2022年2月28日更新
ロシアのウクライナ侵攻を受けて、世界各国がロシアに対して金融制裁を科したことで、ロシアルーブルの大幅な下落ならびに、流動性の低下が発生しています。また「株式会社外為どっとコム」におきましても2022年2月26日付けでロシアルーブルの新規取引が停止となりました。
これらの事象を受けまして本記事の執筆者である戸田裕大は、ロシアルーブルの積立について見解を改めさせていただきます。ただし分析の過程そのものを一から見直すものではなく、不測の事態発生に伴い、内容を一部変更・追記させていただくものです。
具体的な変更点は以下の通りです。
● ロシアルーブルを資産運用の対象から除外
● それに伴うタイトルや項目の変更
● 資産運用割合を人民元7、メキシコペソ3へと切り替え
● 項目7、訂正要因について、ロシアルーブルの定性要因を追記
文中のロシアルーブルに関する表現については、過去時点における定量的、定性的な判断であり、あえてそのままに据え置かせていただきます。何事もなかったかのように修正するのは執筆者としての責任を果たしていないと考え、追記で対応させて頂く次第です。
なお、本記事は投資勧誘を目的として提供するものではなく、あくまで戸田本人の考えを記したものです。
ですが、専門家の意見として少なからずみなさまの投資行動に影響を与えているものと自覚しております。戸田の意見を読んでロシアルーブルの取引を開始した方に、この場をお借りして、心よりお詫び申し上げます。
元メガバンクディーラーで現在はマーケットについて幅広い投資情報を発信する戸田裕大さんに、外貨の長期投資について解説をしていただきました。
目次
▼必ず押さえておきたいポイント
▼資産を保管する目的の場合は米ドルを推します
▼資産を運用する目的の場合は人民元・メキシコペソ
▼2つの考え方(セオリー)について
▼過去の相場変動の確認
▼現在の金利(スワップポイント)水準の確認
▼定性要因について
▼まとめ
必ず押さえておきたいポイント
外為どっとコムのサービス「らくらくFX積立」とは、簡単に言ってしまうと「市場金利連動型の外貨預金」のようなものです。
一般的に日本の銀行は外貨預金の利息を低く設定しています。そのため「らくらくFX積立」を用いて運用すると、銀行の外貨預金と比べて高いスワップポイントが付与される(スワップポイントの受け取りになる)可能性が高く、それが大きなメリットです。
一方でユーロなどマイナス金利の通貨を保有する場合は、マイナスのスワップポイントが付与される(スワップポイントの支払いになる)可能性もあります。その点はご留意事項として必ず覚えておいてください。
それから「らくらくFX積立」ではレバレッジを1~3倍(※法人口座のレバレッジは1倍のみ)の間で選択することが出来ます。ようは手元の元本1に対して、最大で元本3のポジションを運用することが出来ます。
為替レート(通貨投資)は株などの投資対象と比べて変動幅が少ないことが多いため、レバレッジを掛け、リスクとリターンを調整することが投資家にとっては一般的です。ですがFXに慣れていない方からするともしかしたら不安に感じるかもしれません。
運用目的に応じてレバレッジを掛けることを不必要に恐れる必要はありませんが、元本が大きくなればリスクも大きくなるのは事実ですので、この点はご留意すべき事項と言えます。
資産を保管する目的の場合は米ドルを推します
さて本題に入っていきましょう。
現在、もしみなさんが「円資産だけを保有しているのは心もとない」という風に感じている場合は「米ドル」を購入することを推したいです。
米ドルは世界中の決済に用いられる「基軸通貨」で、多くの事業法人・機関投資家・個人投資家が資産を米ドルで保有しています。日本円も非常に安全な資産ですが、それ以上を求めるのであれば、米ドルが良いと考えます。
幸いにして米ドルの金利は日本円の金利よりも高いことが多く、通常であれば金利差も付与されます。さらにらくらくFX積立であれば銀行以上のスワップポイントが付与される可能性が極めて高いです。
