執筆:外為どっとコム総合研究所 小野 直人
目次
- ▼米ドル/円140.200円レベルが次のめど、当局の介入姿勢強まるまで円安継続か
- ▼7月11日週の米ドル/円は24年ぶりの139円台示現
- ▼当局者の介入レベルを探る展開か
- ▼ドル/円、押し目買いで140円突破を期待
- 7/18週のイベント
- 一言コメント
執筆日時 2022年7月15日 15時00分
米ドル/円140.200円レベルが次のめど、当局の介入姿勢強まるまで円安継続か
7月11日週の米ドル/円は24年ぶりの139円台示現
リスク回避のドル買いと、米金利の先高感を手掛かりにドル高・円安が進行。米ドル/円は1998年来の139円台乗せを果たし、139.393円まで上昇幅を広げました。日米協調の円買い介入への期待が大きく後退したことも、米ドル/円上昇の手掛かりとなったもようです。
当局者の介入レベルを探る展開か
20-21日に日銀は金融政策決定会合を開催しますが、新型コロナ感染症の再拡大や直近の黒田総裁の発言をみる限り、個人的には政策は1ミリも動かないと考えますので無風通過とみています。ただ、新たな展望レポートでのインフレ見通しの引き上げ幅拡大のほか、7月21日の本邦6月貿易統計における赤字幅拡大、7月22日の6月全国消費者物価指数の上振れなどによっては、日銀の政策修正期待を高める可能性もあり一応注意が必要です。
図表1.米ドル/円と日米金利動向
それよりは、本邦当局の口先介入を警戒したほうが良いかもしれません。足もとの円安は、米国の金利動向との相関性が崩れ(図表1)、効果がそれほど期待できない単独介入による円安阻止ぐらいしか有効打がなくなってきています。政府高官からの口先介入も増えそうです。もっとも、現時点では、どのレベルで実際に介入するかは誰にも見当が付きませんので、投機筋は円安を仕掛けながら当局者の発言を確認し、そのレベルを推し量ることになるでしょう。以上のように考えると、単発的に円が買い戻される局面はあるかもしれませんが、全体的にはドル高・円安方向での値動きが継続しそうな雰囲気です。
ドル/円、押し目買いで140円突破を期待
米ドル/円は底堅い動きが継続しているため、押し目を買って140円台乗せを期待したいです。ただ、6月16日安値(131.498円)を起点とするフィボナッチエクスパンションの100%ラインとなる140.210円レベルが目先の上値めどと考えますので、押し目買いは12日安値(136.464円)からの上昇幅の38.2%押しとなる138.274円レベルまで引き付けて仕込みたいです。逆方向に動いたときは、138円を超える過程で高値を抑えられた137.700-800円レベルを割れたら撤退と考えています。
【ドル/円チャート 日足】
出所:外為どっとコム「外貨ネクストネオ」
予想レンジ:USD/JPY:137.700-140.300
7/18 週のイベント:
7/18(月) 23:00 米国 7月NAHB住宅市場指数
7/19(火) 21:30 米国 6月住宅着工件数
7/19(火) 21:30 米国 6月建設許可件数
7/21(木) 日本 日銀金融政策決定会合、終了後政策金利発表
7/21(木) 日本 日銀展望レポート
7/21(木) 08:50 日本 6月貿易統計
7/21(木) 15:30 日本 黒田東彦日銀総裁、定例記者会見
7/21(木) 21:30 米国 新規失業保険申請件数
7/21(木) 21:30 米国 7月フィラデルフィア連銀製造業景気指数
7/21(木) 23:00 米国 6月景気先行指標総合指数
7/22(金) 08:30 日本 6月全国消費者物価指数(CPI)
7/22(金) 08:50 日本 対外対内証券売買契約等の状況
7/22(金) 22:45 米国 7月製造業購買担当者景気指数(PMI、速報値)
7/22(金) 22:45 米国 7月サービス部門購買担当者景気指数(PMI、速報値)
7/22(金) 22:45 米国 7月総合購買担当者景気指数(PMI、速報値)
一言コメント
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