まんが!週刊FX 2020年7月3日号
もしもしそこのアナタ!たまには空からチャートを眺めてみるのはどうじゃろう?
今回はチャートに棲む妖怪を紹介していくぞ


モコじい
チャートの海で生まれたテクニカル分析の精霊
なんとなく大御所な印象があるが要するにオタクである

モコみ
モコじいの孫。アルバイトで各通貨ペアのチャートを回っている
悪気なくストレートな言い方をしてしまうKYっ子

- モコじいじゃ
今回もチャートの上空を散歩していくぞ
前回の「バケ線」に紹介された妖怪を探しにいくのじゃ 
- モコみですけど、それはどんな妖怪なんです?

- 「マド」というのじゃそうな

- 窓?本当に妖怪なんですか?

- ふむ、なんでもポッカリ開いた妖怪らしいぞい
さっそく探しにいくのじゃ
変わり種の妖怪!ポッカリ空いたマドに注目


- というわけでポンド/円に来てみたぞ

- モコじい、妖怪っぽいローソク足なんてどこにもいませんよ

- そんなはずはないぞ、よく探すんじゃ

- あ、モコじい、見てください!

- なんと、ローソク足ではないじゃと!?


- モコじいじゃ
おぬしは本当に妖怪かの? 
- 天窓、地窓、高窓に出窓に社会の窓!
妖怪マドとはあっしのことだピシャ! 
- モコじい、危ないやつです!

- 外見を含めてギリギリなやつじゃ
おぬしはどのような妖怪なのじゃ? 
- あっしはローソク足とローソク足の間がパッカリ空いたときに現れる妖怪だピシャ

- ?よくわからんのう

- さっきのチャートをよくみるんだピシャ

(声)
マドとはローソク足とローソク足の上下の間隔が開いた状態のこと。
このときは英国のブレグジットをめぐり、メイ首相率いる与党・保守党が政治基盤を強くするために打って出た総選挙で惨敗。ポンド/円は3円近く下げてスタートしたのでした。
このように下方向に開いた場合を「下マド」、反対に上方向に開いた場合は「上マド」と呼ばれます。
・・・ところでローソク足じゃないのに妖怪といっていいんですかね?

- わしに聞かれてもな

- モコみですけど、あなたは何のために存在しているんですか?

- そういう心ない言葉で教室に来なくなる子もいるんだピシャ!
言い方に気をつけるんだピシャ!
あっしはうまく使えばダイナマイト役に立つ妖怪なんだピシャ 
- どう役に立つのじゃ?

- 代表的なのが「マド埋め」だピシャ
この先のチャートを見るんだピシャ


- モコじい、下押したあとにグイグイ伸びています!

- なるほど、マドの水準まで戻すのを「マド埋め」というのじゃな
(声)
チャート上でマドが出現すると、後日そのマドに向かって相場が戻ってくることよくあります。
マド埋めという名前が一般的ですが、マド閉めと呼ばれることもあります。
一説にはマド埋めの確率は9割に達するとか。・・・本当ですかねえ?

- 本当だピシャ!
ちなみにあっしのようなマドを「コモンギャップ」というのだピシャ 
- ふむ、おぬし態度は悪いが役に立つ気がするのう

- 実際役に立つんだピシャ
あっしをうまく使ってトレードする投資家もいるんだピシャ 
- その意外に役立つマドさんはほかにもいるんですか?

- なんかトゲがあるんだピシャ
あっしの仲間は株を中心にたくさんいるんだピシャ
ユーロ/ドルにもいたんだピシャ 
- モコみ、いちおう行ってみよう

- ローソク足じゃないからテンション低いですねえ
埋まるだけじゃない?マドの仲間はまだまだいる


- というわけで2017年のユーロ/ドルに到着じゃ

- モコじい、さっそく見つけました~

- マドは見つけやすいのがいいのう


- モコじいじゃ
おぬしもマドの仲間で間違いないかの? 
- 惑い惑われ惑わされ!
妖怪マドといえばあっしのことだピシャ 
- 惑わされてるじゃないですか!
モコじい、コイツもおかしいです 
- そういう無配慮な言葉が現代人の心を蝕むんだピシャ
言葉の暴力反対だピシャ! 
- おぬしもマドを埋めるんじゃろう?
さ、場所は確認したし帰るかのう 
- それはどうかな!だピシャ


- モコじい、さらに上昇しています!

- なんと!
(声)
こちらは2017年4月のユーロ/ドル(日足)。
このときはフランス大統領選の第1回投票の出口調査で反EU候補同士の決選投票が避けられたことで週初めに急騰して始まりました。
前年に英国の国民投票で欧州連合(EU)離脱=Brexitが決まったことで市場はフランスでもEU離脱の機運が高まることを警戒していましたが、選挙の結果でひと安心したわけですね。

- それはわかるのじゃが・・・

- モコみですけど、埋まらないマドに存在価値はあるんですか?

- モラハラ娘!これをよく見るんだピシャ!


- このように、埋まらないほうが実は大きなトレンドが期待できることがあるんだピシャ
(声)
上の図では一度マド埋めを試したあげくに埋めることができず、そのまま上伸しています。
このようにマドは強いトレンドを見極めるという使い方もできるんですね。

- ちなみにあっしのようなマドを「ランナウェイギャップ」というんだピシャ

- 80年代の香りがするのう

- ほかにはどんなマドがあるんですか?

- マドの種類は下の4つがあるんだピシャ
川畑琢也アナリスト(国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト)に教えてもらったピシャ

マドの種類
コモンギャップ:開いたあとですぐに埋まるマド
ブレイクスルーギャップ:トレンド開始を示唆するマド
ランナウェイギャップ:トレンド加速を示唆するマド
エグゾーストギャップ:トレンド加速を示している一方、終着が近いことも示唆するマド

- マドのくせにあまり知らないんですねえ

- やかましいピシャ!

- コモ・・・エグ・・・わし横文字が苦手でのう

- 大丈夫ピシャ
とりあえずマドはすぐ埋まるパターンが多いけど、埋まらないときはトレンドが続くことがあると覚えておけばOKだピシャ 
- とりあえず川畑さんに聞いとけばいいということがわかりました~

- もうハラスメント雲には付き合ってられないピシャ!
(ピシャッ)

- あ、固く閉ざしてしまったぞ!

- 本物の窓だったんですねえ