資産保管が目的であればレバレッジは1倍にしましょう。みなさんが銀行に預けている米ドル預金を、「らくらくFX積立」で1倍の米ドル/円に振り返れば、きっとご満足頂けると思います。
ただし、それで資産がどんどん増えていくという期待は捨ててください。あくまで円だけに偏った資産の防衛ということで捉えて頂くのが適切です。
資産を運用する目的の場合は人民元・メキシコペソ
さて、もしみなさんが「らくらくFX積立」を用いて資産形成を行っていきたい、つまり資産を運用して増やしたいと考えた場合には、ある程度リスクを取っていく必要があります。
結論としては定期的なFX積立を10年間行い、総投入金額10を15以上に増やす(10年で1.5倍を目指す)ことを目的とした場合、私なら以下のポートフォリオで運用に臨みます。
戸田が考えるポートフォリオ
毎週10(投資金額は各々ご検討ください)を「らくらくFX積立」で投資する。内訳は以下の通り。
※レバレッジ:3倍
人民元/円:7
メキシコペソ/円:3
※2022年2月28日、ロシアルーブルを削除し、割合を変更しました
※相応にリスクが増えるため、投資に不慣れな方はレバレッジ2倍をおススメします。1倍でも良いですが、その場合は資産保管ということで、利益については考えないでください。
さて、順に説明していきましょう。
私は上記のポートフォリオを検討するにあたり2つの考え方(セオリー)と、過去の相場変動、金利水準、定性要因を考慮しました。まず2つの計算式からみていきます。
4. 2つの考え方(セオリー)について
一つ目が「経常収支」という考え方です。これは国を一つの投資先企業と考えた時に、その企業の稼ぐ力を示しています。稼ぐ力がある企業(国)が、中長期的に高く評価されると考えているわけです。これは私がFX投資を行う上でもっとも大切にしている考え方の一つであり、また広くアナリストの間で活用される手法です。
ではどの国が稼ぐ力が強いのか?それはロシアとメキシコと中国です。
2011年~2020年の10年間の平均を取得すると1位がロシア、2位が中国、3位がメキシコになります。黒字の実額では中国がぶっちぎりのトップですが、国の規模が大きいので、国の規模で調整した数字(GDPで割った数字)でみると1位がロシアになります。
2つ目が「購買力平価」という考え方です。ようは物価水準から考えて、割安な国を探しています。ここでは英エコノミスト誌が公開している「ビッグマック」指数という購買力平価の簡易計算をもとに表を作成しました。
1位はまたしてもロシア、3位にメキシコ、5位に中国が入ってきます。ようは1位のロシアは物価水準からみて割安に見えるということです。
2つの考え方を見てきましたが、私が推す3通貨は好成績です。ですから運用実績が高くなる可能性のある通貨として考慮に入れました。
過去の相場変動の確認
中長期の投資を行っていく上で、その勝敗を分ける要因は大きく2つあります。一つが通貨価値そのものの変動、もう一つがスワップポイント水準です。
まず通貨価値の変動についてみていきましょう。
<人民元/円 CNH/JPY 10年>
CNH/JPY、すなわち人民元は日本円に対して強含んでいることがわかります。2011年からの10年間の値上がり率は28.37%。これは他通貨に対して圧倒的なパフォーマンスです。通貨の価値が上昇しているからこそ人民元にベットする、非常に理にかなった投資判断であると考えます。
<メキシコペソ/円 MXN/JPY 10年間>
MXNJPY、すなわちメキシコペソは日本円に対して10年間で21.10%弱含んでいます。つまり中長期で売られているわけです。ですからある今後もある程度、通貨価値が下落していくことを容認しなければいけません。その分の下落をスワップポイントで取り返していく、こういった戦略になります。
<ロシアルーブル/円 RUB/JPY 10年間>
RUB/JPY、すなわちロシアルーブルは日本円に対して10年間で47.64%弱含んでいます。これは私が推す3通貨の中で最も下落率が高く、リスク度の高いものになると言えます。しかしロシアルーブルは2014年末に管理相場制から変動相場制に移行しています。したがってここで膿みを出し切ったと捉えることも出来ます。また近年は非常に安定して推移しています。
