本日のロンドン為替市場のユーロドルは、今夜の米11月消費者物価指数(CPI)や明日の欧州中央銀行(ECB)理事会を控えて動きづらい展開の中、「48時間以内に指名」と報じられた次期フランス首相の人選に注目する展開が予想される。
マクロン仏大統領は昨日、議会によって直ちには倒されない穏健派連合による内閣を組織できる新首相を選ぼうと、極右と極左を除く大半の主要政党と会談した。そして、48時間以内に次期首相を指名する予定、と報じられており、新内閣を率いる首相人事に要注目となる。
極右政党・国民連合(RN)の事実上の代表を務めるルペン氏は、予算案への条件付きの支持を表明していることで、後任首相と新予算案の成立を待つ段階となっている。
しかし、昨日公表された国際決済銀行(BIS)の四半期報告書では、フランスの財政赤字を巡る政局の混乱を「財政懸念の再燃」の要因として挙げており、25年の仏予算案による仏国債格下げへの警戒感も高まっているため、フランスの政治・財政がユーロの上値を抑える構図が続くことになる。
明日のECB理事会では、0.25%の追加利下げが予想されているが、来年からのトランプ関税によるユーロ圏の景況感悪化懸念やドイツとフランスの政局混迷を受けて、0.50%の大幅利下げの可能性も警戒されており、ユーロ売り要因となっている。
ビルロワドガロー仏中銀総裁は0.50%の利下げを排除しない姿勢を示し、カザークス・ラトビア中銀総裁も、「0.50%利下げの問題は間違いなく議論されるだろう」と述べている。
想定レンジ上限
・ユーロドル:1.0636ドル(日足一目均衡表・基準線)
・ユーロ円:160.92円(日足一目均衡表・雲の下限)
想定レンジ下限
・ユーロドル:1.0461ドル(12/2安値)
・ユーロ円:158.13円(日足一目均衡表・転換線)
(山下)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
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