注文約定時におけるカバー取引について
お客様からお受けした売買注文が約定条件を満たした際には、当社は速やかに指定したカバー先金融機関との間で、その注文と同方向・同数量の売買を行います(この売買のことを一般に「カバー取引」といいます)。こうした取引を継続することにより、当社では為替変動リスクのヘッジをしつつ、お客様の注文に対する約定処理が可能となります。
ダイレクトカバーの対象となる注文について
当社では、Lot数が一定数量以上となるストップ、トレール注文をお客様より受けた場合、その全Lot数の約定を最優先とするため、複数のカバー先金融機関の中から同Lot数を引き受けられ、かつベストプライスを提示した金融機関を選択してカバー取引を行います(以下、本方式によるカバー取引のことを「ダイレクトカバー」といいます)。
ダイレクトカバーの対象となる注文においては、同Lot数を引き受けた特定カバー先金融機関の提示レートに当社の「カバー取引調整分」を付加したレートを約定値に適用します。そのためダイレクトカバーの対象となった注文は、同タイミングで約定した同一執行条件・同一通貨ペアかつ同一売買区分の通常注文(当社取引レートを適用)よりも、有利または不利なレートで約定する場合がありますのでご注意ください※1。
またダイレクトカバーの対象となった注文においては、市場の流動性が著しく低い状況下にある場合、成行注文であっても約定しないことがあります。
なお、カバー先金融機関等によるレート誤配信などの理由により、市場実勢から乖離した約定値の適用、および本来確定すべき金額とは異なる損益金が発生する可能性があります。当該約定値が市場実勢から明らかに乖離した場合、乖離したと当社が合理的に判断した場合においては、当社にて本来あるべき約定値への訂正(損益金の調整入出金を含む)、もしくは約定取消を行う場合があります。
ただし、為替相場への影響が大きいと予想される事項(国内外の政策金利、経済指標等)の発表タイミング前後のほか、その時点の為替相場の変動状況や市場の流動性、カバー先金融機関等の条件に応じて、一時的に基準Lot数を通貨ペア・執行条件(マーケット、成行、ストップ、トレール)毎に追加や変更をさせていただく場合があります。
また、ロスカットがダイレクトカバーの対象となった場合、基準LOT数を原則100Lot以上とさせていただきます。
なお、恒常的に採用する上記基準Lot数は適宜見直しを行うものとし、随時本ページにおいて開示するものといたします。お客様におかれましては、充分にご確認くださいますようお願いいたします。
- ※1
[ダイレクトカバーの対象となる注文の約定ケース]
- 1. お客様は当社の提示レートが100.000-100.005の時点で、当社がダイレクトカバーの対象とする基準Lot数の買注文を、成行注文、またはスリッページ許容幅「10」に設定したマーケット注文にて発注されたとします。
- 2. 通常の注文であれば、当社で提示しているレートである100.005で約定しますが(スリッページが発生しない場合)、当社がダイレクトカバーの対象とした場合、複数のカバー先金融機関の中から同Lot数を引き受けられる金融機関を選択してカバー取引を行います。
- 3. ダイレクトカバーの引き受け先となるカバー先金融機関の提示レートに当社のカバー取引調整分を付加したレートが99.998-100.015だとした場合、成行注文またはマーケット注文※のいずれも、100.015で注文成立となります。 ※マーケット注文の場合、100.015が発注時の提示レート(100.005)に対しスリッページ許容幅「10」(=0.010)を加えた範囲内に収まるため、本ケースでは約定となります。
このように、当社で提示しているレートに対しお客様にとって不利なレートで約定する場合があります。
特に成行注文、またはスリッページ許容幅を大きくとったマーケット注文においては、マーケットの状況が極端に流動性に乏しい時間帯、指標発表等瞬間的に動意づいたケースが重なった際には影響を受けやすくなります。
注文種類の選択やスリッページ設定の際には、十分ご注意いただくようお願いいたします。
当社のカバー先金融機関
- 当社のカバー先は取引説明書にてご確認ください。