まとめますと価格の変動にのみフォーカスを当てれば人民元が最も信頼に足ると言えます。次いでメキシコペソ、最後にロシアルーブルの順です。
現在のスワップポイント水準の確認
次に各国の金利水準をみていきます。
それぞれの国の通貨の政策金利(2021年9月10日時点)は以下の通りです
人民元:4.35%(一年もの貸出レート)
メキシコペソ:4.50%(翌日物)
ロシアルーブル:6.50%(翌日物の中心値)
ただし政策金利はあくまで目安であって、実際のスワップポイント付与をみてみると以下のようになります。
2021年のスワップポイント(2021年9月10日時点)
中国 人民元/円:5円 (人民元/円の終値17.050円)
メキシコペソ/円:6円 (メキシコペソ/円の終値 5.526円)
ロシアルーブル:21円 (ロシアルーブル/円の終値 1.4999円)
※各通貨ペアのスワップポイントは10Lot(1万通貨、ロシアルーブル/円のみ10万通貨)あたりの金額
補足をしますと中国の政策金利は名ばかりで、実質はSHIBORと呼ばれる市場金利が一般的であることや、ロシアルーブルについては政策金利の買い値と売り値の差が1±%あることなどから、政策金利とスワップポイントに大きく乖離があります。
ですから政策金利通りのスワップポイントを期待するのは、過度な期待です。したがってスワップポイントの実績をもとに検討をすすめるべきです。
なおスワップポイントは日々変動するのでビシッと「何%です」とお伝えすることは出来ません。これは冒頭で述べましたが、「らくらくFX積立」が「市場金利連動型の外貨預金」の特性を持っているからです。
ですが外為どっとコムさんでは以下のURLから日々のスワップポイントを確認することが出来ます。元本に対してどれくらいのスワップポイントが付与されているか参考にしてみてください。
【スワップポイントカレンダー】https://www.gaitame.com/products/nextneo/swap_cal.html
過去から現在まで、良心的なスワップポイントが付与されていることが確認出来ると思います。
ところでロシアやメキシコは今年(2021年)に入って利上げを行っていますので、今年はもう少し高いスワップポイントが付与される可能性も見込めます。特にロシアルーブルは「らくらくFX積立」が業界最高水準スワップポイントキャンペーンを行っているということで、昨年のスワップポイントよりも高いスワップ水準を期待したいところではあります。
定性要因について
ここでも3通貨に分けて説明していきます。
人民元:人民元は私が最も信頼している通貨です。近年の中国の急成長は目を見張るものがあり、その急成長を危惧した米国との間に対立構造が生まれるなど、世界を2分する1つの勢力にまで上り詰めています。
現在は米ドルが世界の基軸通貨です。しかし人民元はそれに対抗しうる通貨になってきています。
詳しくは私の著書「米中金融戦争」や、私が担当しているマネ育チャンネルの人民元コラムをご覧頂きたいのですが、魅力は通貨の安定性、そしてドルの受け皿としての機能、比較的高い金利水準が挙げられます。
なおよくある誤解として「中国投資は政治リスクが高い」という考え方があります。ですがこれは通貨投資には当てはまりません。通貨とは国家権力そのものであり、中国は通貨価値を是が非でも防衛します。逆に企業よりも国家が必ず上に位置しますので、下に位置する企業への投資は相応にリスクがあるわけです。それが表面化したのがアリババの一件ということです。
ですからここで断言しておきますが、中国は政治リスクがうんぬんと話している専門家は、株式投資と通貨投資の考えがごっちゃになってしまっているのです。これはロシアルーブルについても同じことが言えます。ようは社会主義国、共産主義国は通貨価値の防衛は全力で取り組む一方で、企業価値に対しては防衛したいものの、より上の論理、つまり権力維持のための取り潰し等もやむなしと言う考え方なのです。
メキシコペソ:実はメキシコペソと人民元には共通点があります。なんだと思いますか?
