CFDとFX/株式/先物取引の違い

CFDとFX/株式/先物取引の違い

CFDの最大の特長は、世界各国の市場で取引されている金融商品へ「手軽」に投資できる点です。少額から、時間を選ばず、コストも抑えて、世界の代表的な銘柄に投資ができる、フレキシブルな金融商品になります。今回はCFDと他の金融商品の違いを紹介します。

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CFDとFX/株式/先物取引の違い一覧

CFDとよく一緒に比較される金融商品、FX/株式/先物取引の違いを一覧にしました。

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  CFD FX 株式 先物取引
投資対象 貴金属
エネルギー
穀物
各国の株価指数
企業の株式
各国の通貨 企業の株式 株価指数
国債
貴金属
エネルギー
穀物
投資対象の数 数十種 数十種 数千種 数十種
取引時間 平日ほぼ
24時間
平日ほぼ
24時間
平日の日中 平日8:45~15:15、
16:30~翌朝5:30
インカムゲイン 調整額 スワップポイント 配当金
株主優待
なし
レバレッジ 商品CFD:
最大20倍

株価指数CFD:
最大10倍

株式CFD:
最大5倍
最大25倍
(個人の場合)
現物:
なし

信用取引:
最大約3.3倍
10~30倍程度
手数料/
スプレッド
手数料なし
スプレッドのみ※備考
手数料なし
スプレッドのみ
各業者の
定めた手数料
各業者の
定めた手数料
取引に必要な資金 数千円~数万円 数千円~数万円 数十万円~※備考 数十万円~
相場変動要因 商品CFD:
需要と供給

株価指数CFD:
各国の経済動向

株式CFD:
企業の業績
各国の
経済動向
企業の業績 需要と供給
税金 先物取引に
係る雑所得:
20.315%
損益通算可
先物取引に
係る雑所得:
20.315%
損益通算可
株式等に
係る譲渡所得:
20.315%

上場株式等に
係る配当所得:
20.315%
先物取引に
係る雑所得:
20.315%
損益通算可
決済期限 なし なし なし 限月による
期限あり
備考 ロスカット手数料については徴収している会社もございますので、各社のサービス概要をご確認ください。 投資対象が異なるが、CFDとFXの仕組みはほぼ同じ。 投資の対象銘柄によって異なる。また信用取引は現物取引と比べて少ない金額で取引できる。ただし信用取引の場合は取引手数料とは別に貸株料や日歩等の発生もあるため注意が必要。 決済期限に注意が必要。

CFDとFXの違い

CFDとFXの基本的なルールは同じです。もちろん、CFDは金/原油/日経平均株価など、FXはドル円やポンド円、と投資対象は異なります。ただ、CFDは差金決済取引(現物の受け渡しは行わず、売買で発生した損益のみを受け渡す取引のこと。)を意味しており、海外ではCFD取引の枠組みの一つにFXが含まれております。そのため仕組みはほぼ同じですが、一部の異なる点を紹介します。

インカムゲイン

CFDでは、株価指数や株式を原資産とする銘柄の「権利調整額」、保有しているポジションを「ロールオーバー」(翌日へ持ち越す)した際に発生する「金利調整額」が該当します。「権利調整額」についてはCFDと株式の違いでも後述します。「金利調整額」はお金の貸し借りにまつわる金利を調整した金額です。もしドル建ての株価指数を買った場合は、保証金を担保にCFD会社からドルを借りて銘柄を買っているイメージになります。そのため借りているドルに対しての金利等を支払うことになります。それぞれ受け取りor支払いで発生します。

FXの場合は、2国間の金利差を調整したスワップポイントが該当し、受け取りor支払いで発生します。インカムゲインの内容が異なることを覚えておきましょう。

  • 原資産:値動きの対象となる資産

レバレッジ

続いてレバレッジです。レバレッジとは、口座に預けた証拠金を担保に、より大きな金額を取引できる仕組みのことです。FXでは個人口座の場合に最大25倍までとなっておりますが、CFDのレバレッジは銘柄のカテゴリーごとに分かれています。金(ゴールド)や原油などの商品CFDは20倍まで。日経平均株価やダウ工業平均などの株価指数CFDは10倍まで。アップルやアルファベットなどの株式CFDは5倍までとなっております。

トレール注文

最後に、表にはございませんが、トレール注文の方法がわずかに異なります。トレール注文は、ストップ注文(逆指値注文)の位置が一定の幅になるように自動で動いてくれる注文方法です。例えば現在のレートが1ドル=100円のときに新規買注文を出し、99円でストップ注文を入れ、トレール幅を1円と設定します。この際、相場が101円、102円と上昇すると、ストップ注文の位置も100円、101円と相場に追従して上昇します。FXの場合は「注文時の価格」からトレール幅分のストップ注文を入れる方法のみです。CFDの場合は「指定した価格」に達した場合にストップ注文を注文する方法も可能ですので、CFDの方がトレール注文の選択肢が増えております。

CFDのトレール注文についてはこちら

CFDとFXの仕組みは似ており、通貨の値動きとCFD銘柄は関係が近いこともあるため、FXの経験がある方はCFDを始めやすいといえるかもしれません。例えば金(ゴールド)の価格は、基軸通貨米ドルの強さや金消費の多い中国の経済状況などと関連しております。また原油価格は、豪ドルやカナダドルなどの資源国通貨の状況と関連しております。通貨の理解の幅を広げるために、CFDに取り組んでみるのも一手かもしれません。

