以下の取材記事はトレーダー個人の経験やお考えに基づくものです。その内容について当社が保証するものではありません。実際のお取引については充分内容をご理解の上ご自身の判断にてお取り組みください。
フリーアナウンサーとして、為替アナリストや個人投資家とのつながりもある大橋さんに、トレードするうえで身に着けたトレードセンスや、投資判断などについてお聞きしました。
▼目次
1.「相場は材料のないときの動きが本物」
2.相場のマイノリティ―たれ
「相場は材料のないときの動きが本物」
編集部:- 先日のセミナーで大橋さんが大事にしていらっしゃる相場の格言として「相場は材料のないときの動きが本物」を紹介されていました。 こちらについてお伺いしてもよろしいでしょうか。
大橋:- はい。為替レートの値動きを見ていて、理由はよく分からないけどよく動いたって経験はありませんか?
編集部:- 経済指標の発表がないときに、フッと動くあれですか。
大橋:- 材料があって上がるっていうのはまあ当たり前のことですけど、値動きが説明出来るような材料がいくら探しても出てこないなーって言うときです。 一時的なものだったら、大口投資家のトレードかなと思うこともありますが、よくわからず動き始めそのままトレンドが続くようだと、これは大きな変動要因が裏に隠れている、もしくは大きな予兆があると考えることが重要ですよね。
編集部:- なるほど。
大橋:- 材料がないとき、何かがちょっと動き始めていたりします。 我々個人投資家が変動要因を知るのは最後です。 ただ、チャートを見ていて、初動に気づいておくことは重要だし、動き始めた方向と反対のポジションを持っているんだったら、粘って持ち続けないほうがいいと思います。
編集部:- 相場に違和感を覚え、思惑と逆方向に動いたら、素早く損切りを行うということですね。
大橋:- そうです。 「気持ち悪い値動き」って表現をするんですけど、違和感を覚えたときに、不利なポジションを持っていたら、撤退すべきか検討してくださいね。
相場のマイノリティ―たれ
編集部:- 少し株式市場の話になってしまいますが、現在の世界的な金融緩和相場で、特に米国の株は上がり続けています。
大橋:- 凄いですよね。
編集部:- バイデン候補がアメリカ大統領に就任した後は、株は下がるなんて言われていましたけど。 みんなが当初に想定していたシナリオから外れると、ストップロスを巻き込んだ大相場になりやすいってことですかね。
大橋:- 経験上それは言えます。 トランプ大統領就任の時もそうでした。あの時も、大統領就任時にドル安になると言われていました。結果は、皆さんご存じの通りドル高になりました。 つまり、みんなの意見が一方向に偏っちゃったときには気を付けましょうってことですよね。
編集部:- 何でもバランスには、気を付けたいと思います。
大橋:- 「相場はマイノリティが勝つので大衆が負ける。」 マイノリティになるというか、先に相場の変化に気づいた人が利益を得るわけですね。 だからみんなの見通しなりポジションが同じ方向に行った時、自分が違う立ち位置にいるのならチャンスは大きいことになります。
私の為替の師匠は、みんなが同じ見通しを言うポジションは、すごく嫌っていました(笑)。 「自分が大衆になるな」というひとつの教訓でした。
編集部:- では、大橋さんの為替の師匠は逆張りの方なんですね。
大橋:- そうですね(笑)。 先ほどの話に戻りますと、今年はドル安予想がほとんどじゃないですか。 なのであくまで経験則ですが、今年はドル高方向に動くんじゃないかなって思っています。
編集部:- 最後にFX初心者の方へメッセージをお願いします。
大橋:- FXでトレードするとき、あらゆるものに関心を寄せていないと、見えてこないものがあります。 同時に、あらゆるものに興味を持つきっかけになります。 例えば今年中国が100周年イベントを予定していてそのために、すごくコモディティが買われている可能性がある、とかそういうニュースに触れるのは、すごく面白いですよね。 FXは、トレードだけじゃなくて、世の中の動きまで見えてくるという所がとても面白いなと思っています。 皆さまも一緒にFXを通じて世界を見てみませんか、と言うところでしょうか。
編集部:- きれいにまとめていただき、ありがとうございます。
3回にわたりお話を伺ってきましたが、なごやかな語り口の中に、数々のトレード経験から来る言葉の力強さを感じました。
【前編】
【中編】
【過去出演動画】
大橋 ひろこ氏
フリーアナウンサー/ナレーター/個人投資家。福島県出身。アナウンサーとして経済番組を担当したことをきっかけに自身も投資を始め、現在では個別株、インデックス投資、投資信託、FX、商品先物と幅広く投資している。個人投資家目線のインタビューに定評があり、経済講演会ではモデレーターとして活躍する。自身のトレードの記録はブログで赤裸々に公表しておりSNSでの情報発信も人気。一時期は海外映画やドラマの吹き替えなど声優としても活動していたが、現在は経済番組に専念。現在ラジオNIKKEIなどで経済番組レギュラーを多数抱え、キャスターとしても多忙な日々を送っている。