それは国策として製造大国としての戦略をとっていることです。私は日本と中国で計750社の法人を往訪しましたが、メキシコに工場を構える製造業は多かったですし、メキシコ帰りの駐在員も意外と多かったです。
ここでのポイントは、メキシコの製造業は育っており、また製造業で成功をおさめる国の通貨は底堅いということです。
製造大国の代表的な国は私たち日本ですよね。日本はこれまでモノを作って海外に販売して外貨を蓄えてきました。またその外貨を日本円に替えることで国内投資を活発化させてきました。したがって絶えずドル売り・円買いの取引が発生し、結果としてドル円レートは1ドル360円から100円になるまで円高が進んできたわけです。
ようは製造大国として成功する国の通貨は、自国通貨高になりやすいのです。そしてその筆頭が中国であり、メキシコもそれに類する地域ということになります。もちろん、中国ほどの成功を収めることは困難かも知れませんが、近くに米国があり立地が良いので、不安定な中南米通貨の中ではとびきり安定しているのです。
メキシコは日本から見て地球の裏側ですし、従って日本に入ってくる情報は少ないです。ですからどういったことが実際に現地で起こっているのか、その情報が不足する点は残念ながらリスクになるでしょう。
私もメキシコについて知らないことは山ほどあります。ですからメキシコのことを学びながら投資するつもりで始めるのが現実的かも知れません。
ロシアルーブル:私が推す通貨の中でもっともリスクが高いのがロシアルーブルです。広大な国土と、豊富な資源を持つロシアですが、近年ではロシアによるウクライナのクリミア進行もあり、欧米からの制裁を受け、経済には下押し圧力が掛かっていました。
ですが、そう言った状況が続いたことで過度に安く評価されている可能性については、2つの考え方で示した通りで、ようは割安の可能性が高いと考えます。また成長著しい中国と良好な関係を築いており、かつ日本やアジアとも地理的に近く、中国とアジアと日本の成長を取り込める場所に位置するのは今後のロシアにとって好影響を与えるはずです。
リスクはプーチン政権を誰がどう引き継ぐのかと言うことや、欧米との関係改善と思います。これは中国の習近平政権にも同じことが言えます。
ですがフェアな視点でみて、いま勢いがあるのは資本主義経済を取り入れた社会主義国です。民主主義は公平な1票に重きを置き過ぎた結果、その代償としての意思決定の誤りが近年際立っています。
記憶に新しいですが、米トランプ大統領を選出してしまうほどに民主主義は混乱しているのです。私は民主主義で育ちましたし、民主主義に感謝していますが、現実問題として捉えた時にモダンな体制と言うのは資本主義経済を取り入れた社会主義国だと、心から残念ではありますが、そのように考えています。
最近ではロシアが北方領土に経済特区を新設する構想を発表しました。これこそが資本主義経済を取り入れた社会主義国の動きです。世界に名高い都市となった中国の深センも元はただの漁村で、成長したのはここ十数年の話です。いまそう言った動きがロシアでも加速しています。
ですから新社会主義国とでも言いますか、そう言った国が急成長していくであろうことは、日本にとっても脅威ですが、ある程度認めて行かざるを得ないと思います。その上で、日本も追いつけ追い越せでやっていく必要があるように思います。
少し脱線しましたが、以上の理由から新社会主義国の通貨を買っていくことは、投資判断として利に適っていると考えています。
2022年2月28日、追記
2022年2月24日、ロシアがウクライナに侵攻を開始しました。ロシアとウクライナの間には圧倒的な戦力差があり、当初は早期に戦争が終結すると思われていました。ですがウクライナのゼレンスキー大統領の勇気ある行動がウクライナの国民を鼓舞し、世界中の人々がウクライナを支援したことで、現在もウクライナの奮戦は続いています。
NATO非加盟国であるウクライナに対して軍事的な支援に出づらい欧米諸国ですが、徹底的にロシアのウクライナ侵攻に反対を示すべく、金融制裁を導入し始めました。日本や欧米各国は「SWIFT」と呼ばれる国際送金システムからロシア切り離し、方針としてロシア中央銀行との取引停止などを矢継ぎ早に打ち出しています。
こういった状況を受けて、ロシアルーブルは大幅に下落しています。またロシアが世界の金融システムから切り離されることが意識され、銀行間取引において大幅にロシアルーブルの流動性が低下している状況です。
このような金融制裁が長く続くと、ロシアは相当に経済的に追い詰められていきます。窮鼠猫を噛むともいいますが、下手をすると追い詰められたロシアは、より大きな軍事行動を起こすことも想定しておかなければなりません。
このように、現在は特にロシア経済に関して、大変に先の見通しづらい状況になってしまいました。そのため、私が個人で行っている「らくらくFX積立」のロシアルーブルについてもなるべく早期にポジションを解消しようと考えております。
非常に不安定な状況ですので、下落リスクには十分にご留意くださいませ。
まとめ
色々述べてきましたがまとめます。
まず資産を保管したい場合は米ドルをおススメします。この場合のレバレッジは1倍です。なぜなら日本円以外での資産保管が目的だからです。
