トルコリラ/円(4時間足)
※レポート内の為替レート・チャートは外為どっとコム「外貨ネクストネオ」を参照
直近1週間のポイント
・追加利下げ懸念で最安値
☆リラ預金の損失補償で大幅反発
・大規模なショートカバーを誘発
足元のトルコリラ/円は史上最安値から大幅反発
トルコのエルドアン大統領は19日、イスラム教が高金利を禁じていることを理由に挙げ「利下げ以外のことを私に期待してはならない」と発言。
中銀の追加利下げ懸念が再浮上する形で20日には、6.092円前後までリラ安・円高が進み過去最安値を更新しました。
ところがこの日、エルドアン大統領がリラ建て預金者に通貨安で生じた損失分を補償するという異例の措置を発表するとリラは急激に反発することになりました。
リラ/円は一気に9円台を回復。
その後、乱高下しながらも翌21日には10.233円前後まで再び上昇しました。
下落の過程でリラ売りポジションが増加していたと見られ、大規模なショートカバーを誘発した模様です。
結果的に、安値からの上昇幅は最大で68%に達しました。
注目ポイントはトルコ株式市場
トルコ財務省は21日、預金損失補償の仕組みについて「預金口座の開設日と満期日の外貨換算の為替レートと預金利回りを比較し、高い方の利回りを口座に適用する」と説明しました。
「損失補償が膨らめばトルコの財政赤字が拡大しかねない危険な賭け」「この措置をトルコ国民が信頼して預金の外貨移転が止まるかがカギ」などとするやや否定的な見方が出ています。
そうした中、クリスマスイブの24日と27日は欧米市場のほとんどが休場です。
一方でイスラム教国のトルコでは通常通りに金融市場がオープンします。
リラ安局面で上昇していたトルコ株はこのところ軟調に推移しています。
海外投資家が保有株を手放す動きを強めているようです。
クリスマスで薄商いが見込まれる中、株価の下落が新たなトルコ経済への不安に繋がらないか注意が必要です。
また、エルドアン大統領の動向にも引き続き要注意です。
来週までのトルコリラ/円の見通し
予想レンジ
8.000~10.500円
基調
不安定
来週までの注目ポイント
☆トルコ株式市場
・エルドアン大統領
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