週となっています。
今週は、様子を見るよりないような気がします。ボリンジャーバンドの2σの上下の幅が12円を超えるという、経験のないボラティリティと伴った相場ですので、レベル感・値頃感でのトレードは厳禁と言えると思います。下がったところを買っても、上がったところを買っても報われない可能性が高く、トレードするとしたら短期トレードに終始、乱高下を前提に考えるべきではないでしょうか。
■ ユーロ/円 上下の予想は困難では・・・
先週は、月曜日に安値を付け、金曜日に高値を付ける展開でした。週間を通じた上下の値幅は6円を超え、ドル円以上の値幅となっています。特に、先週火曜日の陽線で先々週の金曜日の長い上ヒゲを難なくクリアしたところからの売り方の買い戻し圧力は凄まじく、ここまでのエネルギーの放出を目にする機会はほとんどないと言っても過言ではないと思います。ただ、さすがに金曜日は上下に長いヒゲを伴って陰線の出現と、先行き不明の様相を呈しています。
今週は、ドル円と同様、上下の予想は困難と考えるべきではないでしょうか。売り方が完全に降参、一気に買い戻しをかけたことで通貨としてのバリューを完全に見失ってしまっている状態で、上下の予想にあまり意味がないような気がします。先週金曜日の上下の値幅が7円を超えていることからも分かるように、買われても売られても文句の付けようのない、空中戦がしばらく継続すると考えるべきではないでしょうか。
■ ポンド/円 やや上値の重い展開か・・・
先週は、月曜日に安値を付け、木曜日に高値を付ける展開でした。週間を通じた上下の値幅は5円を超え、これまたビッグウェーブとなっています。ユーロ円と同じく特に火曜日から水曜日にかけての上伸が目覚ましく、2日で4円を超える上伸を見せ付けられてしまっては、売り方はなす術もなかったと言えるのではないでしょうか。ただ、金曜日はさすがに陰線で反落、過熱感の強さを物語っています。
今週はユーロ円と同様に、上下の値幅を考慮に入れる余地がほとんどないような気がします。ただ、ユーロ円と対比すると上値の重さがやや目立ちますので、スタンスを幅広に構えて、先週の高値を超えるようなところを買うのであればユーロ円、先週の安値を下回ったところで売りに入るのであればポンド円を選択するようなイメージで臨みたいところです。下側のリスクは大きくなさそうですが、かと言って下がったところを安易に買う戦略は、投げさせられるリスクが高いような気がします。
■ ユーロ/ドル 戻り歩調をたどる可能性が高いか・・・
先週は、火曜日に安値を付け、金曜日に高値を付ける展開でした。先々週の金曜日の長い上ヒゲの影響が残ったのでしょうか、週初はやや軟調な動きを見せ、下値リスクを感じさせる動きとなりましたが、水曜日の陽線を契機に戻り歩調入り、週末にかけて週間の高値を形成する値動きとなりました。金曜日も陽線が出現、やや売り方の買い戻し意向が見え隠れするような形での越週となっています。
今週は、少し様子を見てみたい感じがします。趨勢的には下落トレンドが継続していると判断でよいと思うのですが、先週後半の動きを見るにつけ、もう少し戻り局面を形成する可能性が否定することができないと思われるからです。特にMACDがゴールデンクロスを形成している点は不気味で、上昇トレンド入りの可能性は低いにしても、売り方の買い戻し姿勢がやや強まる可能性は否定できないではないでしょうか。先週の安値を一気に下回ってくるようであれば当然に売りスタンスを取りたいところですが、その可能性はあまり高くないような気がします。
今週のチャートリーディング ~相場の強さ~
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