次に資産を増やしたい場合は以下の割合をご案内したいと思います。
レバレッジ:3倍
10の資産に対して・・・
人民元:7
メキシコペソ:3
※2022年2月28日、ロシアルーブルを削除しました
正直に申しますと人民元10でもよいと思いますし、それが最もパフォーマンスが良く、堅実な投資かも知れません。
あえてメキシコペソやロシアルーブルも取り入れているのは、色々な国の通貨を自分がさわりたい、みなさんにもさわって頂きたいという気持ちがあります。私は、やはり身銭を切って投資することで学べることがあると信じているからです。
そう言う中で人民元に次いで買える通貨は何だろうと言う観点で探して導き出したのがメキシコペソとロシアルーブルです。
この2通貨は相場の変動も人民元と比べて大きいです。ですから短期的に大きくマイナス評価が出ることもあり得ると思います。
ですが、スワップポイントは高水準で、通貨としての価値も上昇していく可能性もなきにしもあらずと考えますので、将来の成長への期待、すなわち大化けへの期待をこめて推し通貨に加えました。
私はこうやって人に勧める時に、自分がまず身銭を切ることにしています。それは身銭を切らない人の言葉に説得力はないと考えていますし、また身銭を切ることで学べると思っているからです。
人民元の積立はすでに始めていますが、メキシコペソとロシアルーブルはまだ取り組んでいませんでしたので、さっそく買付登録をしました。また適宜経過報告をしていきたいと思いますので、楽しみにお待ちください。
分析して身銭を切って判断する、こう言った経験を通じて自身の投資スキルが身につくと思っています。色々述べてきましたが、私の記事についても鵜呑みにせず、なるべく懐疑的に眺めてください。そして本当にこれでいいのか?アドバイス的な視点で恐縮ですが、そうやって自問自答してみて、その上で納得感をもって始めて頂ければ本当に嬉しく思います。
みなさんのチャレンジをお待ちしています。
戸田裕大
<参考文献・ご留意事項>
各種為替データ:https://Investing.com
政策金利について
中国人民銀行:http://www.pbc.gov.cn/
Bank of Russia:https://www.cbr.ru/eng/
BANCO DE MEXICO:https://www.banxico.org.mx/indexen.html
各種計算式
IMF:https://www.imf.org/en/home
The Economist:https://www.economist.com/
当社取扱通貨のうち、いわゆる新興国通貨に分類されるトルコリラ・南アフリカランドおよびメキシコペソはインターバンク(銀行間為替市場)における流動性が主要国通貨に比べ相対的に低く、経済指標発表のみならず金融政策変更やその他政治的要因、さらには地政学的リスク等の要因による突発的な相場急変動が起こりやすい環境下にございます。
また、こうした急変動時には実勢インターバンクレートのスプレッド(BidとAskの差)も平常時に比べ大幅に拡大する傾向にあり、その場合には当社でもやむなく提示スプレッドを一時的に拡大することがございます。あわせて、相場状況により「ダイレクトカバーの対象となる注文」の基準Lot数(最低数量)を一時的に変更する場合がございますので、あらかじめご承知おきくださいますようお願いいたします。
これら新興国通貨のお取引、およびこれらを対象とするキャンペーンへのご参加に際しては、以上につきあらかじめご留意のうえ、ポジション保有時、特に法人会員様の高レバレッジ取引における口座管理には十分ご注意くださいますようお願い申し上げます。
以上の新興国通貨それぞれのリスク、および直近時点でのリスクレポートにつきましては、こちらのページをご参照願います。
新興国通貨が高金利である理由について
新興国に分類される国々は概して政治リスクや財政リスクが先進国よりも高く、したがってその経済的信用度は相対的に低い水準にあります。こうした条件下では海外投資家の資金を呼び寄せられず、経済発展の支障となるため、金利を上げたり税金を安くしたりすることで、信用度の低さを補いうる投資環境を構築しようとします。そのため新興国通貨は一般に先進国通貨よりも高金利となる傾向にありますが、前述したように各種リスクが高い水準にあることから、長期的には先進国通貨に比べて価値が下がる(=通貨が下落する)条件を備えているともいえます。
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代表を務めるトレジャリー・パートナーズでは専門家の知見と、テクノロジーを活用して金融マーケットの見通しを提供。その相場観を頼る企業や投資家も多い。 三井住友銀行では10年間外国為替業務を担当する中で、ボードディーラーとして数十億ドル/日の取引を執行すると共に、日本と中国にて計750社の為替リスク管理に対する支援を実施。著書に『米中金融戦争─香港情勢と通貨覇権争いの行方』(扶桑社/ 2020 年)『ウクライナ侵攻後の世界経済─インフレと金融マーケットの行方』(扶桑社/ 2022年)。
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