CFDと株式投資の違い

差金決済取引のCFDに対して、株式投資は現物取引をベースにしています。ネット証券会社にて手数料0円こそ進んでおりますが、一覧表のように、取引時間や少額取引などのフレキシブルさではCFDにメリットがあります。一方で現物の有価証券を保有したり、議決権や株主優待などの直接的な関与は株式投資ならではのメリットです。ここでは、インカムゲインと税金の違いを説明します。

インカムゲイン

インカムゲインについて。株式投資では株主優待と配当金がございます。株式CFDでは株主優待はございませんが、配当金に該当する「権利調整額」がございます。この「権利調整額」は買いの建玉には受け取りで発生しますが、売りの建玉には支払いとなってしまいますのでご注意ください。

  • 株の信用取引のように、CFDでは売り方向から建玉を持つことが可能です。

税金

税金の内訳も少し異なります。CFDの利益はすべて「先物取引に係る雑所得等」に区分され、損失の繰越控除や先物取引間での損益通算が行えます。受渡日ベースで1月1日から12月31日までの1年間に確定した、売買益および保証金に反映された配当・金利・調整金が課税対象となります。税率は申告分離課税の20.315%です(所得税15%+住民税5%+復興特別所得税0.315%)。

株式投資の利益は譲渡益と配当金の2種類あり、譲渡益は「申告分離課税」となります。一方、配当金は「申告分離課税」のほかに、確定申告で「総合課税」を選択することができます。総合課税なら所得に応じて所得税率が変わります(5%~45%)。さらに配当控除も使えるので、一定以下の所得の方は総合課税のほうがお得となります。

株主優待を安全に手に入れるために

利益を狙う目的のみならCFD、利益に加えてより直接的な接点を持ちたい場合は株式投資、といった使い分けがいいかもしれません。最後に既に株式投資をされている方に向けて、株価変動の影響を受けずに株主優待を手に入れるための、株式CFDの使い方を紹介します。まず権利付最終日までに通常の証券取引口座で現物の株式を買います。続いてCFD口座で同じ銘柄を同じ値で同じ数量だけ売りのポジションをとります。そして権利落ち日以降にそれぞれのポジションを解消します。株価の損益は、証券口座とCFD口座で相殺され、株主優待のみを手に入れることができます。(手数料は別途ございます。)

CFDと先物取引の違い

主な違いは決済期限と取引相手です。CFDのうち、株価指数CFD、商品CFDのWTI原油と天然ガスは先物を原資産としています。またCFDも先物取引も差金決済取引であるためほとんど同じ商品に見えるかもしれません。しかし両者は異なる金融商品となっているため、違いを紹介します。

先物取引とは?

まずおさらいとして、先物取引とは、ある商品(原資産)を、将来の決められた日(期日)に、取引の時点で決められた価格で売買することを約束する、といった取引を指します。1か月後に原油を買うとして、1か月後の値段が1,100円、もしくは900円だとしても、1,000円で買うと約束してしまうイメージです。元々は、将来の経営計画を立てやすいようにあらかじめ価格を決めておき、価格変動のリスクヘッジをする役割として設計されています。

決済期限の違い

先物は将来の決められた期限になると決済が行われ取引が終了します(その期限の月を限月と呼びます)。CFDでは期限という概念がないため、先物の期限が過ぎて取引が終了しないよう、必要に応じて先の異なる限月の先物を原資産とします。限月が異なるため、原資産の先物価格も変わります。先物を原資産とするCFD銘柄では、この価格の差額を調整するための価格調整額が発生する会社もございます。外為どっとコムの場合、価格調整額は金利調整額やレート等に含まれておりますので、価格調整額という名目での受け払いは発生しません。

取引相手

先物取引は取引所取引、CFDは取引所取引と店頭取引がございます。またお客様の取引注文は、証券会社(商品先物取引会社)が仲介し、証券取引所(商品取引所)に発注されます。一方の店頭取引は、証券取引所を介さず証券会社が売買の相手となって取引をします。そのため、売買レート価格はCFDを提供する証券会社によって異なります。また取引所取引では取引に関する手数料が発生します。店頭CFD取引の実質的なコストはスプレッド=「銘柄の売値と買値の差」になります。

スプレッドについて。銘柄を売る値段と買う値段は同じではなく、僅かに異なっています。例えば、今の石油の買値が100円、売値が99円だとすると、スプレッドは1円になります。ここで石油を100円分買ったとします。取引評価額は今決済した場合の値段で示されますので、100円で買った石油を99円で売ることになり、取引評価額はマイナス1円となります。これがスプレッドにおけるコストのイメージです。そのため、CFD口座を選ぶ際はスプレッド幅の狭い会社を選びましょう。
外為どっとコムでは金と原油の取引に力を入れています。

その他の違い

その他の違いとして、CFD取引は保証金の割合が100%を切ったら建玉が強制決済されてしまいます。投資家の損失を最小限に防ぐ、ロスカットという制度になります。意図しない決済となるため敬遠する方もいらっしゃいますが、先物取引にロスカット制度はございません。またCFDにて1口(1Lot)の注文に必要な保証金額は、先物の10分の1程度となっております。

CFDはメリットいろいろ

世の中に存在する金融商品の分だけ、投資機会がございます。様々な相場が、ニュースや経済事象により変動します。CFDなら、たった一つの口座で、あらゆる資産に幅広く投資することができます。株価指数のようによく目にするものから、原油/金/外国株式のようにグローバルなものまで、様々な資産に投資することができます。自分に合った投資を見つけることは重要ですが、世界中の投資チャンスにアクセスしやすく、手軽でフレキシブルな金融商品であるCFDは、ひとつの有力な選択肢といえるでしょう。

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